クレーンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、クレーンのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
クレーンとは、動力 (人力は含まない) を利用して荷物をつり上げ、つり上げた荷物を水平に運搬する機械装置です。
定置されているものや限られた範囲を移動する形式のものを指します。クレーンの定義は、「人力以外の何らかの動力によって荷物をつり上げること「つり荷を水平に運搬すること (人力であってもよい) 」の2つです。なお、荷を降ろす時の要件は特にありません。
また、クレーン車のように原動機を内蔵し不特定の場所へ移動できるものを移動式クレーンと言いますが、労働安全衛生法に基づく「クレーン等安全規則」においては、クレーンと移動式クレーンは別の機械装置として位置づけられています。
クレーンは主に、建設現場や港湾、ビルの屋上、製造工場、運輸業など、多くの作業現場や業界で使用されています。また、場所や使い方に合わせて、効率良く作業ができるように、さまざまなタイプのクレーンが作られています。
人力ではできない、建築資材や部品などの運搬作業、荷物の積み込み・荷降ろし作業などに幅広く使われている機械装置です。
クレーンの長所は、人力では動かすことのできない重量物のつり上げや、運搬を容易にお行えることです。重量物を安全かつ短時間でつり上げて移動ができるため、高層ビルの建設や他の機械が走行して運搬できない場所でも、作業を効率的に進められます。
クレーンの短所は、自走して移動ができるものだけでなく、大型で組み立て・設置の必要なものもあることです。その場合、設置するまでの時間やコストもかかり、広大なスペースも必要となります。
クレーンは、その利用用途に応じてさまざま種類があります。代表的な種類は以下のとおりです。
トラッククレーンは、トラックにクレーンを搭載したクレーンです。道路を自走することができるので、移動が容易です。
3t未満の荷物をつり上げるために使用されます。クレーンを取り付けたレッカー車などがあります。
ラフテレーンクレーンは、大型タイヤを装着しているため、軽度の軟弱地盤や不整地でも走行できます。四輪駆動、四輪ステアリングになっているので、狭い路地での作業にも適しています。
オールテレーンクレーンは、高速道路の走行ができるトラッククレーンと軽度の軟弱地盤や不整地を走行できるラフテレーンクレーンの良さを合わせたクレーンです。1,000tつりを超えるものもあり、狭い場所でも大きな力を発揮できます。
クローラークレーンは、走行装置がクローラー式になっているため、軟弱地盤や不整地でも、走行することができます。タイヤ式のクレーンが、走行して侵入できない場所でも作業ができます。ただし、走行速度が遅い点がデメリットです。
ガントリークレーンは、港湾の岸壁に設置されている巨大なクレーン装置です。コンテナを貨物船から降ろしたり、積み込んだりする作業で使われます。海上輸送には欠かせないクレーンです。
アンローダークレーンは、港湾で船から石炭、鉱石、穀物などを陸に上げるための専用クレーンです。クレーン式の他に、コンベアを利用して陸揚げするタイプもあります。
天井クレーンは、工場の天井付近に取り付けられたランウェイと呼ばれるレールを走行するクレーンです。人力では運ぶことのできない大きな部品などの運搬に使われています。
ジブクレーンは、アームの先端から出されたワイヤとフックを用いて、荷物をつり上げるクレーンです。長いアームが特徴で、アーム部分を 「ジブ」 と呼びます。ビルの屋上に設置された大型のクレーンもジブクレーンです。
スタッカークレーンは、倉庫や工場などで、荷物や部品の保管、出し入れに使われているクレーンです。床や棚にレールが設置されており、その上を荷物や部品などを移動させる仕組みになっています。
ケーブルクレーンは、ダム工事などで資材の運搬やコンクリート打設を行う際に使われるクレーンです。ケーブルカーのような構造をしており、長距離の運搬に適しています。ダム工事の他に、河川の改修工事や橋梁の架設にも使われています。
クレーン運転特別教育を修了すると、つり上げ荷重5t未満のクレーンと5トン以上の跨線テルハの運転ができるようになります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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2023年5月29日