ガイドワイヤー

ガイドワイヤーとは

ガイドワイヤーは、カテーテルや内視鏡を血管や消化管、尿管などの体内の狭い経路に挿入する際に案内する役割を果たします、医療現場で使用される細くて柔軟性のある金属またはプラスチック製のワイヤーです。

ワイヤーは通常、ステンレススチールやニチノール (形状記憶合金) で作られており、柔軟性と強度を兼ね備えています。ガイドワイヤーは、医師がカテーテルや医療器具を正確な位置に導くための重要なツールであり、血管治療や消化器治療、泌尿器治療、さらには整形外科や心臓治療でも広く使用されています。

ガイドワイヤーの使用用途

ガイドワイヤーの主な使用用途は以下の通りです。

1. 血管内治療

ガイドワイヤーは、血管内治療で最も一般的に使用されます。カテーテルやステント、バルーンカテーテルなどを血管内の目的地に案内する際に不可欠です。

  • 経皮的冠動脈形成術 (PCI) :冠動脈の狭窄や閉塞を治療するために、ステントやバルーンを正確に配置するために使用されます。
  • 血管造影 (アンギオグラフィー) :血管の状態を画像診断するために、造影剤を注入するカテーテルを目的の血管に挿入します。

2. 心臓カテーテル検査

心臓の機能や冠動脈の状態を調べる心臓カテーテル検査では、ガイドワイヤーを使ってカテーテルを冠動脈内に挿入します。狭窄や閉塞の位置を確認し、必要な治療を行う際に重要な役割を果たします。

3. 末梢動脈疾患の治療

末梢動脈疾患 (PAD) の治療において、バルーン拡張やステント留置を行うために、ガイドワイヤーを使用して狭窄部位まで器具を案内します。

4. 消化器内視鏡治療

消化管内の狭窄部や閉塞部を通過する際、ガイドワイヤーが使用されます。

  • 食道や胆管のステント留置:食道がんや胆管がんによる狭窄にステントを留置する際に役立ちます。
  • 経皮的内視鏡下胃瘻造設術 (PEG) : 胃に栄養チューブを挿入する際にガイドとして使用されます。

5. 泌尿器科での使用

尿管や膀胱の治療や検査で、ガイドワイヤーは重要な役割を果たします。

  • 尿管結石の治療:尿管結石を除去する際、カテーテルや内視鏡を適切に位置決めするために使用されます。
  • 尿管ステント留置:尿管狭窄や閉塞に対処するため、ステントを挿入する際の補助として使用されます。