避雷針

避雷針とは

避雷針

避雷針は落雷から電気機器や人体を保護する構築物です。

針状の金属でできており、地面に垂直に設置されます。電力系統分野では主に屋外変電所などに施設され、落雷を避雷針に導くことで直撃雷から機器を保護する役割を担います。

また、耐電設備として「避雷器」がありますが、避雷針と同義語ではありません。避雷針は人や建物への落雷を防ぐものであることに対し、避雷器は落雷地点付近の電気機器を故障から防ぐためのものです。

避雷針の使用用途

避雷針は落雷による電気機器・人体への被害を防止する目的で設置されます。設置される建築物は以下の通りです。

  • 高層ビルなどの建築物
  • 低層な住宅街や建造物があるエリア
  • 危険物貯蔵区域や危険物貯蔵タンク

主に建築物の屋上や屋根上に設置されます。また、危険物貯蔵タンクなどへは落雷による漏洩や火災を防止する目的で設置される場合が多いです。避雷針は大電流に耐える導線で接地極へ接続し、落雷を地中へ流すように施設します。

避雷針の原理

避雷針の材質にはステンレスやチタンを使用します。導電性が高く、強風や雨風による腐食に耐えることが理由です。

雷雲はプラスとマイナスの電荷を持っており、雲の上部にプラス電荷、下部にマイナス電荷が分布されます。避雷針の先端にプラス電荷を分布させると、雷雲下部のマイナス電荷と避雷針プラスの電荷が引き寄せられ落雷が避雷針に誘導されるという原理です。

雷雲の真下にある物体にはプラス電荷が貯まるため、必然的に避雷針の先端にプラス電荷が貯まります。そのため、避雷針にプラス電荷を貯める人工的措置は不要です。

また、避雷針により誘導した電荷を安全に地面へ放電させなければならないため、避雷針を確実に接地する必要があります。

避雷針のその他情報

1. 避雷針とPDCE避雷針

避雷針は建物の屋根などに設置するのが一般的です。日本では7~8月に雷が集中します。夏場は上昇気流により電荷を帯びた積乱雲が発達しやすいためです。

一般的には高い建物に設置する避雷針ですが、周りに高い建物がない場合は戸建て住宅へ避雷針を設置することがあります。一方で、避雷針は落雷を誘導する目的で設置するため、被害を軽減させますが完璧になくすことはできません。

そこで近年では、雷を避ける目的の落雷抑制 (PDCE) 避雷針があります。これは、雷雲は負極、地面は正極という電荷の違いを利用したものです。避雷針の上部を負極に制御することで、従来雷が避雷針を通っていたものが避雷針を避けて、地面に落やすくなります。

2. 避雷針の設置基準

避雷針を含む避雷設備は建築基準法や消防法、電気事業法などによって、基準が定められた構築物です。

建築基準法では、高さ20メートルを超える建物、煙突や広告塔、飛行塔などの工作物で20メートルを超えるものに避雷設備の設置が義務付けられます。ただし、建物の場合は周囲の状況によって安全上支障がなければこの限りではありません。

20メートル以下の建物でも周りに何もない場合、落雷が直撃する可能性もあります、建築基準法では、建築物の使用目的、建築物の構造や建築物の内容物、孤立の程度、地形、高さのそれぞれに指数を設けています。合計の40以上か否かが判断基準です。

また、電気事業法では、避雷針を含めて太陽光発電や発電機などの定期点検並びに保安規定などが定められております。その中で、避雷設備に設置する接地抵抗は10Ω以下であると定められています。

参考文献
http://yane-takarazuka.com/column/kodatejuutakunihiraisinnhahituyounainoka-hiraisinnnoyakuwaritorakuraitaisaku.html

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