ドライアイス洗浄機

ドライアイス洗浄機とは

ドライアイス洗浄機とは、ドライアイスを洗浄物の表面に吹きつけて洗浄する装置のことです。

ドライアイスをパウダー状に粉砕したものを圧縮空気で吹き付け、金属面などについた付着物に噴射します。表面温度の急激な低下で熱収縮が起こって付着物の接着力が弱まり、ドライアイスの気化によって表面と付着物の間で750倍に体積が膨張するため剥離可能です。

一般的にコンプレッサをホースで洗浄機と接続し、専用のエアーホースからパウダー状のドライアイスを噴射します。この時安全保護具として、保護メガネ・耳栓・革の手袋・長袖のシャツを着用し、酸欠や二酸化炭素中毒防止のために換気を十分に行いながら作業します。

ドライアイス洗浄機の使用用途

ドライアイス洗浄機は金型洗浄、表面処理、部品仕上げ、接着剤の除去 (塗装面の結合を弱める) 等に使用されています。

例えば自動車業界で、金型工程の洗浄、部品仕上げのバリ取り、接着剤の除去に利用可能です。食品業界では製造ラインの洗浄や接着剤の除去に用いられ、航空分野では安全管理の検査や塗装前の表面処理に使われます。タイヤ・ゴム業界では金型に固着した材料の除去に、織物業界では機械の繊維除去に使用可能です。

洗浄機で当てるのはパウダーであり、傷をつけにくく、手の届きにくい箇所も洗浄可能です。粒子のサイズや量、圧縮空気圧を調整可能であり、幅広い分野と使用者の好みに合わせて使用できます。

ドライアイス洗浄機の原理

ドライアイス洗浄機で表面処理は、溶剤による汚染物質の除去に頼りません。製造ラインで冷却や分解工程を省いて洗浄可能であり、時間が大幅に短縮されて生産性が向上します。

溶剤や分解による作業員の危険性を極力排除し、面倒な廃水処理や製造ラインに残留物を残さないクリーンな洗浄方法のため、食品業界を代表とする幅広い分野で活用されています。

ドライアイス洗浄機の種類

ドライアイス洗浄機には、さまざまな洗浄方式があります。ドライアイスペレット洗浄方式ではエアーと直径3mmのドライアイスペレットを混ぜて吹き付けます。ドライアイスパウダー洗浄方式は洗浄機内やノズル内部で、適切なサイズにドライアイスペレットを粉砕して、エアーと混ぜて吹き付ける方法です。

ドライアイスパウダー洗浄方式には、液化CO2やブロックドライアイスを使用する場合もあります。液化CO2から取り出した粉末状のドライアイスをエアーと混ぜて吹き付けるため、液化CO2タンクがあるといつでも洗浄可能です。ただしペレットやペレット粉砕式よりも威力が小さいです。ブロックドライアイスを削ってドライアイスパウダーを作り出して、エアーと混ぜて吹き付ける方法もあります。

ドライアイス洗浄機の選び方

工場洗浄で溶剤の使用は、作業者の健康管理や環境汚染の問題があります。その一方でドライアイスには毒性がなく、原料は石油精製などの副産物から作られており、環境対策の面でも、今後はますます重要な技術です。

注意点は以下の通りです。

  • 研磨には適しません。
  • 純アルミや紙、木材など軟らかい素材の洗浄には適しません。
  • 換気が必要です。
  • 静電気が発生するため、ガス・蒸気・粉塵などの爆発の危険性がある場所には適しません。
  • エポキシ樹脂系の塗料や接着剤、黒さびの洗浄は苦手とされています。

ドライアイス洗浄機の構造

ドライアイス洗浄機には2ホース式と1ホース式があり、それぞれ構造が異なります。

1. 2ホース式

2ホース式は洗浄機本体とガンを繋ぐホースが2本あり、構造がシンプルです。ただしホースの取り扱いが難しく、ドライアイスの消費量をコントロールしにくいです。

2. 1ホース式

それに対して1ホース式は、洗浄機本体とガンを繋ぐホースが1本だけあります。構造は複雑ですが、ドライアイスの消費量をコントロールでき、自由にノズルを設計できるため、威力が強いです。ノズル噴出口の形状、口径、曲がり角にも複数あり、洗浄箇所によって使い分けられます。

参考文献
https://www.coldjet.com/ja/
https://www.coldjet.com/ja/84/
http://www.greentech-japan.co.jp/whatis/feature.html

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