しゅんせつ工事

しゅんせつ工事とは

しゅんせつ工事とは、漢字では「浚渫工事」と書き、河川、湖沼、港湾などの水底を浚 (さら) って土砂などを取り除く土木工事です。

しゅんせつ工事は、専用の船舶や重機を用いて行われます。 水底の土砂を掘削し、ポンプで吸い上げたりバケットで掴み取ったりする方法が一般的です。近年では環境への負荷を低減するため、掘削した土砂を有効活用する取り組みも進められています。

しゅんせつ工事は専門的な知識と技術を要する工事です。工事の規模や場所、土砂の性状などに応じて適切な工法を選ぶ必要があります。

しゅんせつ工事の使用用途

しゅんせつ工事の使用用途として、治水対策、航路の維持、水質改善、環境保全の4つを解説します。

1. 治水対策

河川や湖沼では上流から流れてくる土砂が堆積し、川底や湖底が浅くなることがあります。放置すると河川の流水断面が狭くなり、洪水時の水位上昇や河川の氾濫を招く危険性があります。しゅんせつ工事によって土砂を取り除き、水深を確保することが可能です。特に近年は集中豪雨の発生頻度が増加しており、治水対策としてのしゅんせつ工事の重要性は高まっています。

2. 航路の維持

港湾や漁港では、船舶の安全な航行を確保するために、航路の水深を一定に保つ必要があります。特に大型船舶が航行する航路では、十分な水深が確保されていないと座礁や衝突事故のリスクが高まります。しゅんせつ工事は航路に堆積した土砂を取り除き、船舶の安全な航行を実現することが可能です。また漁港では、漁船の安全な入出港や係留を確保するためにもしゅんせつ工事が行われています。

3. 水質改善

湖沼やダムでは水質の悪化が問題となることがあります。水底に堆積したヘドロや有機物は、水質汚濁の原因となる物質を発生させます。しゅんせつ工事によって堆積物を除去することで、水質の改善を図ることが可能です。また、しゅんせつ工事と並行して水質浄化施設の設置や植栽などの対策を行うことで、より効果的に水質改善を進められます。

4. 環境保全

しゅんせつ工事は、環境保全の観点からも重要な役割を担っています。例えば河川や湖沼では、水生生物の生息環境を改善するために、しゅんせつ工事によって水深や河床の形状を調整することがあります。