2021年6月、半導体業界などが直面している変化に対応するためとして、経済産業省は「半導体・デジタル産業戦略」を公表しました。今回の記事では、半導体業界の課題と解決策などについて説明します。
「半導体・デジタル産業戦略」の関連資料に掲載されているデータによると、日本の半導体業界の世界市場でのシェアは、1988年には50.3%でしたが、徐々に低下していき2019年には10.0%になりました。この事実が課題といえますが、一般的にいわれている半導体業界の課題としては、半導体不足、人手不足、日本企業の衰えなどです。いずれも解決困難な課題と言えます。
以下に解決の困難さの理由を3つ紹介します。
供給量を増やす必要がありますが、そのためには工場を増設する必要があります。莫大な費用がかるうえリスクが伴い、土地の確保もしなければならず、短期的には解消できません。
企業は他業界のエンジニアを募集していますが、勤務が地方になることが多いため、採用が思うようにできないのが現状です。
政治や外交の問題が関係してくるため、企業自体の努力だけでは、企業の強化はできません。
アメリカの調査会社のVLSI researchの2020年の半導体製造装置の売上高ランキングでは、上位15社に日本の企業が7社入りました。イギリスの調査会社Omdiaの2019年の統計でも製品別、半導体製造装置別、半導体材料別のシェアで日本の企業が上位になっているものがあります。また、経済産業省が「半導体・デジタル産業戦略」を公表したため、国の支援も期待できます。半導体業界の課題は多いですが、少なからず希望はあります。
半導体業界の課題を短期的に解決することは難しいため、長期的に取り組む必要があります。深刻化している課題解決に向けて、まずは具体的な解決策を考えることが大切です。
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