スリップリングについての概要、用途、原理などをご説明します。また、スリップリングのメーカー30社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。スリップリング関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:遠藤工業株式会社、2位:東京通信機材株式会社、3位:株式会社大崎電業社となっています。
スリップリングとは、回転体の外部から電力や電気信号を伝えることができる回転コネクタのことです。
回転体に配置された金属製リングと固定側のブラシを介して電力や信号を伝達します。回転体の振動や応力、軸力を計測し、微小な信号を伝送して制御用に利用されています。回転体に電源を供給するリード線の役目として利用されることも多いです。
スリップリングの取り付けは主に2種類あり、軸端取り付けタイプと 中空タイプです。軸端取り付けタイプは回転体の末端に取り付けます。中空タイプは回転軸にリングブロックをはめ込みます。また、リングとブラシが一体型のタイプとリングとブラシが分離しているタイプもあります。
スリップリングは低速回転用から20,000rpmの高速用まで展開されています。また、対応できる電力も3,000A以上の大電流のものもあり、実験、開発用から設備用まで広く利用されています。
風力発電機、工作機械、遠心分離機、撹拌機、ロボットアーム、クレーン車、監視カメラ、及びヘリコプター、ターンテーブル、ドラムヒーター、レーダーアンテナなどの回転体のヒーターやモーターの電源供給に使用されます。
また、半導体製造装置やCTスキャンのような医療機器、非破壊検査、音響装置など幅広い用途があります。回転体の温度、ひずみ、トルクの測定にも使われています。
回転体のターンテーブルなどの回転軸にリング状の電極部分(リングユニット)がついています。リングユニットの外周や側面にブラシ状の電極部分が接触し、接触した箇所を接点として、電力と信号を伝送する構造です。
リングユニットが回転してもブラシとは常に接点を持つため、安定した電力の供給と信号の伝送が可能となります。リングユニットにはベアリングがあり、ブラシ側を支持しています。
スリップリングのリングとブラシの接点部分には銅や銀などの貴金属を使用することで液漏れなどの心配もなく、接触抵抗を安定化させることが可能です。リングには青銅、銀、金などが使われ、ブラシ部分にはカーボンや銅、銀合金などが使用されます。
電力や信号の配線が多い場合にはスリップリングも必然的に大型になります。また、ある程度摩耗するため、定期的なメンテンナンスが必要です。
スリップリングは、ブラシが接点の役割をしていることによって回転体上の電気機器から固定側に送受信しています。ブラシが常に回転体と接触しているため、回転体が360°どの位置にあっても配線のねじれやシャフトへの絡まりなく送受信が可能となります。
回転体側と固定側との送受信が必要な信号数に応じて、ブラシ(接点)の個数は変化します。そのため、通信機器が多くなればなるほどブラシの個数が多く必要となり、結果としてスリップリング全体の巨大化につながります。
この場合、シリアル通信や自動車に使われているCAN通信を使用すれば、ブラシ数を減らすことが可能です。
スリップリングのデメリットは、ブラシの摩耗による接点不良が発生する可能性があることです。ブラシは物理的に回転体と接触しているため、経年劣化により接触不良が発生することがあります。
特に屋外で使用する機器では、密閉ケースで保護されていない場合は、砂埃や水の侵入によって早期にブラシが損傷する場合もあります。そのため数年に1度はブラシの掃除や潤滑剤の塗布を行うことで寿命を延ばすのが一般的です。
このとき使用する潤滑剤は、導電性のあるものを選択します。導電性がない場合、ブラシ部分で通電不良が発生し、回転体側と固定側との間が通信不良となる恐れがるため注意が必要です。
ブラシ部の寿命は、一般的には1,000万回転~1億回転程度であり、メーカーによっては5億回転ぐらいまでです。長寿命の機器に使用する場合は、定期的にブラシ部のメンテナンスが必要になります。
参考文献
https://www.totukizai.co.jp/product/slipring/about.html
http://www.hikari-slipring.co.jp/publics/index/43/
http://www.kyoeidenki.jp/slipring/
https://slipring-japan.com/Slipring.html
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スリップリングのカタログ一覧はこちら企業
Huizhou Guanghai Electronic Insulation Materials Co., Ltd*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 遠藤工業株式会社 |
12.5%
|
2 | 東京通信機材株式会社 |
9.2%
|
3 | 株式会社大崎電業社 |
8.5%
|
4 | ニデックアドバンスドモータ株式会社 |
8.2%
|
5 | 日本ムーグ株式会社 |
5.2%
|
6 | 有限会社秋栄製作所 |
4.9%
|
7 | 協栄電機株式会社 |
4.6%
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8 | 三晃電気工業株式会社 |
3.9%
|
9 | ニッタ株式会社 |
3.9%
|
10 | ツバメ無線株式会社 |
3.6%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のスリップリングページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
小型スリップリングカプセルは、日本ムーグ株式会社が提供している10,000種類以上の各種スリップリングの中で一般産業向けの最もコンパクト・小型のシリーズです。
当社最小サイズの新製品SRA-73540は、定格2 Aの回路を最大12個まで使用することができます。最大連続回転速度は250 rev/min、接点は両側に金を使用、サイズは直径11.17 mm,長さ16.25 mmと非常にコンパクトです。
主な用途は、医療機器、ロボット、実験室用機器などです。
三晃電気工業株式会社のスリップリングは、回転体へ電気信号・電力を供給したり取り出しするもので、最大18極までラインアップされています。
電圧はAC 200 V、DC 100 V、許容電流は最大36 Aです。また絶縁抵抗は50 MΩ(500 V)以上、絶縁耐力は2,500 V、許容回転速度は2,000 rev/minです。熱電対を使用する場合は補償導線を組み合わせます。
用途はロールヒータ、包装機械、実験計測機器などです。
日本電産サーボ株式会社のS22は、4極のスリップリングです。
許容電流は0.1 A、接触抵抗は1 Ω max、許容回転速度は400 rev/min max、回転寿命は2×107 rev 、軸受はボールベアリングを使用しています。
回転体からのデータ取得や回転体への電源供給に使われるもので、回転体の温度・ひずみ・トルクの測定、撹拌機、半導体製造装置、医療機器、非破壊検査、音響機器など幅広い用途があります。
ニッタスイベルジョイントMSW-150は、電気接点のスリップリングと空気や水などの流体用の接点を組み合わせたもので、ロボットの自由度を飛躍的に高め、動きを柔軟にする画期的な製品です。
回転部から固定部へ、またその逆方向に電気と流体を連続的に接続できるので、面倒な配線と配管の取り回しの必要がなくなり、高い生産性が得られます。
自動車産業でスポット溶接ロボットへの応用を推奨します。
電気信号は1 A、18接点、電力は400 A、1接点、流体は水・空気4 ポート、有効断面積は11 mm^2です。
ツバメ無線株式会社の光学式ロータリーエンコーダー27形は、4極および6極の超小型スリップリングです。
コネクタは固定側・回転側双方とも直付けされています。また主な用途はアミューズメント機器、測定機器、医療機器などです。
回転トルクは15 mN・mと非常に軽く、接触抵抗は500 mΩ(初期)、最大電流は0.6 A(1回路当たり)、最大電圧はDC12 V、最大回転速度は60 rev/min、寿命は300万回転です。
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