電極棒とは
電極棒とは、物体の位置を検出する用途で使用される金属棒です。
電気伝導性と耐久性を備えた重要な素材であり、その高度な機能性と精度により、さまざまな産業分野で活躍しています。水処理施設における利用、貯水槽や浄水プラント、下水処理施設での使用が一般的です。
水位の変動を検知します。これにより、適切な水の供給や排水制御が可能となり、施設の効率化と安全性の向上に貢献します。
電極棒の使用用途
水位位置検出が可能な電極棒は、その高い信頼性と正確性により、さまざまな産業分野で広く使用されています。
1. 水処理施設
水処理施設では、水位の正確な監視が重要です。電極棒は貯水槽や浄水プラント、下水処理施設などで使用され、水位の変動を検知します。適切な水の供給や排水制御が可能となり、施設の効率化と安全性の向上に貢献します。
2. 水道設備
水道設備においても、電極棒は水位検出に使用されます。例えば、給水塔や貯水タンクでは、電極棒が水位の高さを測定し、水量管理や給水計画の立案に活用も可能です。
また、家庭やビルの給水装置にも電極棒が組み込まれており、正確な水位情報に基づいて給水制御が行われます。
3. 農業・灌漑
農業や灌漑システムにおいて、水位の監視と制御が重要です。電極棒は農業用の水槽や灌漑チャネルで使用され、正確な水位情報を提供します。農作物の水やり量や灌漑スケジュールの最適化が可能となり、水資源の効率的な利用が実現されます。
4. 水産養殖
水産養殖業では、魚や貝などの生育環境の管理が重要です。電極棒は養殖池や水槽に組み込まれ、水位の監視と制御を行います。水位の変動に応じて養殖環境を適切に調整することで、水質や水温の安定性を確保し、生育環境の最適化を実現します。
5. 水力発電
水力発電所では、ダムや貯水池の水位管理が不可欠です。電極棒が水位の変動を検出し、制御装置にフィードバックすることで、安定した発電量と安全性が保たれます。
電極棒の原理
長さの違う電極棒を2本以上タンクに固定して使用します。電極棒同士に微弱電圧を掛けておき、導電性の物体が接することでレベルを検知します。タンクに使用する際は、スイッチリレー、ホルダ、電極棒の3組がセットで使用される場合がほとんどです。
ホルダは電極棒を固定し、電極棒でレベルを検知した後、スイッチリレーが電極棒に電圧を印可しつつ接点出力をします。電極棒は、「フロートレススイッチ」というデバイスとの組み合わせた構造です。
スイッチリレーからは、微弱な電圧である30V未満が供給され、電極棒同士の接触によって出力制御が行われます。フロートレススイッチは、高い液位で電極棒が浸ることでONし、低い液位で電極棒が液体から離れることでOFFする接点を備えています。この接点により、ポンプの運転停止を制御してタンクの水位を一定範囲に保ちます。
1組の電極棒は、アース用、減水用、復水用、満水用の4本構成です。排水ポンプ制御用の場合を例に取った場合、減水用と復水用の電極を入れ替えることで、給水ポンプ制御用としても利用できます。
1. アース用
アースは最も長い電極棒で、受水槽の底面近くに設置します。動作時は常に水に接しており、通電しているので、全ての電極棒の基準となります。「コモン電極」とも呼びます。
2. 減水用
2番目に長い電極棒で、ポンプが空転する可能性があるなどの問題が生じるほど、受水槽の水位が低下していることを検知します。ポンプの吸い込み口のやや上に設置します。
3. 復水用
減水用より短い電極棒です。減水の電極棒で水位が低下していることを検知し、ポンプの動作を停止した後に、ポンプを再び動作させるために十分な水位があることを検知します。
4. 満水用
最も短い電極棒で、受水槽の満水を検知します。満水を検知する他の機器が故障した場合でも、満水を防止するために取り付けられます。通常の満水検知の水位よりも上に設置します。
電極棒は金属で構成されている製品がほとんどで、液体に晒されるため、腐食によって正常に動作しなくなる可能性があります。また、レベル検知の原理から絶縁性物体の検知には不向きで、絶縁油などに対しては使用できません。
電極棒の選び方
使用用途によって、電極棒の選定の際には、長さ径、耐久性を考慮する必要があります。
また、電極棒の材質物性の説明に「耐食性が十分」もしくは「耐食性がある」という表記である場合も、まったく浸食がないというわけではないため、1か月に1度点検をし、必要に応じて電極棒の交換が推奨されています。