足袋靴

足袋靴とは

足袋靴

足袋靴とは、ゴム底がついていて、足袋の形をした指股がある靴です。つま先に指股の割れ目が無い、ブーツ型やスリッポン型もあります。スニーカーやパンプスなどのファッショナブルな製品もありますが、いずれも一般的な靴に比べて、足指に力を入れやすく、しっかりと踏みしめられることが特徴です。

足袋靴の使用用途

足袋靴は、農業・林業・土木・建設・造園・鳶職・お祭りなど、様々な分野で使用されています。足場の悪い所での作業では、指に力を入れて踏みしめられる足袋靴が大変便利です。足袋靴を履くことによって、快適にかつ安全に作業できます。

足袋靴の特徴

長所

足袋靴は、靴底が薄めで足指に力を入れやすく、しっかりと踏みしめられることが特徴です。その上軽量で、足にフィットして動きやすく、安全・快適に作業できます。また、布製足袋の場合、通気が良く、蒸れにくいです。汚れても丸洗い可能で、取扱いが簡易であることも長所と言えます。

短所

最も一般的なコハゼという金具を止めるタイプは、脱ぎ履きに時間がかかる点が短所です。しかし、代わりにファスナーやマジックテープで留められる製品もあります。

また、下駄や雪駄、草履に慣れていないと指股が痛くなったり、ゴム底が薄いので小石などとがったものを踏むと痛かったりすることがあります。足袋靴のデザインと使用頻度にもよりますが、穴が開く、留め金部分が壊れてしまうなど、耐久性がやや劣る側面も短所の一つです。

足袋靴の種類

1. 爪先の形による分類

地下足袋型
爪先に指股のあるタイプは、地下足袋と呼ばれます。足袋同様、内くるぶしからふくらはぎにかけて開閉するようになったタイプが一般的で、コハゼという留め具がついています。足首丈の3枚コハゼから、膝丈の12枚コハゼまで、丈はさまざまです。コハゼ以外に、ファスナーやマジックテープで脱ぎ履きできるものもあります。

各用途に特化したデザインの地下足袋も、種類豊富です。ゴム製で膝上まである田んぼ作業用の足袋長靴、林業や鳶職など高所作業に向いているスパイク付き、指股が細目でより密着するタイプ、体形に合わせてふくらはぎが太目なデザイン、軽量タイプ、寒冷地向けの断熱素材製などがあります。

ゴム底についても、縫製されているタイプと防水性が高い貼り付け型があります。

ブーツ型
爪先が丸く、指股の無いブーツ型でも足袋靴と呼ばれる製品があります。靴底が薄く軽量で、踏みしめやすいです。丈は足首から膝丈まであり、足首丈の製品は、短靴とも呼ばれます。ブーツ型には、コハゼ留めタイプのみならず、ファスナーやマジックテープで脱ぎ履きが便利なタイプもあります。樹脂加工で、防水機能を高めたタイプ、ゴム底が厚いタイプ、つま先芯入りの安全靴タイプなど、デザインはさまざまです。

足袋靴の内部には指股があり、外観は爪先の丸いタイプもあります。指の踏ん張りが可能でありつつ、作業中に指股に草などが挟まらないようになっています。

スリッポン型
スニーカーのような形のスリッポン型は、くるぶし丈で、足の甲部分にゴムの付いたスリットが入り、脱ぎ履きがとても簡単です。一般の靴よりも靴底が薄く、素足に近い感覚で履けます。

2. 素材による分類

足袋靴に最も多い布製は、厚手の綿素材、または綿と化学繊維の混紡素材である場合が多いです。同じ布製でも、つま先部分、もしくは全体に、樹脂加工を施して、防水性を高めた製品もあります。

また、防寒対策に断熱素材を使ったものや、つま先芯入りの安全靴型など、用途に合った素材が使用されています。なお、靴底はゴム製が一般的です。 

足袋靴の選び方

最適な足袋靴は使用用途によって異なるため、しっかり選定することが大切です。

1. 農作業

畑作業では、地下足袋型かブーツ型の、つま先に防水加工の施されたタイプが、泥や水が靴に入らず、蒸れにくいため、便利です。ミカン畑等のように傾斜の急な農地では、地下足袋型でスパイク付きならば、滑りにくく作業がしやすくなります。

一方、田んぼ作業には、ゴム製で膝上丈の、足袋長靴が頻繁に使用されます。別添えのゴムベルトを足首にはめて、ぬかるみで靴が脱げないように固定することも可能です。ゴム底は縫製よりも、貼り付けタイプの方が、耐水性に優れています。

2. 建設・土木工事

建設や土木工事の現場では、安全性と動きやすさを兼ね備えた足袋靴が活躍しています。足指でつかむように立つことができる地下足袋型は、特に人気があります。更に、現場の環境に合わせて、軽作業向けの短靴タイプ、滑り止めのスパイク付き、寒冷地仕様のタイプや、脱ぎ履きの簡単な、マジックテープ式やファスナー式など、各用途に合わせた様々の足袋靴があります。

内装工事など、室内での作業には、脱ぎ履きが簡単なスリッポンタイプも、便利です。ゴム底の製法については、土木・建築現場では、縫製タイプも広く使用されています。

3. 鳶職・造園・林業

高所作業のある鳶職や造園業・林業には、足でつかむ感覚でしっかりと踏みしめられる、地下足袋型が最適です。指股の狭いデザインや、軽量で足によりフィットするタイプなど、高所作業に特化した品もあります。

4. お祭り

舗装道路がほとんどの現代では、神輿担ぎなどお祭りの神事を、素足やわらじ履きで執り行うことは、安全面で問題があることも多いです。そのため、地下足袋を使用することが多く、お祭り向けの地下足袋は、作業用よりも、ゴム底が厚めで、クッション性を高めてあります。

用途とサイズに合った足袋靴を選び、安全・快適に作業しましょう。

足袋靴の使い方

コハゼ留めの場合は、下から上に向かって開閉部分のコハゼをはめていきます。掛け紐や留め金に、くるぶしからアキレス腱の方向に向かってコハゼを差し込みます。この時、ゆるみがあると外れやすくなるので、しっかりとコハゼを押し込んで履くのがポイントです。多少のサイズ調整が可能なデザインが多いので、自分の足サイズに合わせて調整します。

なお、足袋靴は丸洗い可能です。定期的に洗って、しっかりと乾かします。洗った後はゴム部分が長時間直射日光に当たると、早く劣化してしまうので、注意が必要です。

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