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アグマチンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アグマチンのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
アグマチン (英: Agmatine) とは、分子式C5H14N4で表される有機化合物であり、アルギニンの脱炭酸化生成物です。
CAS登録番号は306-60-5であり、IUPAC命名法による名称はN-(4-アミノブチル)グアニジンです。その他の別名には、(4-アミノブチル)グアニジン、1-(4-アミノブチル)グアニジン、2-(4-アミノブチル)グアニジンなどがあります。
生体内においては、ポリアミン生合成の中間体であり、神経伝達物質であると推測されています。脳で生産され、シナプス小胞に蓄えられる物質です。
アグマチンは、天然では魚や酒に比較的多く含まれる物質です。特に、清酒の醸造に用いられているニホンコウジカビ (黄麹) はアルギニンを基質としてアグマチンを産生するとされています。なお、アグマチンの生体内の作用としては、主に下記のようなものがあります。
上記の作用からアグマチンは、うつ病、神経痛、神経変性疾患、記憶・学習障害、薬物依存、および肥満・糖尿病など、さまざまな病態の治療・改善に有効であることが、多数の前臨床研究で示されている物質です。
上記疾病の諸症状を改善・緩和するうえで有望な治療薬、あるいは機能性食品素材として注目されており、欧米を中心に、アグマチン硫酸塩を主成分とするサプリメントが多数販売されています。
図1. アグマチンの基本情報
アグマチンは、分子量130.195、融点102℃、沸点281℃であり、常温では固体です。密度は1.02g/mLであり、水に溶けやすい性質を示します。塩基解離定数pKbは0.52です。
アグマチンは、主に硫酸アグマチンなどの塩の形で販売されている物質です。こうしたアグマチン塩は、主には研究開発用試薬製品や、工業用有機化合物として販売されています。また、創薬研究のリード探索におけるスクリーニングライブラリー化合物などとして提供される場合もあります。
図2. アグマチンの塩類
研究開発用試薬製品としては、アグマチン硫酸塩やアグマチン二塩酸塩などが販売されています。100mg、250mg、1g、5g、10g、25g、50g、100gなどの種類があり、実験室で取り扱いやすい小容量での提供が中心です。比較的高価な試薬製品と言えます。
また、硫酸アグマチンは生理・薬理活性化合物として、スクリーニングライブラリーで提供されている場合があります。これは、アグマチンが神経伝達物質系、イオンチャネル、一酸化窒素合成など、複数の分子標的に対して調節作用を発揮する物質であるためです。
アグマチン硫酸塩は、工業用薬品としても販売されています。工業用では通常1kgや25kgなど、比較的大きな容量で提供される物質です。ファインケミカル、医薬品中間体としての用途が想定されています。
図3. アグマチンの硫酸塩
アグマチン硫酸塩は、分子量228.27、融点は234-238 ℃であり、常温での外観は白色粉末です。通常の保管環境においては安定であるとされますが、強酸化剤との混触は避けるべきとされます。CAS登録番号は2482-00-0です。
参考文献
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907037440940502
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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