防草シート

防草シートとは

防草シート

防草シートとは、雑草の生育を防ぐために地面に敷設するシートです。

雑草が生えると除去作業の負担が大きくなり、見た目にも美しくありません。そのような雑草問題を解決するために、防草シートは使用されます。

除草シートとも呼ばれており、日光を遮断して、雑草の生育や成長を抑えることが可能です。また、地面と密着させると、より効果を発揮します。

防草シートの使用用途

防草シートは、庭や畑、公園などの様々な場所で使用されます。雑草が生えるのを防ぐ目的で使われるのが主ですが、他にもいくつかの用途があります。

1. 農地

畔や畝間などはもちろん、電気柵回りで防草シートを敷設すると、雑草の電線接触による漏電を防ぎ、獣害対策効果が上がります。その場合、通電性のある電気柵専用の防草シートを選ぶ必要があります。

2. 公共の場

公園、インターロッキング、道路の中央分離帯、墓地、道路建設予定地など、公共の場でも防草シートは多用されています。また、植栽には透水性があり柔軟性も高いため、生分解性の製品を用いることもあります。

3. 家庭

庭や駐車場をはじめ、空き地の管理にも広く利用されています。特に駐車場での使用向けに、水が溜まることや車の乗り入れによる破れを防ぐため、複数素材を組み合わせた透水性や耐久性の高い製品もあります。

4. 太陽光発電

防草シートは太陽光発電所の雑草対策にも、広く用いられるようになりました。防草シートの敷設により、雑草が太陽光パネルを覆うことが大幅に減り、発電効率を保つことができます。

防草シートの特徴

防草シートは、土壌への悪影響を与えることなく、低コストで除草作業の労力削減になることが、最大のメリットです。一方で、景観を損ねてしまうことは短所ですが、対策として敷設した防草シートの上から、砂利や人工芝を敷くなどの対策が挙げられます。以下は防草シートの特徴です。

1. 光合成阻害による効果

防草シートは黒色や茶色が一般的で、これは雑草の光合成を阻害するためです。シートを敷くことで雑草は十分な日光が当たらず、成長が抑えられます。

2. 通気性の確保

防草シートは通気性があり、土壌の湿気を保つ一方で、根を張った雑草の発芽を防ぎます。地中の水やりや栄養の循環を妨げることなく、植物の生育をサポートします。

3. 耐久性が高い

適切な施工と適切な厚さのシートを選ぶことで、防草シートは長期間の耐久性を持ちます。雨風や紫外線による劣化を抑え、長く効果を発揮します。

4. 施工が容易

防草シートの施工は比較的簡単で、専門的な知識や技術を必要としません。一般的なDIY作業として、手軽に行うことができます。

防草シートの種類

防草シートの素材には様々なものがあり、以下が代表的な材質です。

1. ポリエステル

酸やアルカリに弱く、雨量の多い環境では、やや劣化しやすいですが、熱や紫外線に強いため、総合的には他の素材に比べ、耐久性に優れており、長期使用に適しています。

2. ポリエチレン

熱や紫外線に弱いですが、加工し易く、比較的安価で低温に強い点が長所です。ポリエチレンは寒冷地や、低コストでの防草シート設置に向いています。

3. ポリプロピレン

ポリエステルに比べれば劣化しやすいですが、ポリエチレンよりは長持ちします。熱や紫外線に弱いため、紫外線防止加工された製品も多く流通しています。

長所は酸やアルカリに強く、雨による劣化が少ないこと、軽くて丈夫な点です。ポリプロピレンは広範囲な用途に使用され、軽くて丈夫です。

4. ポリ乳酸

石油製品である他の素材と違い、植物由来です。耐久面では、数年で分解され土に還るものが多くあります。使用後に焼却処分する場合にも、二酸化炭素の排出量が少ないなど環境負荷が小さい点が長所ですが、価格が高めで、敷設する面積により多くの費用が必要になります。

防草シートの選び方

防草シートを選定する際は、素材や製法の特徴を知り、用途、使用する面積や予算などを考慮し、希望に合った品を選ぶことが重要です。防草シートを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。

1. 使用目的

使用場所や目的に応じて適切なシートを選ぶことが重要です。畑や花壇、駐車場など、それぞれの用途に合ったシートを選ぶことが必要です。

2. 通気性の確保

土壌の湿気を保つために、通気性のあるシートを選びます。土壌の健康を保ちながら雑草の発生を防ぐことができます。

3. 耐久性

長期間使用するために、適切な厚さや素材のシートを選びます。耐久性が高いシートであれば、効果が持続します。

4. 施工のしやすさ

DIYで施工する場合は、簡単に施工できるシートを選びます。使い勝手の良いシートは作業効率を向上させます。

防草シートその他情報

1. 防草シートの製法

防草シートは素材の違い以外にも、シートにする際の作り方にも違いがあり、それぞれに特徴があります。

織布
縦横の繊維から織られた織布は、耐久年数は約1~5年程度です。繊維と繊維の隙間があり、目の粗さや素材によって、耐久性や雑草の突き抜けやすさが変化します。

織り目が大きくズレたり、ほつれやすく、目の粗い物では特に雑草が防草シートを突き破りやすいことが短所です。しかし、ある程度通気性や透水性もあり、斜め方向によく伸びます。また、地面の凹凸になじみやすく、扱いが容易な点も長所です。

不織布
不織布は、耐用年数約7~10年程度で、密度や繊維をシート状に加工する方法によって、様々の種類があります。低密度の不織布は、雑草が貫通しやすいですが、透水性や通気にすぐれており、地面との密着も比較的容易です。

高密度の不織布は草の突き抜けには強いものの、透水性や通気が悪く、やや硬く裂けやすかったり、地面に密着しにくかったりする短所があります。製法面では、織布は不織布よりも安価であるため、試験的導入や短期間の場合は気軽に使用できます。

一方、不織布は低密度なものは短期・低コスト向き、高密度なものは、耐久性を要する長期的な使用や徹底的な雑草抑制に向いています。

2. 防草シートの使い方

雑草の生育を抑えたい場所を防草シートで覆い隠して使用します。手順は以下の通りです。

  1. 防草シート設置場所の雑草や石を、丁寧に除去して、敷設箇所をできるだけ平らにならします。
  2. 次に防草シートを雑草の生育を抑えたい場所に広げ、固定用のピン、Uピン、大きめの石などで固定します。シートを継ぎ足す場合、10cmほど重ねて使用すると、隙間からの雑草生育防止になります。
  3. 敷設後は、隙間やピンの穴から生えた雑草を除去して再び防草シートをかぶせる、めくれた箇所を接着テープ等で補修するなどのメンテナンスを行います。

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