デジタルタイマのメーカー31社・133製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
デジタルタイマーとは、任意に設定した時間が経過したタイミングで電気回路の接点のオンオフを切り替えることを目的として回路へ組み込まれるリレー機器のひとつです。
タイマーにはアナログタイマとデジタルタイマーがありますが、ダイヤル目盛りなどで手動設定するアナログタイマに比べて、数値設定するデジタルタイマーの方がより細かい設定が可能です。そのため、制御精度は高くなりますが、設定方法がアナログタイマに対してやや複雑です。
ある一定時間だけ稼働させたい機器がある場合、設定時間後に信号がオフに切り替わるように回路へ組み込むことで、好きなタイミングでその装置の動きを止めることができます。
例えば、加熱装置や攪拌装置などにデジタルタイマーを接続することで、一定時間だけサンプルを加熱したり攪拌したりといった動作を実現できます。
また、一定時間後に装置を稼働させたい場合はその逆になるように回路設定すればよく、精密計測機器のようにサンプルのドリフトを十分抑えてから動かしたい装置などに使用されます。
アナログタイマとデジタルタイマーとでは、時間の計数手法が異なり、デジタルタイマーはクロックと呼ばれる非常に精度の高いパルス波の個数をカウントすることで時間を積算制御しています。そのため、タイマー時間が長くなった際の誤差の蓄積が小さく、精度の高いタイマー制御ができます。
タイマーは設定時間になった際に接点が切り替わりますが、その後元の接点に復帰する制御ができます。その復帰制御方法にはオンディレイ制御とオフディレイ制御と呼ばれる2通りの手法が存在します。
オンディレイ制御とは、設定時間が経過した際に接点がオンになったあと、さらに少し時間をおいてから動作が始まります。例えば、押しボタン式の信号機などはこのオンディレイ制御を用いてタイマー時間からさらに経過時間を稼いでいます。
一方、オフディレイ制御は接点が切り替わった直後から動作が始まりますが、その後設定時間が経過しても復帰にさらに時間がかかります。これは人感センサーにより自動点灯する照明などに利用されます。
フリッカ動作とは、ONとOFFを一定周期で繰り返す動作を指します。デジタルタイマをフリッカ動作で利用すると、一定時間ごとにON・OFFを切り替える必要があるケースに活用できます。
フリッカ動作の実用例としては、信号機や点滅信号、ブザーの断続音などがあります。定期的に合図を送り通知する用途に用いることが多く、多くの場面で利用されているデジタルタイマの動作方法です。
出力がOFFからスタートし、OFF、ON、OFFと繰り返す動作を「フリッカオフスタート」と呼び、出力がONからスタートして、ON、OFF、ONと繰り返す動作を「フリッカオンスタート」と呼びます。
フリッカ機能のあるデジタルタイマは、基本的にはOFFまでの時間とONになる時間は同一の設定時間となります。もし、両者を異なる時間に設定する場合は、ツインタイマ動作を行える機器を選定する必要があります。
デジタルタイマには用途に応じて様々な製品が販売されています。製造現場等で用いるデジタルタイマは、高精度であり多機能です。フリッカ動作やワンショット出力の可否、オンディレイ・オフディレイ制御の可否や、インターバル機能の有無などに応じて様々なグレードの製品があります。一般的に、高度な機能であればあるほど、価格も高価となります。
また、実装スペースが限られた場所に設置する場合には、小型化されたデジタルタイマが選択肢となります。スペースに合わせやすいようにタイマの形状を縦長にした製品なども販売されています。その他、視認性が重要となる場所に設置する場合は、画面表示が高精細でわかりやすいように設計されている製品もあります。
スポーツの分野で利用されるデジタルタイマは、観客からも見えるような大型の製品や視認性の高い製品が販売されています。陸上競技のように精密な時間測定が必要なスポーツ向けに、スタートとゴールにセンサーを設けて自動でタイムを計測する製品なども販売されています。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/167.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/19/89/index.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq03015.html
https://www3.panasonic.biz/ac/j/service/tech_support/fasys/glossary/component/timer/005/index.jsp
https://chief-engineer.info/timer-counter/#toc9
https://www.seiko-sts.co.jp/products/detail/sts_1362.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq02984.html
各種デジタルタイマの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | TICO 731 Type 1 | TICO 731 Type3 | TICO 731 Type5 | TICO 734 006 タイムカウンタ | H5CZ | H5CX-□-N | LC4H-S電子カウンタ(プリスケール機能付) | LC4H-L電子カウンタ(DIN□48) | AC-NS | KC-LCDC-48-2R-230VAC | KC-LCD-48-1R-230VAC |
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表示桁数 | 8 | 8 | 6 | 6 | 4 | 4 | 6 | 4 | 6 | 6 | 6 |
計数速度[Hz] | 7500 | 20 | 7500 | 10000 | 1000 | 1000 | 5000 | 5000 | 20 | 55000 | 5000 |
会社名 | フォーティブICGジャパン株式会社 | フォーティブICGジャパン株式会社 | フォーティブICGジャパン株式会社 | フォーティブICGジャパン株式会社 | オムロン株式会社 | オムロン株式会社 | パナソニック株式会社 | パナソニック株式会社 | 北陽電機株式会社 | Pepperl+Fuchs | Pepperl+Fuchs |
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