喉頭鏡ブレード

喉頭鏡ブレードとは

喉頭鏡ブレードとは、喉頭鏡に装着して使用する医療器具です。

喉頭鏡は、主に気管挿管を行う際に喉頭 (気管の入り口) を直接観察するために用いられます。そしてブレードの役割は、患者の口の中に挿入し、舌を押し下げて喉頭を露出させることです。

喉頭鏡ブレードは、大きくマッキントッシュ型とミラー型の2種類に分けられます。マッキントッシュ型はブレードの先端が湾曲しており、成人患者に多く用いられます。一方、ミラー型はブレードの先端がまっすぐです。そのため、乳幼児に適しています。 それぞれ形状が異なるため、患者の年齢や体格、気道の状態に合わせて適切なブレードを選択することが重要です。

喉頭鏡ブレードの使用用途

喉頭鏡ブレードは、医療現場において、以下のような用途で使用されます。

1. 気管挿管

全身麻酔や心肺蘇生時など、人工呼吸器を装着する際に、気管にチューブを挿入するために使用されます。喉頭鏡ブレードを用いることで、声帯を直接観察しながら、正確にチューブを挿入することが可能です。気管挿管は、手術中や救急医療、集中治療など、様々な場面で行われます。

2. 気管内吸引

気管内に溜まった痰や異物を吸引するために使用されます。喉頭鏡ブレードを用いることで、気管内を直接観察しながら安全に吸引を行うことができます。

3. 異物除去

誤って気管内に入ってしまった異物を除去するために使用されます。喉頭鏡ブレードを用いることで、異物の位置を正確に把握し、鉗子などを用いて安全に除去することが可能です。

4. 胃管挿入・経食道心エコー検査

喉頭鏡ブレードは、気管挿管以外にも、胃管の挿入や経食道心エコー検査 (TOE) プローブの挿入にも使用されます。 喉頭を前方へ持ち上げることで、これらの処置を容易に行うことができます。

5. ビデオ喉頭鏡

近年、従来の喉頭鏡にビデオカメラを搭載したビデオ喉頭鏡が開発されています。ビデオ喉頭鏡はモニターに喉頭部の映像を映し出すことができるため、従来の喉頭鏡よりも視認性が向上し、気管挿管の成功率を高めることが可能です。特に、肥満患者や頸椎の可動域が制限されている患者など、気道確保が困難な症例において、ビデオ喉頭鏡は非常に有効です。

参考文献
https://www.mercurymed.com/catalogs/RDR_Laryngoscopes.pdf