汚泥処理装置

汚泥処理装置とは

汚泥処理装置

汚泥処理装置 (英: sludge treatment equipment) とは、排水処理などで発生する汚泥を処理する装置です。

工場や下水処理場では、製品の製造中や、排水を処理した後に汚泥が残り、下水道法や廃棄物処理法等の基準に適合するように処理が必要です。一般には汚泥処理装置を使用します。

汚泥処理は、汚泥の種類が有機物か無機物かによって処理方法が異なるため、汚泥処理装置も多くの種類があります。主な原理は、微生物を利用するものや脱水などがあり、汚泥に応じて装置を選択します。

汚泥処理装置の使用用途

汚泥処理装置は、食品加工工場、鉄鋼製品、化学製品、電子製品、医薬品、自動車、製紙、古紙の製造の排水、下水処理場、機械工場、圧延工場など、幅広い工場が直接的、あるいは間接的に使用されています。

汚泥は、有機汚泥と無機汚泥に大きく分けられます。なお、有機物を含む生活排水や食品工場の排水による汚泥は有機汚泥です。

汚泥処理装置の原理

無機汚泥は無機質で汚染された排水を処理すると発生します。多くの種類があり、例えばメッキ工場では、種々の金属酸化物が排水されます。

一方、有機汚泥は有機質で汚染された排水処理で発生し、下水処理場などで生物処理を行う場合が代表的です。

1. 無機汚泥

無機汚泥には、いくつかの種類があります。石灰、石膏、石炭などの汚泥は、鉱石の洗浄、集塵などの排水に含まれます。酸化金属粉末などの汚泥は、鉄鋼排水や集塵排水の中にあります。Fe,Al,Cr,Cu,Niなどの重金属水酸化物の汚泥は、メッキ排水や酸排水に含まれます。

また、含油凝集汚泥は、機械工場からの排水や圧延工場の排水などに発生します。硫酸バンドや鉄塩などの凝集汚泥は、浄水場の懸濁水処理の排水に含まれます。

2. 有機汚泥

有機汚泥にも種々の種類があります。食品工場の活性汚泥は、工場排水に発生します。有機化学物質の活性汚泥は、有機化学プラントや石油化学プラントの排水に含まれます。

3. 汚泥処理

汚泥処理は搬送しやすいため、最初脱水機を使用して水分を除いてケーキ状にします。汚泥の水分は、結合水、内部水、表面付着水、自由水のいずれかの状態になっています。

汚泥内の水の状態を把握して、適切な脱水機を選択します。自由水や表面付着水は、比較的容易に分離が可能です。ケーキ状の汚泥は、乾燥して金属回収・再利用、焼却、埋め立て、分解処理などが行われます。

汚泥処理装置の種類

汚泥処理装置の種類はさまざまで、装置を組み合わせて処理する場合もあります。以下は汚泥処理装置の例です。

1. 各種脱水機

汚泥処理は、まず脱水機を使用して水分を取り除きます。水分を抜き、濃縮した汚泥をケーキと呼びます。脱水機には多くの方式があります。

真空脱水機
回転ドラムの中心を減圧しながら、ドラムごと汚泥、汚水に浸し、ドラムの外側の布に汚泥を付着させて濃縮し、ケーキ状にします。

多重円板型脱水装置
薄い円板スペーサを組み合わせて筒状のろ体にし、いくつも組み合わせて回転させて脱水します。汚泥を凝集剤でフロックにして脱水します。

ベルトプレス式脱水機
2枚のろ布の間に汚泥を挟んで脱水する装置です。有機汚泥の脱水に適しています

フィルタプレス式脱水機
汚泥をろ過室に詰め込み加圧して脱水する装置です。

遠心脱水機
液体中の固体成分を遠心力の作用で分離する装置です。固体と液体が混ざった状態はもちろん、比重が異なる液体同士でも分離可能です。

2. 加圧浮上装置

水より比重が軽い物質と、水との分離に利用します。水中に微細な泡を発生させ、泡に凝集したフロックを吸着し、浮かせて汚泥を分離します。

3. 活性汚泥処理装置

微生物を接触材で生育し、汚泥に直接菌を付着させます。菌が汚泥を捕捉し定着するのでコンパクトで浄化能力が高い装置です。

余剰汚泥が少ないので、ランニングコストを抑えることができます。微生物のために空気を送り込みますが、酸素を送り込むことでさらに活性化する酸素活性汚泥処理装置もあります。

4. 膜分離活性汚泥処理装置

膜分離活性汚泥法は、曝気槽の中に微細な穴を有する膜を浸漬し、汚水を直接ろ過して汚泥を分離します。通常の活性汚泥処理に必要な沈殿槽が不要で、省スペース、処理コスト低減などの効果があります。

また、処理水は水質が良く、微生物も除去できるので、消毒が不要です。

参考文献
https://kcr.kurita.co.jp/equipment/category_05
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/046.html

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