温水器

監修:株式会社ミヤワキ

温水器とは

温水器とは、水を加熱して温水を供給する装置です。

温水を供給する設備にはガス式や電気式などが存在しますが、一般的には電気式の製品を温水器と呼びます。家庭やビルなどの建物で利用されており、お風呂や洗面所またはキッチンなどの温水を必要とする場所に設置されます。水を効率的に加熱して快適な温水を提供することを目的に設置されます。

温水器の使用用途

温水器は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 工場

一部の工場では製造プロセスにおいて温水が使用されます。例えば、製品の洗浄や加熱が必要な場合などに温水器が活用されます。温水を利用することで、生産プロセスがスムーズに進行し、製品の品質を向上させることが可能です。

2. 商業施設

ホテルや旅館においてお風呂やシャワーまたは洗面所での温水供給が必要です。ホテルや旅館では、来訪者の快適さを重視して、常に温水を提供することが必要不可欠です。また、レストランやカフェ、大型商業施設などにも様々な用途で設置されます。

3. オフィス

オフィス内のトイレや洗面所では、従業員が手を洗ったり顔を洗ったりする際に温水が必要です。これにより、清潔さと快適さを確保することができます。温水器があることで、社員の利便性が向上し、業務効率が向上します。

4. 一般家庭

一般家庭では毎日の入浴やシャワーに温水を使用するために温水器が利用されます。特に寒い季節や冬場には、温かいお風呂やシャワーが必要不可欠です。冷たい水では洗顔や手洗いも不快に感じられるため、温水器があることで衛生面も向上します。

また、料理や食器洗いにも温水が必要です。温水器があれば、食材の調理や食器の洗浄がスムーズに行えます。また、温水を使うことで油汚れや食器の汚れを効果的に落とすことが可能です。

温水器の原理

温水器は水を加熱し、温水を供給する装置です。以下のような部品によって構成されます。

1. 給水口・排水口

温水器には水の給水口と温水の供給口があります。給水口から水がタンクに供給され、加熱された後に温水が排水口を通じて需要場所に送られます。ホースや配管によって水道などに接続することが多いです。

2. タンク

一般的には水を貯蔵するタンクがあります。タンクのサイズは温水の需要や使用状況に応じて異なります。一般的に大容量のタンクほど多くの温水を貯蔵することが可能です。

3. ヒーター

タンク内にはヒーターが設置されています。電気エネルギーを受け取り、発熱して周囲の水を加熱します。ヒーターは一般にニクロム線などの材料で製造されており、ステンレスなどの耐腐食性材料で覆われていることが多いです。

4. 温度制御装置

温水器には、水温を制御するための温度制御装置が備わっています。これにより、設定された温度を維持することが可能です。一般的には温度センサーが水温を監視し、必要に応じてヒーターの動作を制御します。

温水器の選び方

温水器を選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. ヒーター能力

ヒーター能力は温水器が水を加熱する能力を示す指標です。一般的にはヒーター能力が高いほど、より速く大量の水を加熱することができます。使用人数や同時に必要な温水の量に応じて、適切なヒーター能力を選ぶことが重要です。

2. タンク容量

タンク容量は温水器が貯蔵できる水の量を示す指標です。タンク容量が大きいほど、多くの温水を貯蔵できます。一般用途の温水器ではタンク容量が10リットルから200リットル程度の範囲で選択でき、使用人数や温水の使用頻度に応じて選定します。

3. 可昇温度

可昇温度は温水器が水を加熱できる最大温度です。使用目的に応じて、適切な可昇温度を選択することが重要です。一般用の温水器であれば、60度程度の製品が多く販売されています。

4. 本体サイズ

温水器の本体サイズは、設置場所やスペースに合わせて選ぶ必要があります。一般的に、本体サイズが小さいほど設置場所を選びやすくなります。設置するスペースの制約や設置場所の条件に応じて、適切な本体サイズを選択することが重要です。

本記事は温水器を製造・販売する株式会社ミヤワキ様に監修を頂きました。

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太陽光架台

監修:RBI SOLAR株式会社

太陽光架台とは

太陽光架台とは、太陽光パネルを設置するための構造物です。

太陽光パネルは太陽光を電気エネルギーに変換するため、できるだけ効率的な位置に配置する必要があります。太陽光架台は太陽光パネルを地上や屋根などの適切な場所に取り付けるための支持構造物です。太陽光発電所の効率的な構築と運用に不可欠な製品です。

日照角度に応じて、様々な角度の製品が販売されています。日本国内では一般的に地面から5°~20°程度の製品を使用することが多いです。耐久性のある素材で作られており、厳しい気象条件に耐える構造となっています。

太陽光架台の使用用途

太陽光架台は太陽光パネルを設置するために使用されます。主な設置場所は以下の通りです。

1. 地上

地上に太陽光パネルを設置する際は、鋼鉄製やアルミ製などによる構造物となることが多いです。土地や農地などのスペースを利用して太陽光発電所を建設するために使用されます。地盤の状況や地形、気象条件を考慮して設計され、安定性と耐久性を確保します。

2. 折半屋根

折半屋根とは、ガルバリウム鋼板などの金属を加工して製作した屋根材です。折半屋根に太陽光パネルを設置する際は、クリップ状またはクランプ状の固定金具を使用することが多いです。傾斜用の架台などを使用して太陽に面するように角度を付けます。

3. 陸屋根

陸屋根とは、傾斜のない平らな屋根です。陸屋根に太陽光架台を設置し、パネルを建物の屋根に取り付けることで、建物の屋根スペースを活用して再生可能エネルギーを発電します。

屋根に取り付けるための耐風性や耐久性が必要であり、架台を強固にする際には耐荷重の計算なども実施しなければなりません。

太陽光架台の原理

太陽光架台の仕組みは太陽光パネルを効率的に配置し、最大限の太陽光を収集することです。太陽光パネルは太陽からの光を電気エネルギーに変換します。このため、太陽光パネルにできるだけ多くの太陽光を集中させる必要があります。

太陽光架台は太陽光パネルを適切な角度と方向に設置し、最適な太陽光取得効率を実現するための支持構造物です。基礎や架台によって構成されます。

太陽光架台の基礎は架台を地面や建物の屋根に固定するための構造物です。地盤の状況に応じて杭基礎やコンクリート基礎などから選定します。構造に応じて適切に設計され、降雪や突風、地震などが発生しても架台を安定させる役割を果たします。

太陽光架台の種類

太陽光架台は設置環境に応じて様々な種類が存在します。以下はその一例です。

1. 打設杭架台

杭打ち機で鋼鉄製の杭を打設し、その上に架台を設置します。地中に転石が少ない場合などに有効です。スクリューアンカー架台と比較し絶対的な強度があり、施工もスピーディーです。

2. 柱状改良・キャストイン架台

軟弱地盤や硬質地盤に対して用いられる杭設置方法です。スクリューアンカー架台と比較し強度と精度に優れます。一定以上の規模でコスト競争力が出てきます。根入れが短いため地中障害物に影響されにくい点も特長です。

3. ソーラーカーポート

ソーラーカーポートは太陽光パネルが屋根となり、その下に車両を駐車できる構造物です。駐車場や車庫に設置され、太陽光発電と同時に車両の保護や遮蔽を実現します。都市部や商業施設、工場などの駐車場などで利用されます。

4. コンクリート基礎架台

コンクリート基礎架台は頑丈なコンクリート基礎を使用する架台です。一般的には地盤が緩い場合などに使用されます。他の工法よりも高価です。耐久性が高く、長期間の使用に耐える点も特徴です。

5. スクリューアンカー架台

スクリューアンカー架台は地中に回転させて埋め込むアンカーを使用する架台です。地盤に打ち付けるのが容易なため、建設現場での迅速な設置が可能です。ただし、地中障害物に弱く、事前に十分な地盤調査を行うことが必要です。

6. 屋根用架台

屋根用架台は建物の屋根に太陽光パネルを取り付けるための架台です。屋根の形状や材質に合わせて設計されており、屋根に変更を加えることなく太陽光パネルを設置することができます。

7. フロート式架台

フロート式架台は水面に浮かべて太陽光パネルを設置する架台です。湖や貯水池などの水域に設置され、水上で太陽光発電を行います。水上に設置できる点が特徴であり、土地利用効率を最大限に引き出すことができます。

本記事は太陽光架台を製造・販売するRBI SOLAR株式会社様に監修を頂きました。

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粉末3Dプリンタ

監修:株式会社システムクリエイト

粉末3Dプリンタ

粉末3Dプリンタとは、粉末状の樹脂や金属にレーザーを照射し焼結させる粉末方式で造形を行う3Dプリンタです。

金属、砂、シリカ、樹脂など、他の方式では使用できない様々な材料での造形が可能で、高精度で高耐久の造形物の製作が可能です。そのため、試作品のみならず最終製品や鋳型の製造にも用いられます。

粉末3Dプリンタの使用用途

粉末3Dプリンタは、豊富な種類の素材を扱うことが可能で、耐久性の高い造形が可能なことから、幅広い用途で使用されています。一部では最終製品となる部品に使用されることも増えてきました。主な用途には下記のようなものがあります。

  • 各種プロトタイプ
  • 航空機、ロケット、医療、特装車、産業機器などの量産部品
  • 試作、少量生産、研究、教育などにおける造形
  • 性能評価試験用の実験モデル (風洞試験やベンチテストなど)

その他、シロッコファン、電動工具ハウジング、アート作品などが製作される場合もあります。また、高強度・高耐熱の造形品を製造できることから、金属パーツを樹脂化して軽量化を行うなどの用途で使用することも可能です。

粉末3Dプリンタの活用事例

図1. 粉末3Dプリンタの活用事例

粉末3Dプリンタの原理

1. 概要

粉末造形とは、粉末状の樹脂や金属材料にレーザーを照射して焼結させ、一層ずつ積層していく方法です。他の方法と比べて、素材選択の自由度が高く、耐久性のある造形物を作成できることが特徴と言えます。粉末の造形物は、強度・耐衝撃性・耐熱性・耐候性などの点で優れています。

他の3Dプリンターで主に使用される積層方式では積層方向に対しての強度面が脆いことが弱点の1つです。一方、粉末造形は数ある方式のなかでも強度が高く、ツメ形状やヒンジ形状などを作成してもある程度機能する強度を備えています。

2. 造形方法

粉末3Dプリンタには、主にパウダーベッド方式とバインダージェット方式の2種類の造形方式があります。パウダーベッド方式とは、パウダーベッド方式とは、材料となる粉末を敷き詰めてレーザーやビームを照射し、粉末粒子を焼結または溶解させることで造形を行う方法です。バインダージェット方式は、材料となる粉末に液体の結合材 (バインダ) を噴射して固形化する造形方法です。

パウダーベッド方式には、更に、選択的レーザー焼結 (SLS) 、選択的レーザー溶融 (SLM) 、直接金属レーザー焼結 (DMLS) 、電子ビーム溶解 (EBM) の下位分類があります。

SLS方式のプリンターは、材料粉末を融点に近い温度まで加熱して溶かし、CO2レーザーでモデルに従って粉末層を選択的に焼結します。このプロセスを繰り返すことで積層を行う仕組みです。SLMは、SLSと異なり、特に金属3Dプリントに特化した方式ですが、金属は、その他の熱可塑性プラスチックよりも密度が高く、重くなるため、サポートを必要とします。DMLSの場合、加熱によって材料を溶かす必要がなく、合金や異なる溶融温度を持つ複数の金属元素の混合物をプリントすることが可能です。EBMとは、電子ビームが使用され、導電性材料を必要とする手法です。

粉末3Dプリンタの造形方法

図2. 粉末3Dプリンタの造形方法

3. 積層目

粉末3Dプリンタは、粉末状の素材をレーザーで焼結していくため、表面がザラザラした感触になること、積層目が残ることが特徴の一つです。

そのため、完成した樹脂造形品に対して、強度・表面の粗さ・気密性の改善のために含浸と呼ばれる処理を行う場合があります。この処理は製品に薄く無色・透明なアクリル系樹脂を塗布するもので、製品表面の微細な隙間を埋める目的のために行われます。

粉末3Dプリンタの種類

粉末3Dプリンタには様々な種類があり、金属に特化したプリンタや、樹脂に特化したプリンタなどがあります。

金属用の粉末3Dプリンタでは、ステンレス、工具鋼、超合金、銅、チタン、アルミニウムなど、様々な汎用金属粉末を使用することが可能です。また、樹脂では、ナイロン6+ガラスビーズ、ナイロン11、ナイロン12、ポリプロピレン、エラストマ粉末などの素材が用いられます。特にナイロン6は熱収縮性が高く扱いにくい素材であるため、使用できる機種はとても希少です。搭載レーザーや、レーザ出力や速度、ベッド温度、溶解力、再コーティング速度も製品によって異なります。用途に合わせて適切な物を選定することが必要です。

粉末3Dプリンタの種類

図3. 粉末3Dプリンタの種類

本記事は粉末3Dプリンタを製造・販売する株式会社システムクリエイト様に監修を頂きました。

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シリコン3Dプリンタ

監修:株式会社システムクリエイト

シリコン3Dプリンタとは

シリコン3Dプリンタとは、シリコン素材を材料として造形を行うことができる3Dプリンタです。

3Dプリンタで使用できる素材としてはABS樹脂やPLA樹脂などが一般的ですが、シリコン素材は粘度が非常に高いため、従来は3Dプリントで正確に形状を再現することが困難でした。技術の進歩により、現在、一部の機種ではシリコン素材を用いて造形を行うことが可能です。3Dプリンタでの造形は金型造形の手間がかからないというメリットがあります。

シリコン3Dプリンタ

図1. シリコン3Dプリンタ

シリコン3Dプリンタの使用用途

シリコン3Dプリンタは、金型を製作せずに造形を行うことができるため、様々なものの造形に使用されています。軽くしなやかで、荷重に合わせて曲がり、元に戻る復元力を生かし、下記のような用途があります。

  • 消費者向け製品 (コネクタ、グロメット、アクチュエータ、キーパッド、腕時計バンド、靴のインソール、スマートフォンケース、ジュエリー鋳造、メガネフレーム、フィギュア・模型、シリコン製食品型)
  • 自動車部品、産業機器などにおける製品開発サイクルにおけるプロトタイプ
  • 各種部品の少量生産やカスタム製造のコスト効率化 (シールやガスケット、ボルト、ナットなど)
  • 治工具や金型 (鋳造用金型、治工具、マスキングツールなど)
  • 医療器具 (患者ごとにカスタマイズした義肢装具、補聴器)
  • 臓器モデル

3Dプリンタは、高精細で滑らかな造形を行うことができるため、ねじ山などの凹凸、指輪やネックレスなどのアクセサリや時計など、微細な加工も可能です。3Dデータからダイレクトにプリントを行い、鋳造の工程をより効率化します。また、医療器具では、患者の身体の形状に合わせて器具製作を行うことができます。金型が要らないため、各種プロトタイプの試作にも活用されている技術です。

シリコン3Dプリンタの活用事例

図2. シリコン3Dプリンタの活用事例

シリコン3Dプリンタの原理

1. 概要

シリコンは粘度が非常に高いため、3Dプリントで正確に形状を再現することが比較的難しい素材です。また、加熱して押し出したり、光硬化性樹脂材料のようにUV光で硬化させることなどもできません。質感はなめらかで、荷重に合わせて曲がり、元に戻る復元力があります。

3Dプリンターは、デジタルデータから3次元造形を行うことができる機械です。物体を連続の薄い層に分解し、それらの層を一つずつ積み重ねて物体を構築します。3Dプリンターでシリコーン素材を直接造形すると、金型を製作することなく、直接目的物を造形することができます。また、金型での製造では作りづらいハニカム構造などの造形も容易です。

2. 液体積層造形法

シリコン3Dプリンタの造形法では、液体積層造形法 (LAM方式) が採用されています。仕組みの概要は下記の通りです。ここで使用されるシリコンゴムは熱硬化性です。

  1. 2つの液状のシリコンゴムを混合し、エクストルーダーで押出して層を造形する
  2. 1層ずつ高温のハロゲンランプによって熱硬化させ積層造形する

液体積層造形法のメリットには下記のようなものがあります。

  • 金型成型品と同等物性の造形品ができる (引張強度、伸びなど)
  • 金型が不要なため、大幅なコスト削減が可能
  • 材料の色調を活かして透明色 (または乳白色) での造形が可能
  • 3Dプリンターならではの難しい形状が造形できる

例えば、内部が空洞になった形状や逆テーパー形状は金型成型では製造困難ですが、3Dプリンターでは造形可能です。また、金型が要らないため、試作品製作時は開発スピードが格段に上がります。

液体積層造形法

図3. 液体積層造形法

シリコン3Dプリンタの種類

シリコンの3Dプリント造形は高度な技術が必要であることから機種が限られており、あまり種類は多くありませんが、各製品で機能が工夫されています。

製品によっては、複数種類の硬度のシリコン材料に対応しているものも有り、作成したいモデルに必要な硬度や用途に合わせて自由に選ぶことが可能です。また、2液材料を混ぜて吐出するプリントヘッドと、1液材料を吐出するプリントヘッドの2基を搭載しているものもあり、モデル材となる2液用プリントヘッドとそれを支えるサポート材用の1液プリントヘッドの同時造形を行うこともできます。

本記事はシリコン3Dプリンタを製造・販売する株式会社システムクリエイト様に監修を頂きました。

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ソーラーカーポート

監修:RBI SOLAR株式会社

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートは、太陽光パネルを搭載した屋根を有する駐車場です。

駐車スペースの上に設置された太陽光パネルが日光を受けて電力を生成し、その電力を車や建物に供給することができます。駐車場を有効に活用しつつ、そのスペースで太陽光発電を行うことができる点が特徴です。特に都市部などでは、土地利用効率を高めるための有効な方法です。

また、ソーラーカーポートを設置することで車両を太陽光や雨から保護することが可能です。車の外観や内装の保護だけでなく、保管されている車の寿命を延ばすことができます。
ただし、ソーラーカーポートは建築物と見なされることが多いため、建築基準や法規に準拠する必要があります。設置する場所や構造の高さまたは地盤の適合性など、様々な規制や許認可が適用される可能性があります。

ソーラーカーポートの使用用途

ソーラーカーポートは様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 商業施設

ショッピングセンターなどの駐車場にソーラーカーポートを設置することで、再生可能エネルギーの発電を行いながら、顧客に駐車スペースを提供することが可能です。空いているスペースを活用しつつ、建物の電力需要を部分的に賄うことができます。また、直射日光から車両を保護する役割も果たします。

2. 公共施設

公園や学校などの駐車場にソーラーカーポートを設置することで、利用者に屋根付きの駐車場を提供しつつ、再生可能エネルギーの普及を促進することが可能です。自治体のエネルギー消費を削減し、地域の持続可能性を向上させることができます。また、環境活動への取り組みとして、地域住民へのアピールともなります。

3. 工場

工場の駐車場にソーラーカーポートを設置することで、電力需要を一部賄いながら、エネルギーコストを削減することが可能です。従業員や訪問者に駐車スペースを提供しつつ、再生可能エネルギーの活用を促進することができます。

4. 一般家庭

一般家庭の駐車場にソーラーカーポートを設置することで、駐車場として活用しながら電気代を削減することが可能です。車両を直射日光や風雨から保護しつつ、再生可能エネルギーの利用を推進します。

ソーラーカーポートの原理

ソーラーカーポートはソーラーパネルを利用して太陽光を受け、電力を生成する仕組みです。ソーラーパネルや架台、パワーコンディショナなどで構成されます。

架台はソーラーパネルを支えるための支柱や構造物です。一般的には鋼鉄やアルミニウムなどの耐久性耐候性の高い材料で作られます。杭基礎やコンクリート基礎などによって、地面と固定されていることが多いです。

ソーラーカーポートの選び方

ソーラーカーポートを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 駐車台数

ソーラーカーポートを設置する駐車場の台数に応じて、適切なサイズのカーポートを選びます。必要な駐車台数に合わせて、カーポートの長さや幅を決定します。

2. 基礎種類

ソーラーカーポートの基礎は、安定した構造を確保するために重要です。一般的な基礎の種類には、杭基礎やコンクリート基礎などが存在します。地盤の条件や風雪荷重などの要因に応じて適切な基礎を選択します。

3. 支柱本数

ソーラーカーポートの支柱の本数は少ない方が駐車しやすく、より多くのケースで受け入れられています。

4. 材質

ソーラーパネルには片面発電型や両面発電型などの種類があり、両面発電型は照り返しによる発電が可能です。また、架台にも鋼鉄製やアルミ製などの種類があります。鋼鉄製は支柱の数を削減することができますが、少々割高となる傾向にあります。一方、アルミ製は比較的安価ですが、支柱の数が多く駐車の際の障害となる場合があります。

本記事はソーラーカーポートを製造・販売するRBI SOLAR株式会社様に監修を頂きました。

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アクリルパイプ

監修:日本真空化学株式会社

アクリルパイプとは

アクリルパイプとは、アクリルを利用して製造された透明な円筒型のパイプです。

透明プラスチックの中でもひときわ透明度が高く、ショーケース等の各種ディスプレイや、水族館の大型水槽などにも採用されています。優れた耐薬品性、耐候性、加工性が特徴です。

アクリルパイプの使用用途

アクリルパイプは、高透明度を生かした多様な用途で使用されます。

  • 光学部品
  • 照明器具
  • 室内装飾や各種ディスプレイ、看板
  • ドリンクサーバー
  • 実験装置
  • 建材

アクリルパイプの原理

1. 製造法

アクリルパイプには押し出し製法で製造されるものもありますが、押し出し製法の場合には押し出して筒状に仕上げるため、わずかに押し出しの押し出し痕が残ります。

特に高透明度の製品は遠心重合製法で製造されます。遠心重合製法とは、高純度のメタクリル酸メチルモノマーを円筒状型管に注⼊し過熱回転させながら重合固化させ、更に外⾯仕上げをする製法です。この方法では素材を高速回転する製造機で噴射しながら形を作り上げていくため、摩擦が生じず表面に痕が残りません。

2. 工程

遠心重合製法で製造されるアクリルパイプの詳細な工程は下記の通りです。

原料の保管: 原料のメタクリル酸メチルモノマーは、地下タンクに貯蔵し保管される場合があります。地下タンクでの保管は、ドラム缶等での保管よりも品質の劣化が抑えられ、異物の混入も防止できます。

  1. 原料の重合・加熱: 熟成窯内でメタクリル酸メチルモノマーの重合反応や加熱を行い、固形化前のアクリル樹脂を生成します。
  2. 触媒の添加と撹拌: アクリル樹脂を固形化するための触媒を配合し、撹拌します。製作物の厚みや大きさ、室温によっても適切な触媒量は異なります。
  3. 材料の注入・成形: 材料を機械に注入し、パイプを成形します。遠心重合製法では、原料を筒状の型管に入れ、加熱回転させて成形します。
  4. 表面磨き・歪みの除去: 機械から成形したアクリルパイプを取り出して両端を切り落とした後、機械と人力の両方で表面を磨き光沢を出します。
  5. アニール処理: 成形品を加熱することでアクリルパイプを構成する分子を安定させる処理です。アクリルが変形する寸前の温度で成形品を加熱し、クリアな外観を保ちます。
  6. 検査・出荷: 目視で異物やキズ、歪みの有無を検査します。必要な場合は、画像測定器による検査が行われる場合もあります。

2. 性質

アクリルパイプは主に下記のような特徴があります。

  • 軽量性
  • 耐衝撃性
  • 高透明度
  • 耐薬品性
  • 耐候性
  • 加工性

アクリルパイプは非常に軽く、比重はアルミニウムの1/2.3、ガラスの1/2です。耐衝撃値は無機ガラスの15倍です。光線透過率も92%以上と高く、透明度が高い素材です。表⾯はガラスのように滑らかになっています。硬質ポリ塩化ビニル管・塩化ビニル管などの1.5倍の抗張⼒、1.5〜2倍の曲げ強度を示します。

耐薬品性では、無機塩類、油、ガソリン、酸やアルカリにも耐えることができます。耐候性も高く、⻑期間の屋外使⽤から寒冷地の使⽤まで可能です。また、⼯作機械での切削、切断、孔あけなどの加⼯もスムーズに行うことが可能です。また、加⼯⾯も研磨によって透明性と光沢を復活させることができます。 

アクリルパイプの種類

アクリルパイプには径の細いものから太いものまで様々なものがあります。最も細いものでは外径30mmから製造されており、標準サイズは概ね外径30mmから510mmです。それ以上の大径パイプでは600mm、800mm、1000mm、1200mm、2000mmなどがあります。

また、断面の仕上がりには、切りっぱなし (切断面に多少凹凸ができる) 、糸面取り (切断面を平坦にする) 、ツヤミガキ (平坦になった断面を更に磨く) などの処理の種類があります。色では、無色のクリアパイプだけではなく、意匠性の高い多彩な色調の製品た蛍光カラーの製品が提供されています。様々な製品があるため、多様な用途で使用することが可能です。

本記事はアクリルパイプを製造・販売する日本真空化学株式会社様に監修を頂きました。

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小型フライス盤

監修:株式会社システムクリエイト

小型フライス盤とは

小型フライス盤とは、回転するカッターを使用して切削加工する小型装置です。

フライス盤は工作機械の一種であり、金属やプラスチックなどの素材を切削加工するために使用される装置です。回転する切削工具であるフライスカッターを使用して素材の表面を削り取り、所望の形状や寸法を作り出します。小型フライス盤は一般的なフライス盤よりも小型な点が特徴で、作業スペースに制約がある場所で使用されることがあります。

また、小型フライス盤は一般消費者や小規模企業にとって手頃な価格で入手できる場合があります。これにより、予算の制約がある場合でも、部品加工や試作品の製造などの活動が可能です。教育機関や研究機関での学習用途にも適しています。

小型フライス盤

図1. 小型フライス盤

小型フライス盤の使用用途

小型フライス盤は以下のような用途で使用される場合があります。

1. 玩具工房・DIY

小型フライス盤を使用して、金属やプラスチックなどの素材から工芸品を製作することが可能です。たとえば、模型船や飛行機の部品またはジュエリーなどの小物を作製することができます。また、木工や金属加工などの技術を磨くために、練習用途として小型フライス盤を使用することもあります。

2. スタートアップ企業

スタートアップ企業において小型フライス盤を使用して、部品の小ロット生産や試作品の製作を行います。例えば、特注の金属部品やプロトタイプの開発に活用することが可能です。小型フライス盤は大規模な機械加工センターと比べて設備投資や運用コストが低いため、小規模な生産活動に適しています。

3. 教育

学校の工学部門では、小型フライス盤が工学教育や研究活動の一環として利用されます。学生や研究者は加工プロセスやCAD/CAMソフトウェアの使用方法を学ぶために小型フライス盤を活用します。また、研究目的で特注実験装置の製作に使用されることも多いです。

小型フライス盤の原理

フライス盤の原理は回転する切削工具であるフライスカッターを使用して、素材の表面を削り取ることです。工具の回転運動と作業台の直線運動を組み合わせて、所望の形状や寸法を作り出します。切削工具は回転することで素材の表面を削り取り、作業台は工具の位置を調整して素材を正確に加工するための支持体として機能します。

フライス盤の基本的な構造体はベースと呼ばれます。ベースには作業台や主軸などの重要な機構が取り付けられる仕組みです。主軸はフライス盤の中心部に位置し、フライスカッターを取り付ける回転軸です。主軸はモーターによって駆動され、工具を回転させて素材を削り取ります。モーターには電気によって駆動する誘導電動機を使用されることが多いです。

作業台は切削される素材が固定される平らな台です。上下左右に移動することができ、素材の位置を調整して正確な加工を行います。また、作業台には固定具やクランプが取り付けられ、素材を安定して保持することが可能です。

小型フライス盤の原理

図2. 小型フライス盤の原理

小型フライス盤の選び方

小型フライス盤を選ぶ際は、以下のような選定要素を考慮することが重要です。

1. 加工可能材料

小型フライス盤は、金属やプラスチックなどの様々な素材を加工できるように設計されています。加工したい素材に応じて、適切なフライス盤を選択することが重要です。たとえば、金属加工には耐久性のある主軸と十分な切削力が必要です。

2. 加工サイズ

加工可能なサイズは小型フライス盤を選ぶ際の重要な要素です。加工する対象物のサイズに応じて、適切な作業台の寸法や作業範囲を確認する必要があります。小型フライス盤の場合は作業範囲や作業台の移動距離が制限されていることがあるため、加工する対象物に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。

3. 本体サイズ

小型フライス盤の本体サイズも重要な要素です。本体サイズは移動や保管の容易さにも影響を与えます。作業場のスペースや収納スペースに合わせて、適切なサイズのフライス盤を選択する必要があります。

4. 電源

小型フライス盤にはAC電源またはDC電源を使用するモデルがあります。一般的にAC電源を使用するフライス盤は、家庭や工場の一般的な電源に接続可能です。一方、DC電源を使用するモデルはバッテリーで動作可能なため、移動や屋外での使用に適しています。

本記事は小型フライス盤を製造・販売する株式会社システムクリエイト様に監修を頂きました。

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卓上射出成形機

監修:株式会社システムクリエイト

卓上射出成形機とは

卓上射出成形機とは、卓上における小型の射出成形機です。

射出成形とは熱したプラスチックを射出し、型に流し込んで所定の形状に成形する加工方法です。高い精度で複雑な形状を作ることが可能な点が特徴です。

卓上射出成形機は卓上に置くことができるほど小型であり、一般家庭や小規模な工場などで利用されます。主にプロトタイプ作製や小規模な製品生産に使用されることが多いです。大規模な射出成形機に比べて、卓上射出成形機は投資コストが低い傾向があります。小規模なプロジェクトや製品開発において、初期投資を最小限に抑えることが可能です。

卓上射出成形機

図1. 卓上射出成形機

卓上射出成形機の使用用途

卓上射出成形機は以下のような用途で使用されることがあります。

1. 製品開発

製品のデザインや機能を実際の物体として確認するために、射出成形機は重要な役割を果たします。CADソフトウェアで設計したモデルを基に、プラスチック素材を溶かして型に注入して試作品を製造します。これにより、デザインの問題や機能の不具合を早期に発見し、修正することが可能です。

2. 小規模加工業

射出成形機は小規模な生産ラインやスタートアップ企業にとって理想的な製造ツールです。市場への投入を検討する前に、少量から中量の製品を生産することができます。このような小規模生産により、需要の評価や市場の反応をテストし、製品を改良するためのフィードバックを得ることが可能です。

3. 歯科・医療

歯科や医療分野では、患者に合わせた特注の製品が必要です。射出成形機は歯科用の補綴材料や医療機器の部品など、個々の患者の特定のニーズに対応するための製品を製造するために使用されます。これにより、患者への適合性や快適性を向上させることができます。

また、カスタムデバイスの製造プロセスは高度な精度と品質管理を必要とします。射出成形技術はこれらの要求に応えるのに有利です。

4. 玩具

玩具メーカーや玩具の愛好家において、射出成形機を使用して自分のデザインしたキャラクターやフィギュアを製造する場合があります。射出成形によるプラスチック製品は耐久性があり、細部まで再現することができるため、高品質な玩具を製造することが可能です。また、射出成形技術は大量生産に向いているため、需要があれば一度の製造で多くの製品を作ることができます。

卓上射出成形機の原理

卓上射出成形機は射出成形というプラスチック成形プロセスを使用した製品です。まず、プラスチック原料を粒状の形状に加工し、射出成形機のホッパーに投入します。ホッパー内で原料は加熱され、溶融されます。

溶融されたプラスチックはスクリュー機構によってホッパーから圧縮され、射出ノズルを通じて金型内に射出されます。射出されたプラスチックは金型内の空洞に流れ込み、所定の形状に充填されます。射出されたプラスチックは金型内で冷却されて固化し、金型の形状に変形する仕組みです。

冷却が完了した後、金型が開放されます。金型が開放されると成形されたプラスチック製品が取り出されます。高価な製品の場合は、この工程で取り出し機構やロボットアームなどが使用されることも多いです。成形された製品は取り出し部分によって取り外され、必要に応じて研磨などの仕上げ処理が行われます。余分な素材を除去し、製品の最終的な形状を整えます。

卓上射出成形機の原理

図2. 卓上射出成形機の原理

卓上射出成形機の選び方

卓上射出成形機を選ぶ際は、以下のような要素を考慮することが重要です。

1. 対応素材

射出成形機が対応する素材は重要です。ポリプロピレンやポリエチレンまたはアクリルなど、様々な種類の素材を扱える機種が望ましいです。また、製造製品によっては耐熱素材に対応できるかも確認する必要があります。

2. サイズ

卓上射出成形機はコンパクトなサイズであることが特徴です。ただし、本体の大きさによって加工可能なサイズも異なります。製作する製品のサイズや形状に応じて、適切な射出成形機を選定します。

3. 加工速度

加工速度は生産性に直結します。製品の需要に合わせて迅速に生産するためには、高速で効率的な射出成形機を選択することが重要です。加工速度は機械の仕様書や性能指標から確認できます。

4. 制御システム

制御システムは射出成形プロセスを管理し、操作を行うための重要な要素です。使いやすいインターフェースや高度な制御機能を持つ射出成形機を選ぶことで、効率的な操作と生産が可能になります。

本記事は卓上射出成形機を製造・販売する株式会社システムクリエイト様に監修を頂きました。

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大型浴槽

監修:日本真空化学株式会社

大型浴槽とは

大型浴槽とは、複数名で入浴が可能な大型の浴槽 (バスタブ) 製品のことです。

大型浴槽は、主に各種施設の共同浴場や、リラクゼーションを目的としたスパ施設、介護施設などの介護浴室などで使用されています。素材には、FRPやステンレス、タイル貼りなどがあります。

大型浴槽の使用用途

大型浴槽は、複数名で入浴する浴室で主に採用されています。リラクゼーション用途と、清潔を目的とした福祉厚生用途に大きく二分されて利用されている印象であり、主な用途は下記の通りです。業務用では社内設備として自社ビル最上階に大浴室を設置した事例もあり、また、個人住宅であってもリラックス目的でやや大型の浴槽が採用されている場合もあります。

  • ホテルや旅館などの宿泊施設、保養施設やスパにおける温浴施設で使われるリラクゼーション用途
  • 介護施設や病院、高齢者施設 (デイサービス) 、障害者施設などの介護浴室、共同浴室
  • 社員寮、宿舎、工場、自衛隊施設など各種施設の共同浴室
  • 個人住宅

大型浴槽の原理

大型浴槽に用いられる素材にはFRP、FRAなどの樹脂系素材のほか、ステンレス、陶器などがあります。

1. FRP、FRA

FRPとは繊維強化プラスチック (英: Fiber Reinforced Plastic ) のことです。一般的にエポキシ樹脂などのマトリックス樹脂にガラス繊維などの強化材を混ぜて製造されます。普通のプラスチックに比べ、防水性が高く、軽さと丈夫さに優れているという特徴があります。また、FRPは補修が容易な素材です。劣化やひび割れが生じた場合、新しくガラス繊維と樹脂をその場で継ぎ足して補修する (FRPライニング) ことができます。複雑な形状を成形しやすいため、ステップや背もたれなど、複雑な浴槽形状を製作しやすいことも長所の一つです。

FRAとは表面層がアクリル樹脂で、裏面を強化プラスチックで補強した複合材です。アクリルの優しい肌触りと強度を両立した性質です。

2. ステンレス

ステンレスは、低コストで耐久性に優れた素材です。ステンレス浴槽ならではの長所として、24時間風呂に対応していることがあります。 24時間風呂とは、循環・浄化・保温の機能により、時間帯を問わずいつでも入浴できる浴槽です。

素材特性と加工性から自由な形状の浴槽を製作することができ、タイルや御影石などを貼り付けた高級浴槽も可能です。
また、漏水予防が必要な階上設置浴槽のステンレス防水層にも使用されることがあります。

4. 付帯設備・形状

スパなど、レジャー要素のある施設では、ジェットバス、水中照明などを備えたレジャー性のある浴槽が採用される事が多いです。

また、病院、リハビリセンター向け自立支援浴槽では可動式手摺や仕切板などが装着されます。浴槽またぎを小さくしたり、腰掛ける場所を作る目的でステップを浴槽内に設置する場合も多くあります。

大型浴槽の種類

1. 用途別

大型浴槽には前述の通り、リラクゼーション・レジャー的用途と、清潔を目的とする共同浴槽用途、介護・医療における入浴用途などに大きく分けられます。リラクゼーションを目的とした浴槽にはジェットバスなどの付帯設備が設けられる場合や、またタイル貼りなどによって意匠性を高めてある場合があります。

介護用途が想定される浴槽の場合は、手すりやステップが設置される場合が多いです。浴槽またぎを低くし、浴槽手前にもステップを取り付ける場合もあります。

2. 大きさ・形状

大型浴槽には、2〜3人程度が入浴できる小さめのものから、5人前後が入浴できる中程度のもの、10人以上入浴可能な超大型のものまであります。用途に合わせて、適切な大きさを選択することが可能です。

形状は、四角いものが一般的ですが、リラクゼーション施設などでは丸い形や多角形形状のものもあります。特に、FRP製浴槽では複雑な形状のものも多く提供されています。また、福祉用途の自立支援浴槽の中には仕切板が設置される場合もあります。

本記事は大型浴槽を製造・販売する日本真空化学株式会社様に監修を頂きました。

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ロストワックス

監修:株式会社DIT JAPAN

ロストワックスとは

ロストワックスとは、蜜蝋などのワックスを使用した鋳造技術です。

ワックスを使って鋳型を作成し、高温でワックスを溶かすことで鋳型から取り除くことから名前が付けられました。精密な彫刻や鋳造に使用される古典的な技術です。

ロストワックス鋳造は非常に精密なワックスモデルを使用するため、複雑な形状や微細なディテールを持つ複製品を作成することができます。この技術を使えば、細部まで忠実に再現した製品を製造することが可能です。また、ワックスモデル製作段階ではほぼ制限なく自由に形状を設計することができるため、独創的で複雑なデザインの製品を生み出すことが可能です。

ロストワックスの使用用途

ロストワックスの技術は様々な分野で活用されます。以下はその一例です。

1. 土木・建築

ロストワックスの技術は建物の装飾や彫刻に広く使用されます。建物の外装や内装に使われる彫刻や装飾品など、複雑なデザインを持つ装飾品を作製するのに有利です。ドアノブや手すりなどの建築金物について、精密なデザインを必要とする場合に便利です。

また、プレキャストコンクリート部品に使用される金具や、アンカーの製造に活用されます。これらの金具やアンカーは土木分野において、構造物の補強に使用されることが多いです。

2. 製造業

自動車部品としてはエンジン部品や内装品など、複雑かつ高精度が求められる部品の製造に使用されます。また、同様に航空宇宙産業での航空機構造部品など、高温・高圧に耐える部品の製造にもロストワックス鋳造が採用されることが多いです。加工業用のドリルビットの製造にも採用されます。

3. 芸術

彫刻家によっては、ロストワックス技術を使用して複雑な彫刻作品を制作します。ワックスモデルを使って金属や陶器に鋳造されるため、自分のアイデアをリアルな形で実現することが可能です。

また、宝飾品業界でもロストワックス鋳造が広く用いられます。ロストワックス技術は緻密なデザインや高品質な仕上げが求められる宝飾品の製造に適しています。

ロストワックスの原理

ロストワックス鋳造では、最初に対象物の精密な複製品であるワックスモデルが作成されます。このワックスモデルは彫刻や型押しまたは3Dプリンターなどを使用して製作することが多いです。ワックスモデルを基に耐火材料などを用いて鋳型を作ります。

鋳型が完成するとワックスモデルを加熱して溶解させます。この工程でワックスが鋳型内から流れ出すため、「ロストワックス」という名前が付けられています。

準備が整った鋳型には金属合金を溶かして注入します。その後、金属は鋳型内で冷却され、固化します。この段階で金属がワックスモデルの形状を正確に再現する仕組みです。

金属が完全に冷え固まった後、鋳型を割って取り除きます。これにより、ワックスモデルと同形状の金属を取り出すことが可能です。必要に応じて研磨やメッキなどの仕上げ加工が行われます。

ロストワックスの選び方

ロストワックスによって製品を製造するメーカーは多く存在します。これらのメーカーを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 対応材質

ロストワックス鋳造では、様々な金属合金が使用されます。メーカーを選ぶ際には、どのような材質や合金を取り扱えるかを確認することが重要です。特に、特定の材質や合金で製造しなければならない場合には確実に対応可否を確認する必要があります。

2. 信頼性

ロストワックスメーカーの信頼性は、その製品の品質などに関連します。信頼性の高いメーカーは品質管理や生産プロセスにおいて高い基準を持ち、顧客のニーズを満たすことに焦点を当てています。過去の実績や顧客の評判などを調査することで、メーカーの信頼性を評価することが可能です。

3. 技術力

ロストワックス鋳造は高度な技術を要するため、メーカーの技術力も重要です。技術力の高いメーカーは最新の鋳造技術や設備を導入し、高精度な製品を提供することができます。また、製品の設計や開発段階から顧客をサポートできるかも重要な要素です。

4. コスト・納期

コストと納期も重要な選択基準です。競争力のある価格で品質の高い製品を提供しているメーカーを選ぶことは重要ですが、納期も同様に重要です。製品の納期が遅れると生産計画やプロジェクトスケジュールに影響を与える可能性があります。

本記事はロストワックスを製造・販売する株式会社DIT JAPAN様に監修を頂きました。

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