ロッカースイッチ

ロッカースイッチとは

ロッカースイッチ

ロッカースイッチは、手動でスイッチングを行う装置の一種です。ロッカースイッチは、ボタンの部分がシーソーの様に動くことで、電気回路のオンオフ切り替えが可能となっています。

ロッカースイッチは家庭内でも目にすることができます。例えば、照明のスイッチや装置の電源ボタンで「〇」と「-」が両端についているようなスイッチです。ロッカースイッチは構造が簡単であるため、幅広く様々な装置や施設内で使用されています。

ロッカースイッチの特徴として、動作時に「カチッ」と音がすることや、明確にオンとオフを見分けられることにより誤操作を少なくできるというメリットがあります。

ロッカースイッチの使用用途

ロッカースイッチは、手動で操作するスイッチとして幅広く利用されているのが特徴です。普段の生活で目にしたり、操作したりしているスイッチのほとんどはロッカースイッチだと言えます。

ロッカースイッチの具体的な使用例としては、「家庭内や事務所などの照明用スイッチ」「複合機やプリンタなどオフィス機器の電源スイッチ」「実験装置や計測機器の電源スイッチ」などです。ロッカースイッチは構造が簡単で、オンオフ操作も直感的に行うことができるため、あらゆる製品の操作スイッチとして使用されています。

しかし、ロッカースイッチは種類が豊富です。それぞれ使用電圧や耐久性、防水性など、ロッカースイッチごとに特徴は異なります。このため、使用用途や使用環境に合わせた適切なロッカースイッチを選定する必要があります。

ロッカースイッチの原理

ロッカースイッチの構造はシンプルです。ロッカースイッチの構成部品は主に、「シーソーの様に動く操作ボタン」「シールゴム」「ばね」「固定接点」「可動接点」「2つの接続端子」があります。

ロッカースイッチの操作ボタンは、内部のばねと接合されています。さらに、ロッカースイッチの操作ボタンとばねの間にあるのがシールゴムです。このシールゴムの目的は、接点部分に水や塵などの動作に影響のある物質が入らない様に保護することです。

ロッカースイッチのばねは弓状になっています。そしてばねには、操作ボタンと可動接点と接続されています。スイッチオンの時は、弓状のばねの可動接点側が固定接点に押し付ける様に動き、接点同士が接触したときに電流が流れる仕組みです。

ロッカースイッチがスイッチオフの時は、弓状のばねによって、可動接点が固定接点から引き剥がされる様に動き、電流の流れを止めます。可動接点が引き剝がされる様に動作するため、接点同士が溶着することを防ぐのがメリットです。

ロッカースイッチなど押しボタンスイッチに使用される用語で「モーメンタリ」と「オルタネート」があります。これはスイッチを押したときの動き方でそれぞれ異なる意味があります。

1. モーメンタリ型ロッカースイッチ

モーメンタリとは、英語で瞬間的という意味です。モーメンタリ型ロッカースイッチは、押している間だけ電気回路が切り替わり、手を離すと接点がもとに戻ります。例えば、ポットのお湯を出すボタンがモーメンタリ式です。

モーメンタリ式ロッカースイッチは、ボタンを押している間だけ役割を果たし、ボタンから手を離すと機能も元にもどります。このようなロッカースイッチを「モーメンタリ式」または「自動復帰式」と呼びます。

2. オルタネート型ロッカースイッチ

オルタネートとは、英語で交互という意味です。オルタネート型ロッカースイッチは、スイッチを押すと電気回路が切り替わり、再び押すまで接点が保持されます。例えば、部屋の電気をつけるスイッチがオルタネート式です。

オルタネート型ロッカースイッチは、ボタンを押すたびにONとOFFが切り替わります。このようなロッカースイッチを「オルタネート式」または「自己保持式」と呼びます。

ロッカースイッチのその他情報

ロッカースイッチの端子数と接続方法

構造が簡単なロッカースイッチですが、選び方には注意が必要です。ロッカースイッチを選定するときには、対応している電流や電圧、スイッチ自体の抵抗値、サイズ、温度や使用環境に応じた耐久性を考慮する必要があります。とくに知っておくべきなのが、ロッカースイッチの端子数と接続方法です。

ロッカースイッチの接続方法は、単純にON、OFFを行うだけなら簡単です。端子が2つの場合は片方を電源、もう一方を機器に接続します。ロッカースイッチの端子が3つの場合は、1つを電源、残った2つのどちらかを機器に接続します。接続前にテスターで回路の導通をチェックし、電源用端子と接点側端子を見分けておくのが一般的です。

ロッカースイッチには端子数が4つ以上の製品も存在します。ロッカースイッチ内部に照明用の電球が内蔵されている場合です。端子の内訳としては、機器に送電する回路と、電球用の電源アースがあります。

端子数が4つのロッカースイッチを接続する方法としては、照明内蔵タイプのロッカースイッチの場合は電源を2つの端子に接続し、1つを機器に接続、さらにロッカースイッチ内の照明用アース線を接続します。もちろん使用するロッカースイッチによって、内部回路は異なるため注意が必要です。

「ロッカースイッチに付属している取扱説明書で電気回路を確認する」あるいは「サーキットテスタで内部回路の導通を確認する」のどちらかを行い、内部回路を把握してから配線接続を行いましょう。

やみくもに配線接続を行ってしまうと想定通りの動作をしない可能性があり、最悪の場合ロッカースイッチや機器を損傷させてしまう恐れがあります。

参考文献
https://www.nidec-copal-electronics.com/j/featuring/switch/picturebook/
https://www.nkkswitches.co.jp/support/klg/knowledge.html

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