荷重計測器

荷重計測器とは

荷重計測器

荷重計測器は、荷重 (力、質量、トルクなど) を電気信号に変換し、その大きさを計測・出力するセンサー装置のことで、「ロードセル」とも呼ばれます。

名前の由来は英語の「LOAD」 (荷重を受ける) と「CELL」 (単位素子) からきています。

特に、ひずみゲージ式ロードセルが広く普及しており、温度変化に対する影響の小ささや高い精度、シンプルな構造によるメンテナンスの容易さ、摩擦や可動部分が少ない長寿命性が特徴です。このような特性から、産業から家庭まで幅広い分野で使用されています。

荷重計測器の使用用途

荷重計測器は、力の測定が必要なあらゆる場面で利用されています。使用用途として産業用途、商業用途、家庭・個人用途、特殊用途の4つの用途が考えられます。

1. 産業用途

産業分野では、ロードセルは製造設備や試験機に組み込まれています。例えば、食品や飲料製造ラインでのパッケージ重量測定、建設業での機材荷重管理、化学工業での配合原料の計量などが挙げられます。また、大型の産業用はかりやコンベヤスケールでも重要な役割を果たしています。

2. 商業用途

スーパーマーケットの量り売りの計量器、物流で使用される台はかりなどの商業用途があります。

3. 家庭・個人用途

体重計やキッチンスケールの中にもロードセルが搭載されています。ロードセルにより、正確な測定が日常生活の一部として簡単に行えます。

4. 特殊用途

航空や宇宙分野では、荷重計測器が安全性確認のための機体部品検査に使用されます。また、医療分野では、人工関節やインプラントの耐久性を評価する試験装置にも使用されています。

荷重計測器の原理

荷重計測器の原理を理解する上で、ひずみゲージの原理とホイートストンブリッジ回路に分類して読めば理解しやすいと考えられます。

1. ひずみゲージの原理

荷重計測器の基本構造は、力を受けて歪む「起歪体」と、その歪みを電気信号として検出する「ひずみゲージ」で構成されています。

金属は、機械的に引っ張られたり圧縮されたりすると、電気抵抗が変化する性質を持っています。金属の性質を利用してひずみを計測するのがひずみゲージの役割です。

2. ホイートストンブリッジ回路

ひずみゲージの抵抗変化は非常に小さいため、正確に検出するには専用の電気回路が必要です。検出に使用されるのが「ホイートストンブリッジ回路」です。

4つの抵抗をひし形に配置し、ひずみゲージが受けた微小な抵抗変化を電圧信号として変換します。電圧は比例定数 (ゲージ率) やひずみに基づいて計算され、負荷された力の大きさとして表示されます。

3. 数式の背景

ひずみと電気抵抗の変化は以下の式で表されます。

ΔR/R=K×εΔR/R = K × ε

  • RR:元の抵抗値
  • ΔRΔR:変化した抵抗値
  • KK:ゲージ率(約2.0)
  • εε:ひずみ

上記の計算をもとに、荷重計測器は力を数値化して表示します。

荷重計測器の種類

荷重計測器には用途に応じてビーム型ロードセル、S字型ロードセル、コラム型ロードセル、ダイヤフラム型ロードセルの4種類があります。

1. ビーム型ロードセル

ビーム型は台はかりや小型の測定装置に多く用いられるタイプです。細長い形状で、荷重を受けた際に曲げ応力が発生しやすい設計になっています。精度が高く、家庭用から工業用まで幅広い用途に適しています。

2. S字型ロードセル

S字型は、引張力と圧縮力の両方を測定できる特徴があります。主にクレーンスケールや吊り下げ型の重量測定に用いられます。

3. コラム型ロードセル

コラム型は、高負荷に耐える設計で、大型の産業用スケールや橋梁試験装置で使用されます。その耐久性と長寿命性から、過酷な環境でも信頼性を発揮します。

4. ダイヤフラム型ロードセル

ダイヤフラム型は、薄い板状の起歪体を使用するタイプで、荷重の影響を均等に分散する構造が特徴です。医療や精密機器など、高い精度を求められる分野で活用されています。

参考文献
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://www.aandd.co.jp/products/loadcell/introduction/cell_intro01.html#h01
https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/tech_doc/loadcell/t_cell_faq_ver1.pdf

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