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移相器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、移相器のメーカー3社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
目次
移相器とは、電気信号の位相を一定量変化させるための装置です。
位相とは電気信号波形の時間的な位置やタイミングを示す概念であり、オシロスコープで観測される波の始まりや位置を指します。移相器は入力された高周波信号や音声信号などの波形に対して、その始点や山の位置を前後にずらす技術を担います。例えば、無線通信分野では送信機から放射される電波の位相を制御し、受信側との干渉を低減する役割を果たします。
移相器の基本的な原理は、抵抗やコンデンサ、コイルなどの回路素子を組み合わせ、入力信号が通過する経路で生じる遅延を調整することにあります。一般的には信号通信回路で実装され、回転子のような機械的要素が介在する例も存在します。また、数度単位で微妙に位相をずらすものから、180度以上大きく回転させるものまで多様な種類があり、用途に応じて選択することが必要です。
移相器は以下のような用途で使用されます。
無線通信分野での活用は特に重要です。アンテナの指向性を制御するフェーズドアレイ技術では、各アンテナ素子に対して位相を個別に変化させることで特定の方向へ電波を集束させたり、逆に広く散らしたりします。移相器の正確な制御によって、干渉の軽減や通信速度の向上が実現可能です。また高周波領域では小さな位相の違いが通信品質に大きく影響するため、移相器の精度や安定性が重要になります。
音響分野でも移相器は欠かせない存在です。ライブ会場やスタジオ環境では、複数のマイクやスピーカーを同時に使用する際に位相がずれると、特定の周波数帯で音が大きくなったり逆に消えたりするフェージング現象が生じます。移相器を用いて位相を適切に合わせることで、音の重なり具合を意図したとおりに制御し、明確なステレオイメージや臨場感を演出できます。また、楽器の音色を変化させるエフェクターとしても利用され、ユニークな音楽を創り出す一助となります。
レーダーや計測機器などの高度なシステムでも、移相器は欠かせない技術です。レーダーでは、複数の送受信ユニットの位相をコントロールすることで、目標物体の探知精度や距離測定の信頼性を高められます。計測分野では、波形の重なりを制御して信号の特性を正確に解析し、微細な変化を捉えることが可能になります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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