インバータポンプ

インバータポンプとは

インバータポンプとは、インバータ制御によって回転速度を無段階に調整できるポンプです。

一般的なポンプは必要な水量や圧力が変化する場合でも常に同じ速度で動作します。それに対して、インバータポンプはモーターの回転速度を調整することで圧力や流量を無段階で調整することが可能です。したがって、産業においては様々な場面で活用されます。

インバータポンプは、必要な時に必要な量の水を供給するため、常に最適な速度や出力で動作します。そのため、不必要なエネルギーの消費を避けることができ、エネルギー効率が向上します。また、需要の変化に応じてポンプの動作を柔軟に調整することも可能です。

インバータポンプの使用用途

インバータポンプは様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 工業

工業において機械の冷却にインバータポンプが使用されます。例えば、製造ラインで発生する機械の熱を除去するための冷却水供給に利用されます。インバータポンプを使用することで冷却対象の温度を確認しながら水流を制御し、効率的に冷却することが可能です。

2. 農業

農業において農業用水の供給や散水装置などで使用されます。農業では季節や天候によって水の需要が変化することが多いです。インバータポンプを使用することで水量を適切に調整し、農業活動に使用する用水やエネルギーを削減できる場合があります。

3. 水道局

市街地の給水系統や上水道でもインバータポンプが使用されます。都市部では住民の需要や時間帯によって水の需要が変化するため、インバータポンプによって供給を効率的に調整することが可能です。一般的にはインバータポンプの回転数を調整し、配管内の圧力を一定に保つ運転をしていることが多いです。

インバータポンプの原理

インバータポンプはインバータによって回転数を調整することで、出力を可変させる装置です。以下のような装置で構成されます。

1. モーター

インバータポンプの駆動源は電気モーターです。一般的なポンプには安価で堅牢な誘導電動機を使用することが多いです。内部にコイルが複数配置されており、電力が供給されると回転します。

2. インバータ

インバータは電気の周波数や電圧を可変させる装置です。交流で受け取った電気を直流へ変換し、直流の電気をさらに交流へ変換します。電力を直流から交流に変換する際に、周波数や電圧を需要に応じて変化させます。

インバータで周波数などを変化させた電力をモーターへ供給することで回転数を調整します。需要が少ない時には回転数を下げることで、省エネルギーを実現することが可能です。

3. ポンプ

ポンプは、液体を移送するための装置です。羽根車などを回転させることにより、液体をポンプの吸込口から吸い上げて排出口から送り出します。モーターの回転数を可変させることで、ポンプの圧力や流量を調整し、必要な操作条件に合わせて適切に運用することが可能です。

インバータポンプの選び方

インバータポンプを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 流量

流量はポンプが単位時間あたりに移送できる液体の量を示す指標です。必要な水量に応じて適切な流量のポンプを選択する必要があります。一般的にはL/hや㎥/hなどの単位で表されます。

2. 揚程

揚程はポンプが液体を持ち上げる能力を示す指標です。水を持ち上げる垂直方向の高さで表すことが多く、mなどの単位を使用します。使用する場所の高低差や水の送り先に応じて、適切な揚程を選択する必要があります。

3. 電圧

インバータポンプは、特定の供給電圧で動作するように設計されています。使用する電源の電圧とインバータの受電電圧が一致することを確認する必要があります。また、使用される環境や国の電圧規格にも留意する必要があります。

4. インターフェイス

インバータポンプは制御パネルなどのインターフェイスを持つ製品が多いです。優れたなインターフェイスを持つインバータポンプを選択することで、システム全体を効果的に管理できます。アナログやデジタル入出力または通信プロトコルなども合わせて確認します。