3次元測定サービスとは
3次元測定サービスとは、物体の3次元形状を測定することを言います。そして、単なる3次元測定だけでなく、形状比較評価・幾何公差測定・リバースエンジニアリング (反転工学) などを行うサービスです。
3次元測定器を使用して、形状を3次元で測定します。形状測定法は、プローブによる接触測定と、レーザー光線による非接触測定とがあります。
3次元測定サービスの使用用途
接触プローブによる3次元測定の用途は、平面・円筒・円錐などの寸法検査、形状解析、機械加工品の寸法検査・解析、取り付け穴位置などの精密測定、リバースエンジニアリングなどです。プローブの先端は、固いルビーなどから構成されます。
レーザースキャンによる非接触3次元測定は、自由曲面形状が含まれる製品の寸法検査・形状解析、文化財・遺跡、橋・道路・地形・ビルの外面・内部などの3Dデータ化、CADデータ化、リバースエンジニアリングなどに使用されます。図面がない古い金型の3次元図面化にも利用されます。
3次元測定サービスの原理
1. 3次元測定
3次元測定は、3次元測定器を使用して、物体の表面形状を測定します。接触測定は、プローブを物体の表面に押し当てて移動させて、表面の3次元座標を記録する方法です。
接触測定は、対象物の空間情報を直接測定できるので、非接触測定より高精度な測定が可能で、表面の色による精度影響が無い長所があります。一方、表面が柔らかい物の測定は出来ず、1点1点測定していくため、非接触タイプに比べて測定に時間がかかる短所があります。
また、非接触測定は、レーザー光線を物体に照射しながらスキャンニングして、その反射波により計測する方法が主です。
さらに、大きな建造物などを測定する空間スキャナーと呼ばれるものがあります。カメラ型とレーザー型があり、固定して使います。カメラ型は、視野をずらした画像を複数枚撮影し、写真を結合して3次元データへ変換する方法です。また、レーザー型は、レーザーが物体に当たって、帰ってくる時間や位相差を利用して、距離を測定する方法です。
2. 形状比較評価
測定した3次元データを3次元CADと比較して、形状比較を行います。さらに、カラーマップ化して可視化し、目で見ては分からない変形やそりなどの欠陥部分が視覚的に把握できます。
また、同一製品で、形状の差や使用前後の変化を測定します。
3. 幾何公差測定
3次元データから、物体の断面の検査を行います。断面解析、形状や姿勢などの幾何公差、厚み分布などを測定して、形状のずれやひずみが正確に判明します。
4. リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングは、既存の製品・部品を調査して、機能・製造法・設計図などを明らかにして、目的を達成することを言います。調査のツールとして、3次元測定を行います。
リバースエンジニアリングの目的は、物体の形状を3次元スキャンして得られるデータを使用して、既存製品の再設計・破損部品の修復・試作品の3次元データ化・解析用CADの作成・既存製品の欠陥調査・デジタルアーカイブ化・類似製品の開発などです。
3次元測定サービスのその他情報
1. 3次元測定の機器
レーザースキャナーには、アームタイプ、ハンディタイプ、設置型カメラタイプ、ドローンタイプ等の種類があります。アームタイプが最も精度が高く、μmレベルです。順次精度が落ちて、ドローンタイプはmmオーダーの精度です。
非接触3次元測定器の一例は、青色のレーザー、平行赤外線レーザー、写真測量などの機能を備えています。細かな造形物から自動車などの大型物体まで、高速スキャンニングにより測定します。
スキャンモードは4種類可能なものが多く出ています。高速スキャン (複数クロスブルーレーザー) 、繊細スキャン (複数平行ブルーレーザー) 、大幅スキャン (複数平行赤外線レーザー) 、及びディープホールスキャン (1本ブルーレーザー) です。
2. レーザースキャンニングの長所・短所
レーザースキャンニングによる測定は、マイクロメーターなどのアナログ式計測器を使う従来の方式に比べ、計測時間が大幅に短縮でき、高精度の計測が可能です。
また、薄い物や柔らかい対象物の測定が可能で、全体形状を素早く測定できるメリットがあります。レーザーキャンニングの短所は、物体の表面の色に影響されることです。