ケミカルポンプ

ケミカルポンプとは

ケミカルポンプ

ケミカルポンプとは、化学薬品などの液体を運搬するために使用されるポンプです。

一般的なポンプとは異なり、ケミカルポンプは耐腐食性や耐摩耗性などの性能が求められます。通常のポンプと同様、液体を吸い上げて配管やタンクなどへ圧送します。

ポンプ内部の回転部分には、セラミックスやステンレス鋼などの耐摩耗性や耐食性に優れた材料が使用され、化学薬品による損傷を防ぎます。化学薬品を運搬するために必要な特性を持ったポンプであり、種類に応じて適した製品を選択することが重要です。

ケミカルポンプの使用用途

ケミカルポンプは、さまざまな産業分野で使用されます。

1. 化学プラントなどの工場

化学プラントなどの工場において、ケミカルポンプは必要不可欠な機器の1つです。化学プラントではさまざまな化学薬品を製造していますが、高い腐食性や毒性を持った薬剤は通常のポンプでは対応できません。そこで、ケミカルポンプを使用することで腐食や汚染を防ぎ、工場の安全性を確保しています。

2. 水処理施設

水処理施設では、汚水を浄化するために薬品を添加する必要があります。ケミカルポンプを使用することで、薬品の配合量を正確に制御し、浄化プロセスの効率化につながります。

3. 医療分野

透析装置などで使用される薬液の供給には、ケミカルポンプが使用され、医療器具の製造プロセスでもさまざまな液体を運搬しています。

ケミカルポンプの原理

1. 遠心力を使用する場合

回転軸と羽根車の間に液体が吸い込まれ、回転によってケーシングへ押し出されます。加圧された液体は、揚程を持って吐き出されます。液体の性質に合わせた素材で作られたポンプヘッドと、回転軸に取り付けられた回転羽根車で構成されます。

2. シリンダーによる加圧を使用する場合

小さな液体の定量運搬に特化しており、ピストンの動きによって液体を定量運搬します。高い精度で液体を計量することができ、医療や研究分野などで活躍しています。

また、動力源は電動、エアー駆動、手動などです。電動またはエアー駆動では高い運転効率と安定性を持ち、効率的な液体の運搬が可能です。一方、手動では電源がない場所でも使用でき、簡易的な液体の運搬に適しています。

ケミカルポンプの種類

ケミカルポンプの種類さまざまです。以下はケミカルポンプの種類一例です。

1. 脱泡ポンプ

液体中の泡を除去しつつ圧送可能なポンプです。脱泡用の薬剤を使用することなく脱泡できます。脱気ポンプなどとも呼ばれており、泡を割るために特別に設計されたポンプヘッドを使用します。

2. プロセスポンプ

プロセスポンプは、高い圧力と流量を必要とする化学プラントなどの用途に使用されます。ポンプヘッドは、高品質の合金鋼で作られ、高い耐腐食性を持ちます。回転部には、セラミックスやカーボンなど、耐摩耗性に優れた材料が使用されます。

3. 低脈動ポンプ

低脈動ポンプは、液体の流量を安定させるために使用されます。ポンプの動きが非常に滑らかであるため、液体を流量変動なく送り出すことができます。医療や研究分野などで高い精度が求められる場合に適しています。

4. ハンディケミカルポンプ

吸引パイプをドラム缶やペール缶などから液体を吸引できる持ち運び可能なポンプです。有機溶剤・化学薬品などの液体移送に使用されます。

静電気対策設計がされている引火・爆発性のある液体を取り扱える耐圧防爆タイプのケミカルポンプもあります。そのほか、流量調整を切り替えスイッチによって調整ができる流量調整式ケミカルポンプもあります。

5. 水中ケミカルポンプ

水中で使用できるケミカルポンプも販売されています。ポンプの材質としては樹脂と金属の両方が存在します。薬品の小分けや排水ピット内の液体移送などに使用されます。

参考文献
https://www.as-1.co.jp/academy/8/8-1.html
https://www.labinox.co.jp/product3-32.html
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http://www.meitoukakouki.co.jp/product/cmh_lb.html
https://www.iwakipumps.jp/application/
https://www.iwakipumps.co.jp/company/aboutus.html

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