SMAコネクタ

SMAコネクタとは

SMAコネクタ

SMAコネクタ (Sub Miniature Type A) とは、同軸ケーブルに多く使用される小型コネクタです。

マイクロ波用途のコネクタの中でも小型・高性能なコネクタです。螺旋状の接続部においてネジで締める構造をしており、外部の振動や衝撃に対して安定性が高い構造を有します。また、高周波信号が伝送される際にも信号の品質を保持しやすく、信頼性が高い点も特徴の一つです。

SMAコネクタは米軍規格MIL-STD-348でインターフェイスが定められています。一般のコネクタ用としては、DC~18GHzの周波数帯域までで使用可能です。特に高周波対応用のコネクタとしては25GHzまで使用可能な製品もあり、使用頻度が高い同軸コネクタの一つです。

SMAコネクタの使用用途

SMAコネクタは、マイクロ波帯で一般的に使用されるコネクタです。N型コネクタと比較すると小形のため、主に機器内部の配線に使用されます。以下は使用用途の一例です。

1. 精密計測機器

スペクトルアナライザーは電波の周波数スペクトルを分析する装置です。これらの精密計測機器は高周波信号を正確に受信する必要があります。SMAコネクタは信頼性が高いため、精密計測機器での信号伝送に適しています。

2. 移動体通信基地局

移動体通信とは、スマートフォンなどに利用される無線通信です。これらの通信を成立されるために、基地局と呼ばれる中継装置を設置する必要があります。この基地局とアンテナを接続するためにSMAコネクタが使用されます。

また、移動体通信の基地局では他にも、コントローラや送受信機器などの外部機器を接続することも必要です。SMAコネクタはこれらの接続にも使用され、信頼性の高い通信を実現します。

3. 小型通信機器

無線LANデバイスやGPSレシーバーなどの小型通信機器では、SMAコネクタがアンテナとの接続に使用されます。SMAコネクタは小型で信頼性が高いため、これらの通信機器での高速かつ安定した通信が可能です。ワイヤレスセンサーやドローンなどの小型デバイスにもSMAコネクタが使用されることがあります。

SMAコネクタの原理

SMAコネクタは高性能な超小型コネクタの一つです。ケーブルには一般的なフレキシブルケーブルなどが使用されます。需要に応じて、外部導体に銅パイプ用いたセミリジッドケーブルやセミフレキケーブルも利用可能です。

外径が4.2mmで内径は1.27mmの製品が多いです。内導体を支えている絶縁物には、多くの場合テフロンが用いられます。コネクタの寸法精度も高いだけでなく、カップリングナット部にステンレスが使用されている製品も存在するため、機械的強度も高いです。

取扱いが容易な点も特徴の一つです。はんだ付け作業が不要なコネクタのため、作業時間を短縮することができます。ネジの開け閉めによって接続状態を解除できるため、取付け・取り外しも容易です。

ストリップラインと呼ばれる接続方法を使用する場合、伝送ラインの露出が無くなるため、電波の回り込みを抑えることが可能です。これにより、増幅器設計する際に問題となる発振をおさえることができます。

SMAコネクタの選び方

SMAコネクタを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 材質

導体材料や絶縁材料には、製品によって様々な材質が使用されます。導体材料には一般的に真鍮が使用されますが、金メッキされた真鍮やステンレス鋼などの導体を使用した製品も多いです。金メッキされた真鍮は耐食性が高く、信号のロスを最小限に抑えることが可能です。

絶縁材料にはインピーダンスを安定化し、外部からの干渉を防ぐことが求められます。ポリエチレンやテフロンなどの絶縁材料が一般的に使用されます。

2. インピーダンス

SMAコネクタのインピーダンスは一般的に50Ωです。ただし、75Ωの製品も一部存在します。使用する機器との整合性を考慮して、適切なインピーダンスのコネクタを選択する必要があります。

3. 絶縁抵抗

SMAコネクタの絶縁抵抗は電気的な絶縁の品質を示す指標です。高品質な絶縁材料を使用し、適切な絶縁抵抗を確保する必要があります。これにより、信号のロスなどを最小限に抑えることができます。

参考文献
http://www.yuetsu.co.jp/product/connector/sma/
http://www.takitek.co.jp/item/sma/index.html
https://www.jae.com/connectors/series/detail/id=64231
https://www.stack-elec.co.jp/?p=259

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