ダイヤモンドブレードとは
ダイヤモンドブレードとは、刃の部分にダイヤモンドの粒子を使用した硬度の高い切削工具のことです。
硬度が高く加工が難しい切削対象物を効率よく切断できます。エンジンカッターや電源工具に取り付けて使用されるダイヤモンドブレードは、優れた摩耗に対する耐性や強度を持っています。ダイヤモンドブレードの特性から、幅広い用途で活用されており、乾式や湿式の種類や溝加工の有無などを選択することが可能です。
湿式と乾式のどちらも使用できる場合は、湿式の方が優れています。湿式のダイヤモンドブレードは、冷却液を使用して切削中にブレードを冷却しながら作業を行うことが可能であるためです。高温にならず、ダイヤモンドブレードの性能をより高めることができます。
ダイヤモンドブレードの使用用途
ダイヤモンドブレードの主な使用用途は、硬度の高い削材を切断することです。具体的には、アスファルトやコンクリートで舗装された道路、橋の支柱部分、建造物などの建築物の加工に使用されています。
また、ダイヤモンドブレードはグルービング工事にも有用です。グルービング工事とは、道路に溝を加工することで、スリップ防止や安全性を向上させる工事です。グルービング工事は、自動車用の一般道路や高速道路、トンネルだけでなく、空港の滑走路にも適用されています。そのため、車や飛行機の安全性を高める効果が期待されています。
ダイヤモンドブレードの原理
ダイヤモンドブレードは、その構造と独自の技術によって高い強度と耐久性を実現しています。ダイヤモンドブレードは、基盤と呼ばれる鉄などの素材でできた本体部分と、チップと呼ばれる刃で切断を行う部分から構成されています。チップには、ダイヤモンドの粒子が均等に付加されているため、切削が可能です。
ダイヤモンドブレードの製造工程では、まずチップを基盤に取り付け、その後チップの表面を磨いて内部にあるダイヤモンド粒子を露出させる仕上げ作業が行われます。製品によっては、さまざまな技術が駆使されています。
例えば、表面の溝にダイヤモンド砥粒を圧入させたり、特殊な充填剤で結合させたり、メッキ技術を応用して表面に付着させたりするなど、砥粒の保持力を高める工夫が施されています。
ダイヤモンドブレードの種類
ダイヤモンドブレードは、その優れた切削性能と耐久性から多くの業界で利用されていますが、用途や対象材料によってさまざまな種類が存在します。作業内容や対象材料に応じて適切な種類を選択することが重要です。
1. 乾式ダイヤモンドブレード
乾式ダイヤモンドブレードは、水なしで使用されるタイプのブレードです。主に屋内での作業や、水を使うことが難しい環境での切断作業に適しています。ただし、切削時に発生する熱がブレードの寿命を縮めることがあるため、定期的な休憩が必要です。
2. 湿式ダイヤモンドブレード
湿式ダイヤモンドブレードは、水を使って切削を行うタイプのブレードで、切断時にブレードを冷却するため、熱による摩耗が抑えられ、長寿命化が図られます。また、切削粉塵の発生も抑制されるので、環境負荷が低減されます。主に屋外での作業や、大規模な切断作業に使用されます。
3. セグメントタイプ
セグメントタイプのダイヤモンドブレードは、刃部分が独立したセグメントに分かれていることが特徴です。熱の発散が良く、乾式での使用に適しています。また、セグメント間の隙間が切削粉を排出しやすくするため、切削性能が向上します。
4. 連続リムタイプ
連続リムタイプのダイヤモンドブレードは、刃部分が連続していることが特徴で、切断面が滑らかに仕上がります。一般的に湿式で使用され、タイルや石材などのデリケートな材料の切断に適しています。
参考文献
https://www.noritake.co.jp/products/abrasive/middles/detail/56/
http://blog.momocan.shop/?eid=19