フォトMOSリレーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フォトMOSリレーのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フォトMOSリレー関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:オムロン株式会社、2位:ルネサスエレクトロニクス株式会社、3位:東芝デバイス&ストレージ株式会社となっています。
フォトMOSリレーとは、内部にLEDと受光素子とMOSFEを備えており、これらを組み合わせた素子で従前のリレー部品と同様の動作をするものです。
従前のメカニカルリレーが内蔵するコイルに電流を流し、その磁力によって電気的な接点を動作させてON/OFFの制御をしていました。それに対してフォトMOSリレーは、内蔵するLEDに電流を流して発光させ、その光を使って受光素子を起電させます。その起電電圧でMOSFETを動作させて、従前のリレーと同様の制御ができるようにした電子部品です。
フォトMOSリレーの類似品として、フォトカプラ、フォトトランジスタ、フォトトライアック、SSR (Solid State Relay) などが挙げられます。これらはまとめて無接点リレーや半導体リレーなどと呼称され、使用用途などにより使い分けられています。
フォトMOSリレーは、フォトカプラやフォトトランジスタ等の用途よりも、大きな電流を必要とする回路あるいはフォトトライアックやSSRが交流のON/OFFを得意としているため、その用途として使用される場合が多いです。
フォトMOSリレーは、一次側から二次側への信号伝達に光を使っており、一次側と二次側は電気的には完全に絶縁されているため、マイコン回路などの小信号で商用電源や高い電圧の電源で駆動します。そのため、数A程度の比較的大きな電力の負荷をON/OFFする回路やモータードライバーなどのブリッヂ回路などに使用されています。
入力端子に信号電流を流すとLEDが発光し、受光素子が受光して起電電圧が発生します。この電圧によって、MOSFETのゲート電圧が上昇して2つのMOSFETのソース・ドレイン間がON状態になります。
そして、出力端子間の電圧の向の電圧が高い側のMOSFETのソース・ドレインを通過し、次段のMOSFETの寄生ダイオードを通過するルートで電流を流せるようになります。そのため、結果的に出力端子間の電気的な極性に関係なく、出力端子間に電流を流すことが可能です。
フォトMOSリレーは、LED・フォトダイオードなどの受光素子・MOSFETの3つの要素から構成されています。
MOSFET互い違いの方向で2回路を配置し、それぞれ寄生ダイオードが接続しているような構造をしているのが特徴です。
例えば、モータードライバーを作ろうとした場合、フルブリッヂ回路などにより回路を構成するのが一般的です。しかし、この回路の最大の懸念は、負荷の両端に電源電圧がそのまま印可されている状態になった時に、上下あるFETのうちの上段のFETのソース電圧が電源電圧と等しくなってしまうことです。この状態から上段のFETをON動作させるためには、電源電圧よりも高い電圧を別に用意して、その電圧を使って上段のFETのゲート電圧を制御する必要があります。
しかし、フォトMOSリレーは内蔵するLEDさえ点灯できれば動作するので、それこそCPUから出力される数V程度の信号でも直接駆動することも可能です。また、モーター駆動用の電源と制御用の電源を完全に絶縁することもできます。
MOSFETには、常時OFFになっているタイプと常時ONになっているタイプの2種類があります。前者はメイクコンタクト型のリレー、後者はブレークコンタクト型のリレーとして使うことが可能です。
また、フォトMOSリレーは、2つのMOSFETのソース同士を向かい合わせて接続することで交流電流のスイッチとしても利用できます。光MOSFETの導通特性は、入力電流量に依存しないため、微小な入力電流でも電流のON/OFF制御をできるのが特徴です。
参考文献
https://www.renesas.com/jp/ja/products/optoelectronics/technology/difference.html
https://www.renesas.com/us/en/products/optoelectronics/technology/architecture.html
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フォトMOSリレーのカタログ一覧はこちら企業
Bright Toward Industrial Co., Ltd*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | オムロン株式会社 |
34.4%
|
2 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 |
15.6%
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3 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 |
12.5%
|
4 | パナソニック株式会社 |
10.9%
|
5 | コトテクノロジージャパン |
7.8%
|
6 | Broadcom Inc. |
6.3%
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7 | 株式会社沖田製作所 |
6.3%
|
8 | ステディセミコンダクタ株式会社 |
6.3%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のフォトMOSリレーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
フォトMOSリレーのフォトDMOS/SOPシリーズにおけるAB46Sは、4ピンSOPのパッケージで、DIP/SMDのシリーズよりもさらにコンパクトで軽量化した表面実装品です。
本体が小型なため、高い密度の実装をすることが出来ます。
主な仕様として、1aを接点構成とする無接点の半導体リレーで、負荷電圧は80ボルトです。
低容量であることが特徴で、小型である特徴を生かして、省スペースで高密度の実装を要求される用途などに使用することが出来ます。
フォトMOSリレーTLP3556Aシリーズは、赤外発光ダイオードとフォトMOSFETを光結合させており、4ピンDIPのフォトリレーです。
ノーマリ―オープン機能を搭載していることや、安全規格の認定品であることが特徴です。
駆動時のオン抵抗が最大で200ミリオームと小さく、許容オン電流範囲が大きいので、パワーラインの制御に向いており、主な用途は、メカリレーの置き換えやセキュリティシステム、暖房や換気などの空調、半導体の自動試験装置、FA制御機器やバッテリーマネジメントシステムなどに使用することが出来ます。
フォトMOSリレー HE 1a(5pin)シリーズは、RoHS規格に対応し、UL/C-ULを取得しており、標準P/C板端子とサーフェスマウント端子のタイプがあります。
負荷電圧が1500ボルトで、負荷電流は20ミリアンペアであり、DIP6ピンのパッケージと比べて、出力端子間の距離を広げたことが特徴です。
産業用のバッテリー監視システムなどの用途に適しており、この他の主な用途として、絶縁検知や信号制御、電圧の監視などに使用されています。
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