電源ユニット

電源ユニットとは

電源ユニット

電源ユニットとは、様々な機械装置に電力を供給する部品です。

主に、制御装置や演算装置への電力供給を担当します。通常、電力会社から提供される商用電力は交流 (英: Alternating Current, AC) であり、交流電源は遮断や変圧が容易なのが特徴です。

しかし、交流電源は誘導電圧を生じさせるため、制御装置や演算装置の駆動には適していません。さらに、これらの装置が要求する電力は低く、商用の電圧として使用することは不可能です。

このような問題を解決するために、電源ユニットを使って交流電源を直流および低電圧に変換します。

電源ユニットの使用用途

電源ユニットは、家庭から産業まで広範に利用されます。家庭用の一例としては、パソコンがあります。自作パソコンを組み立てる場合、電源ユニットが必要です。電源ユニットでは、マザーボードやグラフィックボード、冷却ファンなどに電力を供給します。

産業用においては、プログラマブルロジックコントローラ (英: Programmable Logic Controller, PLC) など、多くの制御装置に電力を供給する目的で使用されます。

電源ユニットの原理

電源ユニットは、主に4つの部分に分かれています。

1. 商用電源給電部分

通常、コンセントから商用交流電源を受け取ります。この部分で、AC100~240Vの範囲で動作することが多いです。

2. スイッチ部分

通電と停止を制御し、ディップスイッチが使用されることがあります。

3. 保護部分

電源の異常が発生した際に、後続の装置を保護する役割です。ここではヒューズが利用され、電源ユニットの小型化を図る際には省略されることもあります。

4. 整流部分

ダイオードやIGBTを利用して交流電源を整流し、電解コンデンサで脈流を平滑化して、直流電源として各機器に供給します。この部分は電源ユニットの中心的な部分であり、電流の変換と供給の安定に必要です。

電源ユニットの種類

電源ユニットは、その機能と用途に応じて様々な種類に分類されます。代表的な例は以下の通りです。

1. AC-DC電源ユニット

AC-DC電源ユニットは、交流 (AC) 電源を直流 (DC) 電源に変換します。このタイプの電源ユニットは家庭用や産業用の機器で広く利用されており、パソコンや家電製品、工業機械などに使われます。

2. DC-DCコンバータ

DC-DCコンバータは、1つの直流 (DC) 電圧を別の直流 (DC) 電圧に変換します。これは、異なる電圧要求を持つ電子装置やシステムを動作させるために必要です。

3. リニア電源ユニット

リニア電源ユニットは、トランス、整流器、フィルタリング回路を使ってAC電源をDC電源に変換します。これはシンプルな設計を持ち、低い電磁干渉 (英: Electromagnetic Interference, EMI) を生成しますが効率は低く、大きく重いことが特徴です。

4. スイッチング電源ユニット

スイッチング電源ユニットは、高速スイッチングトランジスタを使用して電源を変換します。これらは効率が高く、コンパクトで、リニア電源ユニットよりも軽量です。しかし、スイッチング操作によって電磁干渉 (英: EMI) が発生する可能性があります。

5. 無停電電源装置 (UPS:Uninterruptible Power Supply)

UPSは、電力供給が途切れた場合に備えて、電力を一時的に供給するバッテリーを内蔵しています。これにより、重要な機器やデータシステムが安全にシャットダウンする時間を提供します。

6. 変動電源ユニット (VPS:Variable Power Supply):

変動電源ユニットは、出力電圧や電流を調節可能な電源ユニットです。これは研究開発やテスト用途などで利用されます。

各種類の電源ユニットは、特定のアプリケーションや要件に応じて設計されており、適切な電源ユニットの選択はシステムの効率、信頼性、およびパフォーマンスに大きく影響します。

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