ロードセル

ロードセルとは

ロードセル

ロードセル(英語:Load cell)とは、荷重変換器のことで、荷重又は力を検知して電気信号に変換し、出力するセンサーです。荷重や力に対応した出力は、荷重表示や記録に使用し、さらに制御に使うこともあります。

荷重・力の検知方法は、物体の変形歪を測定するひずみゲージ式のほか、ピエゾ圧電式、金属薄膜式、静電容量式、光ファイバー式、振動式、磁歪式などがあります。

ロードセルの出力は、荷重に対応した電圧や電流のアナログ信号かデジタル信号です。はかりなどの荷重表示・記録や、積載量などの測定、材料試験機での荷重測定などに使い、プラントなどの制御にも使用されます。

ロードセルの使用用途

ロードセルは、電子はかり、試験機、流量計、産業用はかり、各種測定器などで使用されます。例えば、家庭用の製品では、体重計・デジタル式のはかり・シャワートイレの便座などがあります。

産業用では、重量物用のはかりのほかにも、引張試験機、粘弾性測定装置、プレス機、糸やフィルムの巻き取り装置などに使用されることも多いです。また、ジェットエンジンの推進力試験、船のもやい綱の張力モニター、エンジンのトルク測定、車軸負荷のモニター、エレベーターではワイヤーの張力測定、ホッパー・サイロなどの重量測定に使われています。

これら以外にも一部の航空機の操縦桿にロードセルが使われています。パイロットが操縦桿に力を入れると、コンピュータが荷重の大きさを検知して飛行機をコントロールします。

産業界において、品質向上や生産性向上、コストダウンのために生産物の重さを測定し、そのデータを電子化してモニタ表示、良否判断、印刷、データの保管などを行うのに欠かせない装置です。

ロードセルの原理

ロードセルは、荷重を受けると変形する部材の形状により、ビーム型、コラム型、S字型及びダイアフラム型の主に4つの種類があります。

1. ビーム型

ビーム型は、片持ち梁の先端に荷重を受けて発生するビームの変形量を測定します。台はかりなどに使用されます。

2. コラム型

コラム型は、円柱形の部材に荷重を受けて、円柱表面の圧縮方向の変形ひずみを測定します。タンクやホッパーなど産業用に使われます。複数のロードセルを使うことが多いが、その場合は各セルに均等に荷重をかける必要があります。

3. S字型

S字型は、S字形状の部材の両端に荷重を受け、S字部材の変形量を測って荷重に換算します。引張試験機などで引張力の測定に多く使用されます。

4. ダイアフラム型

ダイアフラム型は、ダイアフラムの中心に荷重をかけ、ダイアフラムの変形量を測定します。荷重計一般に使われます。

使用するセル部材のサイズや材質を変えることで、測定する荷重のスケールを大きくしたり小さくすることができます。これにより、数グラムからトン単位の巨大な力まで、幅広い範囲で荷重の測定が可能です。微小荷重の測定では、mNオーダーの測定が可能な高精度のロードセルが開発され、人工筋肉の研究開発などに使用されています。

荷重を受けると変形する部材の変形量を検出する方法には、ひずみゲージ式、ピエゾ圧電式、金属薄膜式、静電容量式、及び光ファイバー式、振動式、磁歪式などがあります。

特にひずみゲージ式が使用されることが多く、起歪体と呼ばれる弾性体にひずみゲージを貼り付け、微小な変形により伸縮して断面積が変化することによりゲージの抵抗値が変化します。この変化は荷重に比例するため、抵抗値の変化から起歪体に加わった荷重を算出します。

ロードセルのその他情報

1. ロードセルの単位

ロードセルは測定値を「力」のSI単位「N」ニュートンで表示します。ロードセルの容量により「mN」「kN」などが使われる場合もあります。

「N」ニュートンは質量に重力加速度を掛けた値です。測定場所の重力加速度が分かっている場合は、ロードセルで質量(㎏)を測定できます。

2. ロードセルの精度

ロードセルの仕様書には「精度」という項目の記載をしないのが一般的です。ロードセル単体の精度は 仕様に記されている 直線性、ヒステリシス、再現性、温度影響などから総合的に判断します。

ロードセルへ既定の電圧を印加した場合に、荷重に比例した電圧を出力しますが、その電圧は大きくても20mVほどの微小なものです。この小さな電圧をさらに数万分の一にまで分割して計測するため、 使用する計測器は安定性が高く、高精度の必要があります。

ロ ードセルを使った計測装置の精度は、ロードセルや表示計のそれぞれの、個体の誤差、温度条件、取り付け状態、振動などによって発生する誤差を含めて総合的に判断する必要があります。それには検出部であるロードセルの精度と、表示器の精度をそれぞれ求め、それらの二乗の和の平方根で総合精度を計算します。

参考文献
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://www.aandd.co.jp/products/loadcell/introduction/

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