熱中症対策スポットクーラー

熱中症対策スポットクーラーとは

熱中症対策スポットクーラーとは、熱中症を予防するための局所冷房装置のことです。

スポットエアコンや冷風機とも呼ばれます。空気を吸い込み、クーラー内部で冷やして送風しています。局所的に冷風が当たる場所を冷却する際に効果的です。取り付ける必要がなく、取っ手やキャスターが付いた機種も多いため、容易に設置や移動が可能です。したがって熱中症対策スポットクーラーは、エアコンのような涼しさと扇風機のような手軽さを兼ね揃えています。

熱中症の発症リスクは7月〜9月に高く、節電意識によってエアコンの使用を控えることで、熱中症の増加が懸念されています。熱中症は屋外だけでなく室内でも発症し、命に関わるほど危険な疾患であり、家庭や職場での熱中症の予防が重要です。エアコンは熱中症対策に効果的ですが、エアコンが設置できない場合には、熱中症対策スポットクーラーが適しています。

熱中症対策スポットクーラーの使用用途

通風管を有する大型のスポットクーラーは、飲食店厨房の調理人や工場の作業員の周りのみを冷やすためによく使用されます。工場内には熱源が多く、熱溜まりを建屋外に排熱しても、夏は非常に暑いです。

熱中症対策スポットクーラーを設置すると、夏でも快適に整備作業が可能です。発汗量が減って、熱中症を予防でき、職場環境を改善できます。屋外で作業や販売に従事する以外にも、駐車場の管理人室や警備員の詰め所などでも利用可能です。

学校施設の屋内外の熱中症対策にも役立ちます。例えば、冷房がない校舎の昇降口や体育館のコーナーなどにも使用可能です。一般的なクーラーが使えない場所でも、冷気を集中的に送って、熱中症のリスクを軽減できます。通常のクーラーは締め切った室内全体を冷却するため、スポットクーラーは密閉できない場所での利用に適しています。

家庭用のスポットクーラーとしても使用可能です。具体的には、作業中のガレージやケージ内のペットを、部分的に冷やすために役立ちます。料理中、アイロンがけ、風呂上りなど、部屋全体の冷却が不要なときにも使用可能です。家庭用クーラーとは違って、取り付け施工業者に設置を依頼する必要もありません。

熱中症対策スポットクーラーの原理

熱中症対策スポットクーラーの原理は、ルームエアコンや窓用クーラーに近いです。家庭用クーラーと同様に、熱中症対策のための小型クーラーと見なせます。熱交換器とコンプレッサーがあり、周辺の空気をファンで取り込み、正面から冷風が放出されて裏側から熱風が排出されます。したがって冷えるのは正面の狭い範囲のみです。背面から熱風が出るため、締め切った屋内で使用した際には室温は上昇します。

冷却器から生じる水が本体に備え付けられたタンクに溜まり、満水になると停止するため水を処理する必要があります。一般的なクーラーと同じく定期的に冷風取り入れ口にあるフィルターの掃除が必要です。熱風取り入れ口のフィルターを定期的に清掃しないとホコリが放熱器に溜まり性能が低下します。

水の気化熱によって冷却する装置は冷風扇と呼び、スポットクーラーとは原理や効果が全く違います。冷風扇では家庭用クーラーやスポットクーラーほどの冷却効果は期待できません。

熱中症対策スポットクーラーの種類

熱中症対策スポットクーラーは、家庭用と業務用の2種類に分けられます。家庭用は一般家庭の室内での使用を考慮しているため、小型で移動が容易です。場所を選ばずに使用できるように、排熱用ホースが長いです。それに対して業務用は大きく、主に屋外や工場で用います。業務用は電圧が高くて、家庭用よりも冷却能力が高い場合が多いです。そして業務用はデザインのバリエーションも少ないです。

室外に排気するための専用ダクトと窓枠に取り付けるパネルなどが用意された熱中症対策スポットクーラーもあります。家庭用には吸気ダクトを備えた製品はほぼないため、排気ダクトだけを使っても、稼動によって部屋に外気が入って、部屋全体の冷房はできません。

熱中症対策スポットクーラーの選び方

熱中症対策にエアコンは有効ですが、大規模なエリアでは効率的な冷房が困難です。もし天井が高くて広い空間に冷房装置を設置した場合には、莫大な費用が必要です。その一方で、熱中症対策スポットクーラーは、冷房装置を置けない場所でも、空調として優れています。

具体的には、一般家庭を代表として、工場、倉庫、機械室、組み立てライン、体育館、クリーニング店、ゴルフ練習場など、全体の冷房が難しい場所で利用可能です。とくに防雨型のスポットクーラーであれば、運動会やお祭りなどで急な雨に遭遇した際にも役立ちます。

ただし一般的なクーラーと比べると、機体のサイズに制限があり、冷房能力が小さいです。温度設定がなく、消費電力はほとんど一定で、騒音や振動も無視できません。その一方で家庭用クーラーは、部屋が涼しくなると消費電力が大きく低下します。使う状況次第で総合的な消費電力は、家庭用クーラーよりもスポットクーラーの方が多くなる場合もあります。

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