フォトインタラプタのメーカー15社・49製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
フォトインタラプタは、光学系内の光が遮られることで物体の通過や残量などを検出する光センサーです。
検出したい物体を非接触的に検出できるので摩擦などの物理的コンタクトによるセンサーの消耗が無く、低コストで長期間使用できるのが特徴です。
フォトインタラプタは、発光器と受光器を組み合わせることで構成されており、それぞれの配置の仕方によって異なる光学系を組みます。この光学系の違いによって、どのような物体を検出するのに適しているかが決定します。
フォトインタラプタの最も単純な用途は、物体の通過を検知することです。例えば、ATMや自動販売機などにおいて硬貨や紙幣の通過を検出するのに使用されています。
また、自動改札機では、人の通過をフォトインタラプタで検知しており、ICカードのタッチや切符の投入をトリガーとしてゲートの開閉を行うようになっています。
他にも、プリンターなどのインクカートリッジの検出や、複合機やコピー機での用紙の検出などにも使用されています。
フォトインタラプタは検出光を発する発光器とその光を受光する受光器から構成されています。発光器としては赤外LEDが使用されることが多く、特定の用途に関しては紫外LEDが使用されることもあります。また、受光機としてはフォトダイオードが用いられ、検出した光子を電流に変換しています。
フォトインタラプタが物体を検出する原理は極めて単純です。発光器から発せられた光は受光器でモニターされており、光路に検出物があると光が遮られるので受光器のフォトトランジスタからの電流が減少します。これによって物体の通過や残量などを検知することができます。
フォトインタラプタは、発光器と受光器の配置によって様々な方式があります。それぞれを向かい合わせに配置したものを透過型フォトインタラプタと言い、連結されその間隔が固定されたものを一体型と呼び、連結されておらず、間隔を自由に変えられるものを分離型と呼びます。
一体型は、光軸合わせなどの調整が必要ありませんが、発光器と受光器の間隔が決まっているので検出物の大きさが制限されるという特徴があります。一方、分離型は発光機と受光器を自由に配置できるので物体の大きさにあまり制限はありませんが、厳密な光軸調整が必要です。
フォトインタラプタは、大きく分けて2種類のタイプがあります。1つ目は、発光器と受光器に一定間隔の距離を持たせて正対させ、発光器と受光器間での物体の有無、位置を検出する「透過型」と呼ばれるフォトインタラプタ。もう1つは、発光器と受光器を平面もしくはある一定の角度を持たせて並置し、発光器から放出した光を物体に反射させ、その反射光を受光器によって検出する「反射型」と呼ばれるフォトインタラプタです。
透過型フォトインタラプタを使用する上では、透過率の高い物体、発光・受光面の形状・寸法よりも微小な物体を検出するケースで注意が必要です。これらの物体を検出する際には、LED光を物体で遮光したとしても、全ての光を遮断することが出来ずに幾分かの光を透過します。光を透過してしまうと、受光器が光をキャッチし、物体の検出結果に影響が出てしまうことになります。
反射型フォトインタラプタを使用する際は、下記2点に注意する必要があります。
参考文献
https://jp.sharp/products/device/about/electronics/photointr/index.html
https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/04_handbook.pdf
http://www.kodenshi.co.jp/top/seminar/vol_04/
https://www.omron.co.jp/ecb/sensor/pms-basics/precautions?sectionId=precautions
https://www.omron.co.jp/ecb/sensor/pms-basics/basics?sectionId=basic#basics02
各種フォトインタラプタの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | RPI-0125 | RPI-0226 | RPI-121 | RPI-122 | GP1S396HCP0F | GP1S296HCPSF | GP1S092HCPIF | TCST1230 | EE-SX1320 | EE-SX1330 | KW1S50FC | UI2000 | LP1951 | |
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溝幅 [mm] | 1.2 | 2 | 0.8 | 0.8 | 1.2 | 1 | 2 | 5 | 2.8 | 2 | 3 | 4.2 | 4 | 3.1 |
スリット幅 [mm] | 0.3 | 0.3 | 0.4 | 0.25 | 0.12 | 0.2 | 0.3 | 0.5 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | 0.5 | 0.5 | 0.8 |
会社名 | ローム株式会社 | ローム株式会社 | ローム株式会社 | ローム株式会社 | シャープ株式会社 | シャープ株式会社 | シャープ株式会社 | Vishay Intertechnology, Inc. | オムロン株式会社 | オムロン株式会社 | Cosmo Electronics Corporation | 株式会社ユニテク | Lenoo Electronics |
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
UI2032、UI2033は赤外発光ダイオードと、受光フォトICを採用した透過型フォトセンサです。
ギャップ幅は3mmが採用されているので、組み込みの汎用性が高く、様々な機器に実装することができます。
プルアップ抵抗を内蔵しているので、電圧出力が可能で論理回路として組み込むことができます。
OA機器などの物体検知をはじめ、様々な機器の位置決めやタイミング検知などのアプリケーションに適しています。
OS-4は検出距離200mmの、使いやすい分離型フォトインタラプタです。
発光器側、受光器側ともに6mm径の小型レンズを採用しており、簡単な取り付けで取り回しも良い製品です。
環境光レベルの外乱光で3.7mm、100のLxの強い外乱光環境下でも6mmまでの対象物を検知でき、不透明体であればすべて効率よく検出することができる感度を持っています。
また、専用の増幅器を用いればさらなる高感度化も実現することができます。
RPI-0125はデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどに最適な、フォトインタラプタです。
ギャップ幅1.2mmの超小型実装タイプで、高さもわずか2.8mmの超低背面設計で、組み込み後もかさばらず装置の小型化に貢献できます。
非干渉性発光ダイオードを採用しており、最大ピーク波長950nmで対象物の検出を行います。
-25~+85度の幅広い温度で使用可能で、温度依存的な性能変化は10%以下に抑えられています。
GP1S396HCP0Fは薄型整形技術により、業界最小の小型・薄型パッケージを実現した透過型のフォトインタラプタです。
発光器と検出器の間にある物体を赤外線により検出できます。
スリット幅を0.12mmと狭くしているため、検出精度の向上を実現しています。
2.26x1.4x1.6mmのコンパクト設計でプリンター、カメラのレンズ制御、様々な機械の位置決めなどのアプリケーションに最適です。
G310・ST310は発光器と受光器が一対になった透過型のフォトインタラプタです。
受光器に可視光をカットする樹脂を採用しているので外乱光に対して強く耐ノイズ性の向上を実現しています。
コネクタ接続タイプなので実装が簡単に行うことができ、コンパクトな設計なので装置の小型化にも貢献できます。
-25~75度の幅広い温度で動作し、防塵効果の高い構造を採用しているので、用紙などの検出にも適用することができます。
EE-SX3173/4173-Pは機器内蔵用のフォトインタラプタです。
ツェナーダイオードを搭載をしているので、電圧の供給が極めて安定で、これにより高い耐ノイズ性能を実現しています。
従来の5Vに加え24Vと、二種類の電源タイプをラインナップしており、大型機器への組み込みにも対応可能です。
強ロック付きコネクタに対応しているので組み込み後の振動や衝撃に対して、高い堅牢性を持たせることが可能です。
TCUT1600X01は赤外線発光器と2つのフォトトランジスタ検出器を搭載した、最大辺長わずか5.7mmのコンパクトな透過型フォトインタラプタです。
2つのフォトトランジスタ検出器は、表面実装型で向かい合わせに配置されており、背の高いドーム構造により、垂直方向のシグナルエンコーディングを行うための機械的余裕を担保しています。
ギャップ幅は汎用性の高い3mmを採用しており、さまざまな機器に組み込むことができます。
KW1S50FCは0.5mm幅の水平スリット構造を採用したフォトインタラプタです。
発光器と検出のギャップ幅は4.2mmを採用し、はんだ付けすることで、プリント基板に直接組み込めるように設計されています。
保存温度-40~+100度に加え、動作温度も-25~+85度なので、室温から過酷な環境下の幅広い温度での使用に対応しています。
さまざまなOA機器やプリンターにおける物体検知に適した製品です。
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