ゴムシート

ゴムシートとは

ゴムシート

ゴムシート (英: Rubber sheet) とはゴムを薄い板形状若しくはシート形状に加工した製品です。

一般的には、薄いゴムシートはシール材として、厚いゴムシートは振動や衝撃を吸収するために使用されます。また、防音や断熱などの用途にも使用されることがあります。各種用途に合わせたゴム素材、厚みが存在するため、絶縁性や作業性などの用途に応じて最適なものを使い分けます。

ゴムシートの使用用途

ゴムシートは柔軟性や高い防音性などの特性により、様々な用途で使用されます。以下はゴムシートの使用用途の一例です。

1. 部品

ゴムシートを使用して、工業製品の部品として使用されることがあります。自動車産業ではエンジンマウントやドアガラスシール材などに使われます。また、建材部品にも使用され、ブレードの付け根部分やオイルシールとして活用されます。

医療機器においても、性状の安定性からゴムシートを使用して成形する製品が多いです。各種シール材やカテーテルがその一例です。電気絶縁性も高いため、パソコンキーパッドなどの電気製品にも使用されます。

2. 防音材

ゴムシートは防音性脳も高いため、防音材としても使用されます。壁や天井に張られる吸音材、スピーカーボックスに使用されます。貼り付けも容易で後付け可能な点も特徴です。

3. 作業用マット

ゴムシートは安価なため、作業用のマットとして使用される場合もあります。電気絶縁性から、電気耐圧試験における作業者用の絶縁マットとして使用されます。また傷防止のための養生マットとしても使用します。

柔らかい上に滑らないため、床用マットとして優れています。

ゴムシートの原理

ゴムシートの原理は弾性変形という現象に基づいています。ゴムの高い弾性から外力を受けると変形しますが、力が取り除かれると元の形状に戻ります。この弾性変形によって、ゴムシートは柔軟性や耐久性が高くなっています。

ゴムシートが弾性変形する原理は、ゴム分子の長鎖が独特な立体構造を有するためです。この立体構造によってゴム分子は弾性を持ち、伸縮性に優れています。

また、ゴム分子は重合体であり、大きな分子量を持っています。そのため、空間の移動が困難であり、外力を受けると内部の分子間相互作用が働いてゴム全体が変形することで弾性変形を生じます。

このようなゴムの特性を利用して、ゴムシートは様々な用途で使用されています。

ゴムシートの種類

ゴムシートは材質となるゴムの種類に応じて様々な種類があります。以下はゴムシートの一例です。

1. 天然ゴムシート

天然ゴムによって製作されたゴムシートです。JISにより「パラゴムノキから得られるシス-1,4-ポリプレン」として規格化されているゴムを使用します。高い伸縮性や耐久性が特徴です。

天然ゴムの主な産地はパラゴムノキが植生する東南アジアやアフリカ、中南米の熱帯地域です。中でも東南アジアでの生産が生産量の約80%を占めています。主にタイヤやシール材などに使用されます。

2. シリコンゴムシート

高温・低温に強く、耐候性や耐薬品性が高いゴムシートです。医療機器、食品機械、電気製品などに使用されます。熱や冷却に強いため、食品パックなどに使われます。

3.ウレタンゴムシート

ウレタン結合を有する重合体であるウレタンゴムを使用するゴムシートです。特に機械的強度と耐摩耗性に優れることから、長期間使用できる利点があります。スポーツシューズの靴底などに使用されます。

4. フッ素ゴムシート

耐熱性や耐薬品性が非常に高いゴムシートです。半導体製造装置や高純度ガス配管などに使用されます。

5. ニトリルゴムシート

アクリロニトリルブタジエンの共重合体であるニトリルゴムを使用したゴムシートです。アクリロニトリルとブタジエンの組成を変えることで耐油性や耐寒性が変化します。高ニトリルは耐油性が高く、低ニトリルは耐寒性に優れています。

石油化学製品や自動車のパーツなどに使用されます。また、耐オゾン性や耐候性を向上させるため、一部を水素化させた水素化ニトリルゴムシートも製品化されています。

6. エチレンプロピレンゴムシート

エチレンプロピレンのランダム共重合体であるエチレンプロピレンを使用したゴムシートです。主鎖に不飽和結合を持たず、硫黄による加硫ができないものをEPMと呼びます。一方で、硫黄加硫ができるように不飽和結合をもつモノマーを少量共重合させたエチレンプロピレンジエンゴムをEPDMと呼びます。

耐候性や耐老化性が高く、屋外設備や雨水処理設備などに使用されます。

参考文献
https://kurashi-no.jp/I0016139
https://gom-sheet.com/faq/007/

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