三重水素とは
三重水素は、質量数が3になっている水素の同位体です。陽子1つと中性子2つから構成されています。トリチウム(tritium)とも呼ばれます。
三重水素は、水素に似た性質を持ちますが放射性物質です。半減期が約12年と比較的に短いことと、放射されるエネルギーが小さいことからその毒性は弱いとされています。
宇宙から飛んでくる宇宙線などによって自然界でも生成され、大気中の水蒸気や雨水、海水などに微量ながら含まれます。人工的には、核実験や原子炉内の核反応によって生成されます。
三重水素の使用用途
三重水素は、自然界にも存在しますが、単独で取り出すことが難しく非常に高価な物質です。そのため、費用対効果が見込まれる分野において使用されます。使用される分野の1つが原子力発電です。三重水素は、核融合反応を起こしやすい性質を持つため核融合炉燃料として使用されます。
その他、三重水素は、研究分野で用いられ、生体試験用トレーサーとして使用されます。なお、対象となる物質の行動や分布状態、化学反応の過程を追跡するために目印として外部から加える物質をトレーサーと呼びます。