界面計とは
界面計とは、液体中の異なる液体や固体の界面の位置を測定するための装置です。
正確には「界面レベル計」といいます。液体中には、異なる密度を持つ液体が混在する場合や、液体と気体の界面、液体と固体の界面などが存在することがあります。界面レベル計は、これらの界面の位置を正確に検出して測定します。
界面計の使用用途
界面計の使用用途は以下の通りです。
1. 石油化学・化学プロセス
石油化学プラントや化学プロセスにおいて、液体と気体の界面や異なる液体の界面の位置を監視します。例えば、タンク内の液位制御や液体の混合プロセスなどで使用されます。
2. 石油・ガス産業
油田やガス田での油井やガス井の監視に利用されます。水と石油、または水と天然ガスの界面レベルを測定し、生産効率を向上させるために使用されます。
3. 食品・飲料産業
食品加工工程や飲料製造工程での液体の混合や液位制御に使用されます。例えば、液体と液体の界面を検知して、正確な配合を行う場合に利用されます。
4. 環境モニタリング
環境調査や水質管理などで、水中の液体と気体の界面を監視します。水中の油と水の界面や、気体の境界を検出するために使用されます。
5. 製造業
工場内での液体の製造・供給・排出プロセスの監視に使用されます。液体の流量を制御するために、液面を監視し、適切な操作を行います。
6. 医療産業
医療用機器や装置で、液体と気体の界面を測定することにより、適切な治療を行うために使用されます。
7. 水処理
浄水プラントや汚水処理プラントでの液面制御や界面の監視に使用されます。
界面計の原理
界面計の原理は複数ありますが、主な原理は下記の通りです。
1. 誘電率の違いを利用する方法
キャパシタンス型界面計は、液体の誘電率の違いを利用して界面を測定します。センサーには2つの電極があり、それらの間に液体が入り込むことによってキャパシタンス (容量) が変化します。異なる誘電率を持つ液体が界面を形成すると、キャパシタンスの変化に応じて界面の位置を検出します。
2. 超音波を利用する方法
超音波界面計は、超音波の反射を利用して界面を測定します。センサーから超音波のパルスを発射し、液体の界面で反射された超音波を受信します。液体の音速や密度の変化により反射のタイミングが変わるので、これによって界面の位置を検出します。
3. レーダーを利用する方法
レーダー界面計は、レーダー波を利用して界面を測定します。センサーがレーダー波を液体中に送信し、液体の界面で反射された波を受信します。界面の位置は、反射された波の到達時間から計算されます。
4. 物理的に接触させる方法
プローブ型界面計は、液面との接触を利用して界面を測定します。センサーのプローブが液面に触れ、界面を検出します。
界面計の種類
界面計の主な種類は以下のようなものです。
1. キャパシタンス型界面計
異なる誘電率を持つ液体の界面を測定するために使用されるセンサーです。液体と固体の界面や、液体と気体の界面などを検出できます。
2. 超音波界面計
超音波の反射を利用して液体の界面を測定します。液体と気体の界面や、液体と液体の界面を非接触で検出できます。
3. レーダー界面計
レーダー波を利用して液体の界面を測定します。液体と気体の界面や、液体と固体の界面を非接触で検出できます。
4. プローブ型界面計
液面との接触が必要なタイプの界面レベル計です。液体と液体の界面を測定するのに適しています。
界面計の選び方
界面計を選定するときは、メーカーを複数選び以上のポイントに注意しながら、十分な説明を受け納得して購入することが重要です。界面計を一度設置すると交換することはなかなか難しいため、選定段階が非常に重要です。界面計を選ぶ際には、主に以下のような要素を考慮することが重要です。
1. 測定対象の液体と界面の性質
液体の種類、液体同士の密度の差、誘電率の違いなど、測定対象の液体と界面の特性を理解します。これにより、適切なセンサータイプを選択できます。
2. 温度と圧力範囲
測定する環境の温度と圧力範囲を考慮し、その条件下でも正確な測定が行えるか確認します。一部の界面レベル計は、高温や高圧の環境での使用には適していない場合があります。
3. 測定の精度
必要な測定精度を定義し、それに対応できる界面レベル計を選択します。特に高精度が要求される産業やプロセスでは、精密なセンサーを選ぶ必要があります。
4. 界面レベル計のタイプ
キャパシタンス型、超音波型、レーダー型、プローブ型など、さまざまな界面レベル計があります。それぞれの原理と適用範囲を理解し、使用目的に適したタイプを選択します。
5. 環境条件
界面レベル計が設置される環境について考慮します。屋外や爆発性ガスのある場所など、厳しい環境下で使用する場合は、適切な防爆性や防水性を持つ製品を選択する必要があります。
6. メンテナンス要件
界面レベル計のメンテナンス要件も考慮することが重要です。センサーの定期的な清掃や校正が必要な場合は、運用上の負担も考慮して選択します。
7. 予算
予算も重要な要素です。適切な性能を持つ界面レベル計を選択しつつ、予算の範囲内で購入できるかを確認します。