釘締め

釘締めとは

釘締めとは、クギを打ち込むための工具です。

「釘〆」「釘打器」「ネイルポンチ」「釘締めポンチ」「へしこみ」などとも呼ばれます。「ピンポンチ」という工具も釘締めとして使用できますが、正確にはピンを抜き差しするための工具です。

また、似たような工具に「センターポンチ」がありますが、ドリルの刃を誘導するマーキングのための工具です。素材にくぼみをつけるため先端が尖っています。見た目は似ていますが、釘締めとしての利用は難しいため購入時には注意が必要です。

釘締めの使用用途

入り隅と奥まったところ

図1. 釘締めの使用例

釘締めは、ハンマーでは対応できないところのクギ打ちに使用されます。入り隅 (内角になるところ) や奥まったところなどは、ハンマーが干渉してしまいます。しかし、釘締めを使えば、干渉することなくクギを最後まで打ち込めます。

また、ハンマーでは木材の上面までしかクギを打ち込めません。釘締めを使うと、クギの頭を木材の内部まで沈められます。沈んでできた穴にパテを塗ったり、円柱状の木をはめこんだりすれば表面をキレイに仕上げられます。

釘打ち施工のフロア材は、クギの頭が出ているとうまく接合できません。フロア材同士を接合する実 (さね) の中にクギの頭を完全に打ち込む際にも有効です。そのほか、ハンマーで木材を傷つけたくない場合にも使われます。ある程度までハンマーを使い、最後は釘締めで打ち込むようにすれば、木材を傷めないクギ打ちが可能です。

クギが長かったり、打ち込む方向が悪かったりして、クギの先端が裏側に飛び出してしまった際にも有用です。ハンマーで打ち戻すとクギが曲がってしまうことがありますが、釘締めを使うと真っ直ぐ打ち戻しやすいです。

釘締めの原理

釘締めの先端

図2. 釘締めの先端

釘締めは、丸頭のクギをとらえやすいように先端をくぼませています。平頭のクギに特化させるのに、くぼませずに平面加工している製品もあります。

ハンマーで叩いて使用するため、強度をもたせるために焼き入れされた製品が多いです。

釘締めの選び方

釘締めを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の4点です。

1. 先端のサイズ

釘締めは、先端のサイズがさまざまです。クギの頭より小さい先端のものを選びます。クギの頭より大きいとクギを深く打ち込めません。深く打ち込む必要がない場合は、大きい先端のものでも利用可能です。

2. 二徳釘締めと三徳釘締め

二徳釘締めと三徳釘締め

図3. 二徳釘締めと三徳釘締め

釘締めは、基本的な釘締め機能だけをもった製品のほかに、多機能なものがあります。「二徳釘締め」と呼ばれる釘締めは、ハンマーの形状でハンマーとして使えるほか、ヘッド側は短い釘締め、柄側は長い釘締めになっています。

短い釘締めは狙いを定めやすく、作業のスピードアップが可能です。長い釘締めは、奥まったところなど作業性の悪い場所で使用します。

「三徳釘締め」と呼ばれる釘締めもあり、二徳釘締めの短い釘締めが釘抜きになったものです。一丁で釘締め、釘抜き、ハンマーの3機能を兼ね備えます。

3. グリップの樹脂加工

釘締めはシンプルな金属のみの製品が多いですが、中にはグリップが樹脂加工されているものもあります。滑りにくく、冬場でも冷たさを感じにくいのが特長です。

4. マグネットタイプ

釘締めの中にはマグネットタイプになっている製品もあります。通常の釘締めは、ある程度ハンマーでクギを打ち込んだあとでないと使えません。それに対して、マグネットタイプは釘締めにクギを装着できるため最初から使用できます。

ハンマーが全然入らないところにクギを打ちたい場合に便利です。

釘締めのその他情報

釘締めの使い方

釘締めは、先端部分をクギの頭に当ててハンマーで後ろから叩いて使用します。先端部分はクギの中央にしっかり当てて、ハンマーで叩く際はズレないように注意が必要です。クギと釘締め、そしてハンマーが一直線になることを意識して、真っ直ぐ叩くのがポイントです。

釘締めを強く握ると、ハンマーで叩いた衝撃を直接受けるため手を痛める恐れがあります。釘締めは指先で持って、衝撃を逃がせるようにすることが大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です