被膜剤のメーカー7社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
被膜剤とは、皮膚に被膜を形成する薬剤です。皮膚や皮膚の傷口を保護するために用いられています。
被膜剤を皮膚に塗布すると、撥水性を持つ被膜が皮膚上に形成されます。この被膜は撥水性を長時間発揮し、水や刺激性を有する物質を通さないため、皮膚を刺激から守ることができるのです。
撥水性のあるこの被膜は、水洗いをしても通常は剥がれません。被膜は取り除かなくても問題ありませんが、市販されている皮膚用の剥離剤で剥がすことも可能です。
被膜剤は、皮膚上に撥水性の被膜を形成する製品です。そのため、健常な皮膚や傷のある皮膚を保護する目的で使用されるのが一般的です。
主な使用例としては、便や消化液、尿などの水分や刺激性のものから皮膚を保護するケースなどが挙げられるでしょう。この用途で使用する場合は、傷口の周囲や失禁部位、人工肛門の周囲などに塗布されます。
摩擦やずれに対する保護を目的として、赤みまたは肌荒れが見られる皮膚に使用することもあります。医療用粘着テープなど、皮膚に貼った粘着製品の剥離時における痛み防止などが代表的な事例です。
被膜剤には被膜を形成する成分と、それを溶かすための溶剤が含まれています。
被膜を形成する成分としては、アクリル系の共重合体やポリフェニルメチルシロキサン、2-オクチルシアノアクリレートなどが挙げられます。皮膚に塗布した被膜剤が乾燥すると、これらの成分の働きにより、皮膚の形状に合った被膜が形成されるのです。
この被膜は保護機能を発揮するために必要な撥水性に加えて、無色透明、伸縮性があるなど、皮膚に塗布するのに適した特性を兼ね備えています。水分を通さない一方、酸素および水蒸気は通すので、皮膚自体への悪影響はありません。
被膜成分を溶かすための溶剤としては、ヘキサメチルジシロキサン、イソオクタンなどが代表的です。これらの溶剤は速乾性を有するため、皮膚に塗ってから乾くまでの時間が短いという特徴があります。
一般的な溶剤であるアルコールは皮膚や傷口にしみやすく、傷んだ皮膚への痛みが生じてしまうため、被膜剤の溶剤には適していません。例に挙げたような非アルコール系の溶剤は皮膚にしみにくく、これらを採用することで、塗布の際の皮膚への刺激を抑えることができます。
参考文献
https://multimedia.3m.com/mws/media/1490159O/attached-documents-cavilon-no-sting-barrier-film.pdf
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/370077/370077_13B1X10109000264_A_01_03.pdf
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