FRPグレーチング

FRPグレーチングとは

FRPグレーチング

FRPグレーチングは、FRPを材料にしたグレーチングのことです。比較的新しい資材で、主に建築物に使用します。

FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の頭文字を取った言葉で、日本語ではガラス繊維強化プラスチックと言います。プラスチック樹脂とガラス繊維を組み合わせた材料で、強度はプラスチックでありながら金属並です。腐食もしないため、腐食性物質を取り扱う工場や屋外などで多用されます。

FRPグレーチングの使用用途

FRPグレーチングは建築用資材として各所で利用されます。日常生活では、水族館の通路や排水溝のふたなどで見かける場合があります。金属素材のグレーチングを使用すれば、海水による腐食が発生するためです。

産業用としては、排煙脱硫プラントなどで使用されます。排煙脱硫プラントでは煙道にもFRPを用いることがあり、FRP素材は重宝されています。FRPには一般タイプと耐薬品タイプがあり、耐薬品タイプは薬品工場などで利用されることもあります。

最近ではテレビ番組で紹介されたことも影響して、住宅の2階部分の床材や吹き抜けなどに使用する場合もあります。

FRPグレーチングの原理

FRPはプラスチックにガラス繊維を混ぜて強化されます。弾性率が低く割れやすいプラスチックに、弾性率が高く丈夫なガラス繊維を混ぜることで強度を上げます。

FRPグレーチングは金属素材のグレーチングと比較して軽量です。具体的には鋳鉄の25%程度、アルミの60%程度の比重で耐食性にも優れます。建築資材として活用する際は、金属グレーチングよりも加工が容易です。ただし、プラスチックとガラス繊維の混合材料であるため、リサイクルや廃棄が困難です。

FRPグレーチングの着色では、表面塗装処理の場合と成型時に顔料を混入させる場合があります。成型時に混入させると表面の剥離が起こらず有利です。

FRPグレーチングの床材利用

FRPグレーチングは軽量で耐食性に優れる材料です。そのため、腐食環境である化学薬品工場や荷重軽減が必要な船舶などの床材に適します。ノンスリップ形状のFRPグレーチングを使用すると、歩行者の転倒防止にも貢献します。

FRPグレーチングは採光性が高く、住宅2階の窓から1階まで光を届けることができます。色を変えることで、印象を変えることも可能です。床材として使用した場合、裸足で長時間立ち続ける痛みを感じる可能性があります。長時間立つ場所には、FRPグレーチングの上にポリカーボネートを乗せて体重を分散します。

FRPグレーチングは絶縁体で電波は通し、着色も容易なため橋の床板・階段などにも活用できます。

FRPグレーチングのその他情報

1. FRPグレーチングの強度

FRPグレーチングの強度としては1平米あたり350kg程度まで耐えます。FRPグレーチングの寿命は、屋外暴露・促進暴露試験の結果から、20~30年程度であると予測されています。紫外線による外観の黄ばみは使用開始から5~10年で発生します。この黄ばみは塗装をすることで改善できます。

FRPグレーチングは全面への衝撃に対しては耐衝撃性を持ちます。ただし、刺突による耐衝撃性や落下荷重には制限があるため、製作メーカーの情報を確認する必要があります。

一般的なFRPグレーチングの耐熱性は約65~80℃であり、金属と比較して高くありません。高温下で使用する場合は特殊な樹脂を用いたFRPグレーチングを使用します。

2. FRPグレーチングの屋外利用

FRPグレーチングは耐候性が高く、気温変化による強度の低下はほとんどありません。そのため、屋外使用も可能です。屋外での使用例として、ベランダの床材、プラントの歩廊や階段の踏み板、排水溝の蓋、外壁の間仕切りなどが挙げられます。

参考文献

https://www.chubu-net.co.jp/frpgrating/lineup.html
https://www.frp-g.com/column/5/
https://www.compotec.jp/
https://ookabe-glass.com/qa/6808
http://www.agm.co.jp/product/architecture/grating/grating-faq.html
https://webc.daikure.co.jp/case/
https://www.frp-g.com/case/
https://ookabe-glass.com/case/8702

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