ミゾキリとは
ミゾキリは、木材に溝を掘るための電動のカッターで、ミゾキリカッターとも呼ばれます。かなり重い機械ですが高精度で溝を掘ることができるのがミゾキリの特徴です。ミゾキリは和室を作る際には必要不可欠な道具として日本で古くから使われている大工道具ですが、プレカットが登場したことでその使用頻度は年々下がっています。ミゾキリは一見丸ノコと似ており、それぞれの特徴や違いをよく理解して使う道具を選ぶ必要があるでしょう。
ミゾキリの代わりに丸ノコを使うことができる場合があります。丸ノコは精度が必要な作業には向きませんが、危険度の高い作業などではミゾキリよりも扱いやすい丸ノコが適している場合があります。
ミゾキリの使用用途
ミゾキリはもともと敷居や鴨居の溝加工のために開発された道具です。敷居・鴨居とは和室において障子やふすまをはめ込むための横木のことで、天井側に位置するものを鴨居、床側に位置するものを敷居と呼びます。ミゾキリは敷居・鴨居に障子やふすまをはめ込むための高精度な溝を掘ることができます。
敷居・鴨居を作る際以外にも、精度の高い溝を掘りたいときにはミゾキリを使うことができます。ミゾキリは非常に重く力が強いため、使用場面は大工作業場に限られていると言えます。
ミゾキリの選び方
ミゾキリを選ぶ際のポイントをご紹介します。
重さ
一般的なミゾキリの重さは、4kg~7kgです。大型のミゾキリではより重くなるため扱いづらくなる一方、安定性が増すという特徴があります。
刃の種類
ミゾキリの刃には自在カッター刃と七分カッター刃の大きく分けて2種類があります。
- 自在カッター刃
自在カッター刃は刃を捻らせながら回転させることで溝の幅を決めることができます。刃を捻らせることで幅を出すため、溝の幅が大きくなるほど溝の底が丸みを帯びた形になります。また溝の幅が大きくなるほど刃の捻りが大きくなり、振動が大きくなります。 - 七分カッター刃
敷居鴨居の加工に使われるのは七分カッター刃です。七分カッター刃は刃そのものに幅があることで溝を掘ることができます。そのため溝の幅は変えることができません。七分カッター刃を使うと溝の底は水平になります。鴨居敷居の加工以外にも、間柱加工や階段の側板の加工などにも使われます。
なお、ミゾキリは古くから現在に至るまで機能に大きな変化がない機械なので、古い製品と新しい製品に大きな違いはありません。