ピークフローメーター

ピークフローメーターとは

ピークフローメーターは、呼吸機能を簡単に測定するための医療器具です。

患者が息を一気に吐き出す際のピーク呼気流量 (PEF: Peak Expiratory Flow) を測定します。主にCOPD (喘息や慢性閉塞性肺疾患) の患者が、自身の呼吸状態を日常的に把握し、管理するために使用されます。小型で持ち運びが容易なデバイスで、成人用から小児用までさまざまなサイズが用意されています。病院だけでなく、患者自身が自宅で使用することも多く、症状の変化を早期に発見して医師と共有することで、適切な治療をサポートします。

ピークフローメーターの使用用途

ピークフローメーターの主な使用用途は以下の通りです。

1. 喘息の症状管理

喘息患者が、日々の呼吸状態を記録し、発作の兆候を早期に発見するために使用します。PEFが基準値より低下している場合、気道が狭くなっている可能性があるため、早めの対策が可能です。

2. 喘息の治療効果の評価

吸入薬や気管支拡張薬などの治療が効果的に作用しているかを評価します。治療後にピークフローメーターで測定し、PEFが改善していれば薬剤が有効であることを確認できます。

3. 喘息発作の予測

喘息発作の前兆として、PEFが低下することがあります。ピークフローメーターを定期的に使用することで、発作のリスクを事前に察知し、予防的な対応が可能です。

4. COPDの状態評価

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者に対し、病状の進行状況を把握するために使用されます。特に息切れや呼吸困難の頻度が増している場合、PEFの測定が重要です。

5. 肺機能の変化のモニタリング

呼吸器疾患の患者が、病気の進行状況や治療の経過を自宅でモニタリングするために使用されます。測定値の変化を記録して医師と共有することで、治療計画の調整が可能です。

6. 運動誘発性喘息の確認

運動後にPEFを測定することで、運動誘発性喘息(運動中や運動後に気道が狭くなる症状)の有無を確認します。運動前後の測定値を比較することで診断や管理に役立ちます。