セラミックコーティング剤

セラミックコーティング剤とはセラミックコーティング剤

セラミックコーティング剤(英語:Ceramic coating agent)とは、有機材料を全く含まずにファインセラミックスを原材料としたコーティング剤です。

セラミックスとは、無機物を焼き固めたものを総称する言葉です (狭義には陶磁器を指すこともあります)  。セラミックコーティング剤の一般的な成分は、炭化物、窒化物、ホウ化物などの、無機化合物の成形体・焼結体です。一般的には、クルマやトラックの車体や灯火機材保護のために表面処理として施工されます。また耐熱温度が高いため調理機器、その他高温設備用治具などの表面処理剤として使用されることもあります。昨今の環境ニーズの高まりに伴い、環境にやさしいコーティング剤として注目されている物質です。

セラミックコーティング剤の使用用途

1. 車両の表面処理

セラミックコーティング剤の主な用途は、乗用車やトラックの車体や灯火機材を保護する目的での表面処理剤です。車両表面にセラミックコーティング施工を行うことにより、下記のような効果が得られます。

  • 塗装表面の強化、改善
  • 薬品耐性
  • 防汚性・撥水性
  • 軽微な自己修復性
  • 多重層化による光沢の向上
  • 紫外線ダメージの軽減

2. 調理機器、その他工業用設備など

セラミックコーティング剤は、調理機器やその他高温設備用治具などに硬度を持たせる目的で表面処理剤として使用されることもあります。下記は、調理用具・調理器具における具体的な使用例です。

  • 家庭用オーブンの焼き台プレートの表面処理
  • 菓子型で焼いた際にくっつかないようにするための表面処理
  • たこ焼き型の熱伝導性向上による焼き時間短縮のための表面処理
  • フライパン表面の表面処理

それ以外では鉄鋼、ステンレスの耐熱保護、絶縁、耐腐食などの用途もあります。

セラミックコーティング剤の原理

1. 成分

セラミックコーティング剤は、セラミックスを原材料としますが、前述の通りセラミックスとは無機物の焼結体一般を指すため、様々な成分があります。用いられる具体的なセラミックスは、チタン 、シロキサン、炭化ケイ素、シラザン、シラン、シリコン、シリカ (二酸化ケイ素) 、グラフェンなどです。チタン、クロム、アルミ、ケイ素などの窒化物や炭化物が用いられることもあります。

チタン系のセラミック材料は耐摩耗性の向上に優れており、クロム系のセラミック材料は耐腐食性や摺動性の向上に優れている傾向があります。また、アルミやケイ素の化合物は耐熱性に優れた素材です。近年では、比較的新しい素材としてアモルファスカーボンもセラミックコーティングに用いられています。

2. 物性

セラミックコーティングはガラスコーティングよりも硬度・耐久性・耐薬品性などに優れていることが特徴です。これは、セラミックコーティングが分子レベルでの結合力が強いコーティング剤であることによります。

セラミックコーティング剤は重ね塗り (積層)  を行うことが可能です。1層のコーティングで1~3H程度硬度が増加すると言われているため、5層程度塗り重ねることで最高硬度9Hを達成することができます。被膜の厚みは最大22μです(ガラスコーティングは0.3〜1μ)。尚、基本的に薬品や溶剤によって被膜が剥がれることはなく、剥がす際には研磨が必要です。

3. 耐熱

耐熱温度が高いためフッ素樹脂コーティングでは耐えられない環境下においても使用が可能です。中には1,100℃もの高温に耐えるものもあります。耐熱性特性の強みを活かす形で調理機器やその他高温設備用治具などの表面処理剤として活用されるケースも多いです。また、食品衛生法に適合しています。

セラミックコーティング剤の種類

セラミックコーティング剤は複数のメーカーより販売されています。液体状でガロンやリットルなどの単位で販売されているものや、簡易的コーティング用にスプレー剤などとして販売されているものなどがあります。主には、車両用など、用途別の分類です。

前述の通り成分は様々であり、成分によって耐熱性や防汚性、撥水性など性能が異なるため、用途に合わせて適切に選択することが必要です。例えば、親水性コーティング剤は、高い硬度と耐熱性と共に防汚性に優れているため、キッチン周りのステンレスなどへのコーティングに使用されます。

参考文献
https://car-beauty-navi.com/coating-type
https://www.nipponcoating.co.jp/?utm_source=Google&utm_medium=cpc&utm_campaign=pr

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