スラッジ回収装置

スラッジ回収装置とは

スラッジ回収装置とは、金属切削加工や内燃機関の動作の際に出てきてしまう金属や樹脂などの屑や塵、粉などの総称である「スラッジ」を回収するための装置です。

スラッジは通常の清掃などで除去されるため、発生すること自体に問題はありません。しかし、この清掃を怠っているとスラッジがどんどん蓄積していきます。

蓄積したスラッジは、製品自体に悪い影響を及ぼしたり、切削機械の場合の加工精度を落としたりする可能性があります。このようなスラッジによる不具合を出さないために使用されるのが、スラッジ回収装置です。

スラッジ回収装置の使用用途

スラッジ回収装置は、スラッジの発生しやすい現場、例えば切削加工を中心とした金属加工工場や、コンクリート、樹脂、油などを扱う各種プラントの排水系現場などで、清掃を目的として使用されています。ただし、スラッジは特定の産業のみならず、さまざまな業種で発生するものです。

前述の金属加工の現場の他に、車両のエンジン内部、排水用のタンクの液中など、発生する場所とスラッジの構成物質はさまざまです。排水用タンクの液中に発生したスラッジをそのまま放置していると、発生したスラッジがタンク内を圧迫して水量が減ってしまう原因になったり、また中身を腐らせる原因にもなったりします。

そして、タンク自体の腐敗してしまうと、修理に何百万円もの費用がかかります。このような事態を避けるためにも、スラッジ回収装置を使用して定期的な清掃を行うことが大切です。

スラッジ回収装置の原理

スラッジ回収装置の原理は、掃除機と同じと考えて問題ありません。ただし、スラッジの構成物質に合わせてさまざまな製品が販売されています。

例えば、金属屑が中心の場合は、マグネット (磁石) を活用し、スラッジを引き寄せて除去します。油成分が中心の場合は、液相分離を併用して液中に浮遊しているスラッジや、タンク底に沈殿しているスラッジを吸い込んで清掃します。スラッジ回収装置は、各種各様の回収手法があるのが特徴です。

ろ過装置が付いていることがほとんどで、液をろ過しながら清掃を行います。また、スラッジ回収装置のフィルターの粗さ等も変更することが可能で、細かなスラッジも回収できます。しかし、車のエンジンなど自分で清掃するのが難しいものは、業者に依頼してメンテナンスを行わないと、スラッジが蓄積してエンジンのオーバーホールの修理費用が多額になってしまう可能性もあります。

スラッジ回収装置のその他情報

1. マイクロバブル方式での回収事例

比較的大きなスラッジは使用したクーラント液や洗浄液の上面に浮遊しますが、細かい成分は一般に排水タンク内の使用済クーラント液・洗浄液中の内部に残存します。そのため、全てを回収できず、蓄積されていくのが課題となっていました。

この対策として、クーラント液・洗浄液そのものを浄化する「マイクロバブル方式」を用いる回収装置が開発されています。電荷を帯びたマイクロバブルを液内部に発生させて液中に細かな内部のスラッジを吸着させ、クーラント液・洗浄液と液相分離させることにより、効率的にスラッジ回収を図る装置です。

2. マグネット方式での利便性改善

金属屑系のスラッジは強磁石を活用したマグネット方式での回収も効果がありますが、そのあとの清掃処理に一工夫入れている装置も開発されています。

独自の手動ないしは、自動処理により吸い付けた金属屑系のスラッジを強磁石フィルターから簡便除去でき、再び再利用可能なタイプの回収装置であり、その利便性から注目されています。

参考文献
https://www.sanki-technos.co.jp/sludgevacuumer
http://www.eishin.info/products/sludge.html
http://www.nikken-net.co.jp/sludge_skimmer/
https://www.goo-net.com/pit/magazine/30408.html

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