データ消去サービス

データ消去サービスとは

データ消去サービスとは、パソコンやサーバー機器などの機密保全のため、データを完全に削除するサービスです。

パソコン、サーバー機器、HDDなどを廃棄したり、またはリース返却する場合などは、プライバシー保護や機密情報の保全の観点から完全にデータを消去する必要があります。このような場合、通常のデータ削除では予期せぬデータ流出を招く恐れがあるため、専用の消去サービスが必要です。データ消去サービスでは、ソフトウェアを用いたり、物理的な破壊によって、確実なデータの消去を行います。

データ消去サービスの使用用途

1. 利用シーン

データ消去サービスは、老朽化した機器の廃棄、レンタル/リース品の返却、不要になった機器の譲渡、リサイクルなどのシーンで利用されます。

パソコン、サーバなどの電子機器は、適切にデータを消去しないまま廃棄・譲渡すると、機密情報や重要なデータの流出を引き起こす恐れがあります。データ消去サービスは、これらの利用シーンにおいて、記憶媒体のすべてのデータを完全に消去する目的で利用されるサービスです。

2. 消去可能な機器

データ消去サービスを利用してデータ消去が行われる主な機器には下記のようなものがあります。

  • パソコン (内蔵HDD/SSD)
  • サーバー機器
  • ストレージ (外付けHDD/SSD)
  • ネットワーク対応HDD (NAS)
  • フラッシュメモリ・SD/CFカード
  • 磁気テープ媒体 (DAT、LTO、カートリッジ他)
  • 記録ディスク (フロッピーディスク・光ディスク・DVD・光磁気ディスク)
  • 各種ネットワーク機器

データ消去サービスの原理

データ消去サービスは、専用ソフトウェアなどを用いたソフト消去、強力な磁気によってデータを消去する消磁消去、機械的な破壊によってディスク・機器を破壊する物理破壊などの方法でデータの消去を行います。

1. ソフト消去サービス

ソフト消去サービスでは、専用ソフトウェアを用いてハードディスクの全領域に無意味なデータを上書きすることで既存のデータを読めないようにします。論理消去と呼ばれる場合もあります。機器・ハードディスクの再利用が可能であり、物理的破壊を伴わないので環境にも優しく、騒音や振動が発生しないことが特徴です。ただし、ソフトウェアに対応していない機器では行うことができません。

2. 消磁消去サービス

消磁消去サービスは、専用の消磁装置を用いて直流強磁場を瞬間照射することによって、ハードディスクに記録された磁気データを完全に消去するサービスです。消去ソフトウェアに対応しない故障機器やソフトウェア対象外機器でも消去可能ですが、ハードディスクの再利用はできなくなります。磁気消去サービスと呼ばれる場合もあります。

3. 物理消去サービス

物理消去サービスは、専用の加圧装置やドリルを使用し、ハードディスク・記録媒体を変形・損傷させて物理的に破壊するサービスです。媒体の容量に関わらず一定時間で作業が完了することや、機器動作に関わらずデータ消去が可能というメリットがあります。再使用はできなくなりますが、見た目にも使用不能となるため、確実に消去されたという安心感があります。

データ消去サービスの種類

データ消去サービスは様々な企業より提供されています。主に、機器が設置されている場所に作業員が訪問して消去作業を行うオンサイト型と、消去機器媒体を送付して消去を依頼する送付型に分かれます。オンサイト型は、送付時のトラブル・配送事故による流出リスクを抑えたい場合や、機器の送付が難しい場合などに特に有効です。

どのサービスでも基本的に消去証明書が発行されますが、事業者側での証明書だけでなく第三者認証のデータ消去証明書の発行が可能な場合もあります。また、消去サービスの中には消去と合わせて買取・廃棄を受託しているものもあります。