タイムサーバ

タイムサーバとは

タイムサーバとは、インターネットなどのTCP/IPネットワーク上で現在時刻の情報を配信するサーバです。

NTP (英: Network Time Protocol) でサーバ間の時刻同期や、クライアントに正確な現在時刻を知らせることができます。このプロトコルを各クライアントのPCは利用してタイムサーバに通信し、現在時刻を取得可能です。

さらに、クライアントのPCのみならず、ネットワーク上に存在するルーターをはじめとする各種ネットワーク機器も、正確な時刻に同期した処理を行うためにタイムサーバから時刻データを取得しています。ネットワーク上の機器が、タイムサーバを使った時刻同期により、システム内の機器全てが同一時刻で記録可能で、機器間のログをつきあわせられます。

タイムサーバの使用用途

タイムサーバは、正確な時刻を必要とする機器に時刻データを提供するのに使われています。

1. ITシステム

ITシステムにおいては、正確な時刻同期が必要です。例えば、複数のサーバがある環境では、それらのサーバ間で正確な時刻同期が必要です。

ログファイルのタイムスタンプが正確になり、トラブルシューティングを行いやすくなります。

2. セキュリティ対策

セキュリティ対策においても、例えばログイン時刻の正確な記録を取ることで、不正ログインの検知や調査が行いやすくなります。

3. ビジネス分野

ビジネスにおいても、正確な時刻同期が必要な場合があります。例えば、国際取引においては、異なる国の取引所や銀行があるため、正確な時刻同期が必要です。

また、オンラインショッピングにおいても、正確な時刻同期が欠かせません。注文や決済など、時間に関わるトランザクションが多数発生するため、正確な時刻同期が不可欠です。

4. 科学技術分野

科学技術分野においても、正確な時刻同期が必要です。天文学や気象学などの観測において、正確な時刻同期が必要です。これらの観測結果を正確に記録し、より正確な予測や分析が可能になります。

 

以上のように、タイムサーバは多岐にわたる用途で使用されています。正確な時刻同期が必要な場面は、ITシステムやビジネスだけでなく、科学技術分野などさまざまです。タイムサーバが提供する正確な時刻情報は、いろいろな場面で貢献しています。

タイムサーバの原理

タイムサーバは、通常、NTP (Network Time Protocol) プロトコルによって、時刻情報を共有します。NTPは、TCP/IPネットワーク上で時刻同期を行うためのプロトコルであり、正確な時刻同期を実現するためのさまざまな機能を提供します。

NTPでは、クライアントがタイムサーバに対して時刻情報を要求します。タイムサーバは、自身が保持している正確な時刻情報をクライアントに送信します。この時刻情報には、原子時計やGPSなどの高精度な時計から取得した正確な時刻情報が含まれます。クライアントは、受信した時刻情報を自身の時計に反映させ、正確な時刻同期を実現します。

また、NTPでは、タイムサーバが複数ある場合、クライアントは複数のタイムサーバから時刻情報を取得可能です。これにより、より正確な時刻同期が実現できます。さらに、時刻同期において発生するネットワーク遅延や時計の誤差を補正するための機能も提供しています。これにより、より正確な時刻同期を実現可能です。

タイムサーバのその他情報

クロック階層

NTPは、負荷分散の目的から階層構造を取って運用されています。これをStratumと呼んでいます。Stratumは0,1,2…と順次採番されており、数字が大きくなるほど大元のタイムサーバから離れていくため、誤差が大きくなります。

Stratum0は原子時計で、Stratum1は日本においてはNICTのタイムサーバです。原子時計から取得した極めて高精度の時刻をもって、自身でRTCにより刻時している時刻に補正をかけて運用しています。

参考文献
https://www.idcf.jp/words/ntp.html
https://liginc.co.jp/464201

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