高周波リレーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、高周波リレーのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。高周波リレー関連企業の2023年10月注目ランキングは1位:オムロン株式会社、2位:株式会社沖田製作所、3位:パナソニック株式会社となっています。
高周波リレーとは、高周波信号を切り替える素子のうちの1つです。
高周波リレーは一般にコネクタをもたないため、はんだ付けを行って使用され、高周波特性は基盤の影響を大きく受けます。また、リレーを高周波回路で使用する場合、アイソレーション (接点が開いている場合の接点間 (回路間) の信号の漏れ) と、インサーション・ロス (接点が閉じている場合の信号の損失) という問題があります。
高周波リレーは、高周波回路と呼ばれる回路を有する機器に使用されています。高周波の信号を制御するためには、普通のリレーではなく、高周波に特化したリレーが必要です。
例えば、携帯電話基地局、放送機器、計測機器、無線機などが挙げられます。また、家庭内にも広く普及している無線LANやBluetoothも用途の1つです。いずれも、各種機器の内部における信号をスムーズに切り替えるという役目を担っています。
高周波リレーは、一般的なリレーと同様の構造をしています。
リレーでは、鉄芯に巻かれたコイルに微小な電気が流れることで、電磁石の働きで鉄片が引き寄せられ接点同氏が接触し、回路がつながることで電源から直接、電装品へ大きな電気を流すことができます。端子間の電気が遮断されると、コイルに発生していた磁場が消滅し電装品の動作が停止する仕組みです。
高周波回路でリレーを使用する場合は、アイソレーションとインサーション・ロスが問題になります。
アイソレーションは、リレーオフ時の出力端子間の抵抗に相当します。高周波ではリレーがオフ状態であっても、信号の漏れが発生します。アイソレーションは、この信号の漏れの度合いを示すパラメータです。
周波数が高くなると漏れが大きくなり、アイソレーションの値自体は小さくなる傾向があります。回路間での混信の原因になります。
インサーション・ロスは挿入損失とも呼ばれ、接点が閉じている時に発生する接点間での信号損失を指します。周波数が高くなると接点間 (回路) での信号の損失が大きくなることで、正確に信号の伝達が不可能になり、発熱の原因につながります。
つまり、信号の周波数が高くなった際にも、接点が開いている際には接点間での信号の漏れが少なく、接点が閉じている時に信号の損失が少ないことが重要です。
信号経路の途中でインピーダンスが変化する箇所があると、信号の一部が受信側まで到達せずに送信側に戻る反射と呼ばれる現象が発生します。
信号反射の程度をリターン・ロスと呼び、入力電力と反射電力の比を用いて表します。反射の程度を示す他の指標としてVSWR (Voltage Standing Wave Ratio) があります。VSWRの値は、1に近いほど反射が少なく、良い特性であるという意味です。
高周波回路に使用されるリレーには、一般的なリレー特性以外に高周波特性が必要とされるため、上記のようにアイソレーションが大きく、インサーション・ロスが小さいことが必要です。また、信号の反射の程度を示すリターン・ロスは大きく、VSWRは小さく、抵抗の値を示す特性インピーダンスが適切であることが求められます。
高周波回路とは、高周波時の動作が低周波時の動作と異なる電子回路を指します。無線LAN等、周波数が数GHzに及ぶ電子信号を扱う回路は高周波回路です。
電子信号が高周波になると、電子回路の場所ごとに信号の電流や電圧レベルが異なることを考慮する必要があります。この振る舞いを扱う回路は、分布定数回路と呼ばれます。
参考文献
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2004/12/p130-131.pdf
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2004/08/p114-115.pdf
https://www3.panasonic.biz/ac/j/control/relay/device-hi/index.jsp
https://www.mskw.co.jp/support/car/relay
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年10月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | オムロン株式会社 |
36.8%
|
2 | 株式会社沖田製作所 |
21.1%
|
3 | パナソニック株式会社 |
15.8%
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4 | Teledyne Technologies Incorporated |
15.8%
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5 | エム・アールエフ株式会社 |
5.3%
|
6 | タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 |
5.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年10月の高周波リレーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
株式会社コムクラフトのRF424シリーズは、接点間容量を低く抑えた磁気ラッチングリレーです。
磁気ラッチ機能は、コイルの電力が除去されてもリレーがリセットされないため、不揮発性のメモリ機能を有するなど、独自の設計技術と製造技術により高耐久性と高信頼性を持っています。
薄型で小型サイズのため、小型で消費電力を低く抑えたプリント基板の設計に適しています。
動作温度環境は-65℃~125℃と幅広い耐環境性能も持っています。
パナソニック株式会社の50Ωで1GHzまでの高周波特性を持つ小型のRAリレーで、通信機器や計測機器の制御用の基盤実装部品としての使用に適しています。
サイズは9.7mm×14.7mm×5.9mmと小サイズで、定格消費電力は70mWから300mWのラインナップとなっています。
内部結線はシングルスティブル、1巻線ラッチング、2巻線ラッチングのタイプがあり、用途に合わせて選択することができます。
保護構造はプラシールで、RoHS指令にも対応しています。
タイコエレクトロニクスジャパン合同会社のMW6HP-18P=HIGHPERFORMANCEMは、軍用や航空宇宙用に使用することができる高性能な高周波リレーです。
入力電圧は18VDC、定格電流は1Aで、コイル抵抗は880Ωとなっており、RoHS指令、REACH規制などにも対応した環境配慮型の製品です。
使用温度範囲は-65℃~125℃と幅広く、100G's,6msの衝撃への耐性もあり、耐環境性にも優れています。
オムロン株式会社のG6Yは、マイクロストリップラインを応用した開閉構造を持つ高周波リレーです。
900MHz65dB以上のアイソレーション特性と900MHz0.2dBの実力値を持つインサーションロス特性を備えています。
使用環境温度は-40℃~70℃に対応しており、定格電圧は4.5V~24V、定格電流は8.3mA~44.4mA、コイル抵抗は101Ωから2880Ωとなっています。
外形寸法は20.7mm×11.7mm×9.2mmと小さく、システムの小型化に適した設計となっています。
Pasternackの同軸RF電磁メカニカルリレーA-Bスイッチは、高周波の無線信号を、一連の伝送線路を通して送る、パッシブマイクロ波デバイス(高周波リレー)です。
一般的に、マイクロ波テストシステムにおいて使用され、同じ設定を使用して複数のテストを行えることが特徴です。
広帯域電磁メカニカルRFrelayA-Bスイッチの周波数はDC~1GHzの範囲で、非常に圧定在波比が低いのも強みです。
定格電力は5Wで、モデルにより追加的機能をそれぞれ有しています。
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