エアシャフトとは
エアシャフトとは、紙や布の巻き取りに使う巻き取り軸のことです。
インフレシャフト、膨張シャフトとも呼ばれます。巻き取りや供給の際に用紙やフィルムなどの材料を保持し、正確なテンションを調整するために使用されるシャフトです。
一般的なエアシャフトは、内部に空気を充填または排出するためのバルブを持ち、空気を注入してシャフトを膨張させ、材料を保持する力を発生させます。この膨張力によって、材料は均一なテンションで巻き取られたり供給されたりします。
エアシャフトの使用用途
エアシャフトの中でも代表的な印刷用の用途は、以下の通りです。
1. 材料の保持
印刷プロセス中に用紙やフィルムなどの材料を確実に保持するために使用されます。材料が正確な位置に保たれることで、印刷の精度と品質が向上します。
2. 均一なテンションの維持
エアシャフトによって発生する膨張力により、巻き取りや供給時の材料のテンションを均一に保つことができます。これにより、材料が歪まずに印刷機内で正確に扱われます。
3. スピードと効率
空圧を利用してエアシャフトが迅速に膨張や収縮を行えるため、作業の効率性が向上します。また、印刷作業のスピードに対応してテンションを調整できる利点もあります。
4. 複数の材料に適用可能
エアシャフトは、異なる種類の印刷材料に適用できるように設計されている場合があります。これにより、印刷業界でさまざまな材料を扱う際に柔軟性を持たせることができます。
印刷用エアシャフトはこのような特徴があるため、巻き取り装置や供給装置、位置合わせ、ラミネート印刷、エッチング印刷などの用途に使用されます、
エアシャフトの原理
印刷用エアシャフトは、空圧を利用して膨張することにより、材料を保持し、正確なテンションを調整しています。内部には、空気を充填または排出するためのバルブが備わっています。
そして、空気を供給することで、シャフト自体が膨張、またはエアシャフトから爪がでてくる仕組みです。この膨張や爪が出ることによって、シャフトが外側に圧力をかけ、材料を保持します。反対に、空気排気することでシャフトは収縮し、材料を緩めることが可能です。
エアシャフトの膨張力を調整することで、材料にかかる引っ張り具合を調整できます。適切な引っ張り具合を保つことで、材料を均一に巻き取り、供給します。材料全体に均一な保持力がかかるため、材料が歪むことなく正確な位置決めが行えるのが特徴です。また、空気を供給または排気することで、エアシャフトの膨張や収縮が素早く調整されます。
エアシャフトの種類
エアシャフトの主な種類は以下の通りです。
1. シングルグリップエアシャフト
1つの側面に空圧バルブがあり、シャフトを膨張または収縮させるタイプのエアシャフトです。巻き取り装置や供給装置で使用され、引っ張り具合の制御や材料の保持に適しています。
2. ダブルグリップエアシャフト
両側に空圧バルブを備えたエアシャフトで、引っ張り具合をより均一に制御することができます。巻き取りや供給の際に、両側から均等な力がかかるため、材料の歪みを最小限に抑えるのに役立ちます。
3. エキスパンディングエアシャフト
エアシャフトの膨張部分が複数のセグメントから構成されており、それぞれのセグメントを独立して制御することができます。これにより、印刷物の幅やサイズに合わせて引っ張り具合を柔軟に調整することができます。
4. 差動テンションエアシャフト
印刷材料の両側に異なるテンションをかけるために使用されます。片側のテンションを調整して、差動を補正し、均一な印刷を実現します。
5. ラトック型エアシャフト
空気を排気してシャフトを収縮させる際に、ラチェット機構を使用して徐々に収縮させるタイプのインフレシャフトです。材料の巻き取り時に均一な力がかかり、材料の保持と引っ張り具合の安定性が向上します。
6. スリップ型エアシャフト
エアシャフトの外部部分が滑りやすい素材で被覆されており、材料の滑りを助けるタイプです。巻き取りや供給時にスムーズな材料の動きを確保し、材料の摩耗を軽減します。
参考文献
http://www.ejbairshaft.com/webls-tran-j/category-%E6%B0%A3%E5%A3%93%E8%BB%B8-001.html