振動溶着

振動溶着とは

振動溶着とは、摩擦熱を利用して熱可塑性樹脂を接合する技術です。

2つの部品を高速で振動させながら押し当てることで、接触面に摩擦熱が発生し樹脂が溶融します。溶融した樹脂が冷え固まることで、2つの部品が強固に接合されます。接着剤やネジを使用せずに部品同士を接合できるため、環境負荷の低減や製造コストの削減の実現が可能です。複雑な形状の部品や異種材料の接合にも適しており、幅広い分野で利用されています。高い接合強度と気密性を実現できるため、自動車部品や家電製品など高い品質が求められる製品の製造に適しています。溶着時間が短く生産効率が高いという点がメリットです。

振動溶着の使用用途

振動溶着の使用用途として、自動車産業、家電製品、医療機器の3つを解説します。

1. 自動車産業

自動車産業では、バンパー、インストルメントパネル、ドアトリムなど多くの部品の接合に振動溶着が利用されています。例えばバンパーの接合では高い衝撃吸収性が求められますが、振動溶着によって強固な接合を実現することで安全性を確保しています。またインストルメントパネルの接合では、複雑な形状に対応できる振動溶着の特性を生かし、デザイン性の高い製品が実現可能です。

2. 家電製品

家電製品では、冷蔵庫、洗濯機、掃除機など多くの製品の外装部品や内部部品の接合に振動溶着が利用されています。例えば冷蔵庫のドアの接合では高い気密性が求められますが、振動溶着によってこれを実現し冷却効率の向上を実現しています。

3. 医療機器

医療機器では、注射器、輸液バッグ、カテーテルなど多くの製品の接合に振動溶着が利用されています。例えば注射器の接合では高い気密性が求められますが、振動溶着によって実現し、薬液の漏れを防いでいます。また、カテーテルの接合では柔軟性が必要です。これを振動溶着によって実現し、患者の負担を軽減しています。