たわみ軸継手

たわみ軸継手とは

たわみ軸継手

たわみ軸継手とは、たわみ性を持たせた軸継手です。

たわみ性を持たせることで軸芯のずれを許容し、軸受の摩耗や装置に伝わる振動などを低減できることが特徴です。軸継手はカップリングとも呼ばれ、モータなどの駆動軸と従動軸の間に設置し、動力を伝達します。

たわみ軸継手の使用用途

たわみ軸継手は接続しようとする2つの軸の軸線が一致させにくい場合や振動、衝撃を緩和させたい場合などに使用します。太さの異なる2軸を結合可能であり、駆動側の熱を従動側へ伝達するのを防止できます。

既存の駆動装置を別の従動機器に取り付けたい場合や駆動側の熱による従動側の変形を防ぎたい場合に使用されます。

たわみ軸継手の原理

たわみ軸継手は、ゴムやばねなどのたわみ性を持った素材を内蔵しています。これらによって振動や軸線のずれを吸収することでスムーズな動力伝達が可能です。通常は正確に固定しても温度変化や経年劣化で徐々にズレや振動、破損が発生します。

衝撃や振動の影響が大きい場合や長期的にスムーズな回転伝達が必要となる場合には、軸継手を使用することが多いです。部品の特性上、素材によって耐久性や耐荷重性が異なるため、使用用途や使用期間に合う軸継手を選定することが必要です。

たわみ軸継手の種類

たわみ軸継手は使用先のトルクや回転数などの仕様などに合わせて選定します。ゴム軸継手は振動や衝撃の緩和用途以外に電気的な絶縁を必要とする場合にも使用することもあります。

主要なたわみ軸継手の種類は以下の通りです。

たわみ軸継手のその他情報

1. たわみ軸継手芯出しの許容値

回転機の設置やメンテナンス時の復旧の際には必ず芯出し調整を行います。たわみ軸継手の面方向、周方向それぞれを求められる精度によって調整します。一般的なたわみ軸継手の芯出し許容値は5/100mm以下として芯出し調整を行う場合が多いです。

メーカー許容値は9/100mm以下程度ですが、例外としてカップリング毎に大きさが定められていることもあるため、メーカー許容値を確認して芯出し調整をします。芯出し調整はカップリング同士の面間、面方向のズレ、周方向のズレをそれぞれ調整することが必要です。

基本的には駆動側に調整用の金属板を入れてモーターの位置調整を行うことで補正します。

2. たわみ軸継手と固定軸継手の違い

軸継手にはたわみ軸継手の他に固定軸継手があります。たわみ軸継手がミスアライメントを吸収しながら動力を伝達するのに対し、固定軸継手は別名リジットカップリングリーマボルトと呼ばれ、しっかりと固定され動力を伝達します。取付位置の精度が高い必要があり、軸心の一致が必要となります。

取付自体はリーマボルトを閉め込むだけなので簡単です。一般的に使用頻度が高いものではフランジ型固定軸接手があります。たわみ軸継手にはカップリング同士を固定するボルトにゴムなどの衝撃吸収材を使用しますが、固定軸継手には吸収材はありません。

参考文献
https://www.nbk1560.com/resources/coupling/article/powertransmission-about/
https://em.ten-navi.com/dictionary/1395/

https://www.nbk1560.com/products/coupling/powertransmission/FCL/FCL-355/

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