シリコンチューブ

シリコンチューブとは

シリコンチューブ

シリコンチューブとは、シリコーンゴムを主成分とするチューブ状に加工された製品です。

様々な長さ、口径のものが市販されており、目的や用途に合わせて、柔軟に使用することができます。

シリコーンゴムは、ケイ素ゴムともいわれ、有機ケイ素化合物ポリマーの一種です。結合エネルギーの大きなシロキサン結合(-Si-O-Si-)を主骨格としているので、

結合が切れにくく、耐熱性や耐薬品性、電気絶縁性などに優れた性質を示します。これらの性質を利用して、薬品の移送や保護カバーなどに使用されます。

シリコンチューブの使用用途

シリコンチューブは耐薬品性に優れており、プラスチックでは腐食してしまうような薬品、燃料などの移送に使用されます。

また、様々な化学薬品を使用する必要のある研究開発や品質管理、分析、検査の分野では頻繁に使用されています。

シリコンチューブには耐熱性にも優れており、温水器、浴槽用のホースに使用されています。

また、電気絶縁性を有しているので、家電や電線などの絶縁や保護カバー用途として使用されています。

シリコンチューブの特徴

シリコンチューブはシリコーンゴムを主成分とした材料をチューブ状に加工した製品です。

シリコンとはケイ素の英語名(英語: silicon)であり、本元素は原子番号14、元素記号Siの非金属元素で、地殻中に多く含まれる元素の1つです。

一般的にシリコーンゴムは有機ケイ素化合物であるジメチルポリシロキサンの高重合体を原料として製造されます(図2)。

シロキサン結合(-Si-O-Si-)を主骨格とし、側鎖にメチル基などの置換基が結合した構造をしています。

このシロキサン結合は他の結合、例えばC-C結合と比較して大きい結合エネルギーを有しているため、一般的な有機ポリマーよりも化学的に安定であり、それが耐熱性などの物性として現れています。

ジメチルポリシロキサンの構造

図1. ジメチルポリシロキサンの構造

シリコンチューブは耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐水性、電気絶縁性、耐候性などに優れています。他の物質と化学反応しにくいので、薬品の送液チューブや分析装置用チューブとして使用されます。

また、無味無臭で安全なため、食品移送用チューブとしても使うことができます。熱にも強いので、高温になる箇所のパッキンや保護カバー用にも使えますが、高温になりすぎると劣化し、破断してしまうので、耐熱温度を考慮して使用する必要があります。

シリコンチューブのその他情報

シリコンとシリコーンの違い

シリコンとシリコーンの違い

図2. シリコンとシリコーンの違い

シリコン(silicon)とは、ケイ素元素そのもの意味します。一方でシリコーン(silicone)とは、有機ケイ素化合物の重合体のうち、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーン油などを総じてこのように呼びます。

つまり、これらの両化合物は全くの別物であり、注意が必要です。ただし、この2つの言葉は混同されて使われるケースも多いのが現状であり、「シリコンチューブ」という用法もこれにあてはまります。

参考文献
https://www.silicone.jp/catalog/pdf/rubber_j.pdf
https://kinokikou.jp/info/knowledge/silicone/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です