ソレノイドバルブ

ソレノイドバルブとは

ソレノイドバルブ

ソレノイドバルブとは、電磁コイルによって開閉動作するバルブのことです。

日本語では電磁弁と呼ばれており、日常生活から産業用途までなくてはならない機器です。

ソレノイドバルブの使用用途

ソレノイドバルブを使用することによって幅広い流体の流れを制御できますが、代表例は油、水、蒸気、圧縮空気、燃料などです。

1. 機械油

油圧ユニットの流れ制御にソレノイドバルブが使用されます。強い圧力を必要とする機械は油圧によって動かすことが多く、代表例は自動車や油圧プレスです。自動車ではパワーステアリングに油圧を使用されてきましたが、近年は電動式が主流になりつつあります。

2. 水

上水や工業用水の流れ制御にソレノイドバルブを使用します。代表的な例としては、貯水タンクの水位制御で、ボールタップの他に電磁弁が使用される場合があります。また、農業における自動散水にも電磁弁が使用されます。

3. 蒸気

ソレノイドバルブは製品によっては蒸気を流通させることが可能です。蒸気を使用する大型衣類乾燥機などで流れ制御に使用されます。凍結防止用のスチームトレース制御用にも使用される場合があります。

4. 圧縮空気

空圧機器の制御には主にソレノイドバルブが使用されます。空圧バルブや空圧シリンダーの制御には圧縮空気が使用されますが、圧縮空気をソレノイドバルブで制御します。圧縮空気のドレン自動排出にも使用される場合があります。

5. 燃料

気体燃料や液体燃料の噴霧量をソレノイドバルブで制御します。給湯器用の都市ガス (プロパンガス) 流れ制御などに使用されます。ガスエンジンや軽油バーナーに使用され、蒸気や電気を作り出すのに使用される場合もあります。

ソレノイドバルブの原理

ソレノイドバブルはソレノイド部とバルブ部に大分されます。

ソレノイド部の主要部品は電磁コイルであり、電圧を掛けることで固定鉄心が励磁して可動鉄心を動かします。可動鉄心はバルブ部と連動しており、バルブの開閉動作に変換されます。バルブ部は弁体と弁座に分かれており、弁体が動作することで流体の流れを制御します。弁体は可動鉄心に連動して動きます。

ソレノイドバルブの種類

ソレノイドバルブには以下3種類があります。

1.  2方向電磁弁

入り口と出口の2ポートを持つ電磁弁です。流体が止まるか流すかの2動作を制御します。

2. 3方向電磁弁

供給、シリンダ、排気の3つのポートを持つ電磁弁です。シリンダポートは供給ポートか排気ポートのどちらかに接続されます。流体の流れを変えたい場合や、単動シリンダーの動作に使用されます。

3. 4方向電磁弁

4方向電磁弁は4または5つのポートを持つ電磁弁です。供給ポートが1つとシリンダが2つ、排気ポートが1つまたは2つあります。複動シリンダーの制御などに使用されます。センターポジションに応じてクローズドセンター、エグゾーストセンター、プレッシャーセンターに分けられます。

ソレノイドバルブの選び方

以下はソレノイドバルブを選ぶ際の選定基準の一例です。

1. 対象流体・温度

ソレノイドバルブは流通できる流体の種類が製品によって決まっています。代表的な流体は使用用途の項にある通りで、対象流体に応じて選定します。また、ソレノイドバルブの使用可能な温度も製品によって決まっているため、対象となる流体の温度に応じて選定します。

2. ポート数

ソレノイドバルブのポート数を選定します。流体の流れ制御には2ポートまたは3ポートを選定します。シリンダー動作制御の場合は3ポートまたは4,5ポートを選定するのが一般的です。

3. 使用圧力・接続方式

使用する圧力を選定します。使用圧力よりも耐圧力の低い製品を選定した場合は破裂するため大変危険です。したがって、使用圧力よりも高い耐圧性能の製品を選定します。

使用圧力が決定したら、接続方法と口径を選定します。接続方法はフランジ接続またはねじ込み接続が一般的です。また、大口径の場合はフランジ接続の製品が多く、小口径の場合はほとんどがねじ込み接続です。

4. 電源電圧

電源に使用する電圧を選定します。一般的にはDC5V~24VまたはAC100V~200Vなどの電圧が使用され、制御電圧に応じて選定します。AC100V/200V共用の製品も存在し、その場合は結線方法によってどちらかを選択します。

参考文献
https://kurashi-no.jp/I0015572

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