研磨フィルムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、研磨フィルムのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。研磨フィルム関連企業の2024年2月注目ランキングは1位:株式会社精工技研、2位:バンドー化学株式会社、3位:株式会社ノリタケカンパニーリミテドとなっています。
1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事>1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務>1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務>現在、ライターとして活動
研磨フィルムとは、細密な研磨作業で用いられる研磨用品の一種です。
フィルム研磨材とも呼ばれています。研磨フィルムは、高い研磨性を有しており、上質な仕上がりを実現できることが特徴です。このため、研磨布や研磨紙と比べて、よりきめ細かく研磨できます。
研磨フィルムは、フィルム素材が持つ耐水性や強度を生かして、機械で行う自動研磨や、精密研磨作業、仕上げ作業などに用いられています。なお、適した素材としては、ガラスやプラスチック、樹脂などの高い仕上がりが求められる素材が挙げられます。具体例としては、これらの素材よりなる医療用機器などの研磨です。
研磨フィルムの構造は、ポリエステルやポリエチレンなどの強度が強い樹脂よりなるフィルムの上に研磨剤の微粒子が塗布されています。下地が樹脂フィルムであるため、水や油などにも耐性があり、湿式による研磨も可能です。
また、強度が高い樹脂のフィルムを使用していることから、引っ張りや裂け等に対して耐性が強く、機械を用いた自動研磨にも使用できます。
研磨フィルムの製造方法としては、樹脂フィルムの上にローラーを用いて研磨剤を塗布する方法と静電気を用いて研磨剤を付着させる方法があります。
樹脂フィルムの上にローラーを用いて研磨剤を塗布する方法
最初の工程で、ポリエステルやポリエチレンなどの強度が強い樹脂を厚みが平らで滑らかになるように伸ばしてフィルム状にします。次は、ローラーを用いて研磨剤の微細な粒子を均一になるようにフィルム上に塗布して練りこむ工程です。その結果、フィルムの表面が研磨剤の粒子でコーティングされた研磨フィルムとなります。
静電気を用いて研磨剤を付着させる方法
まず、ポリエステルやポリエチレンなどの強度が強い樹脂フィルムの表面に接着剤を塗ります。次の工程は、接着剤上に静電気を用いて研磨剤の粒子を固着させます。最後の工程は、研磨剤の粒子が脱落するのを防ぐために、再度接着剤をコーティングする工程です。結果、フィルム上に研磨剤が接着剤により挟まれ固定された研磨フィルムが完成します。
2つの製造方法による研磨フィルムを比較すると、静電気を用いて研磨剤を塗布する方法の研磨フィルムの方が研磨力は高くなります。これは、静電気により研磨剤を塗布すると、研磨剤の粒子が静電気により同じ方向に揃うためです。
同じ方向に揃うことにより、研磨剤の研磨に寄与する部分をより多く研磨面に露出させることが可能です。静電気を用いて研磨剤を塗布する方法で製造された研磨フィルムでは、研磨作業時間を短縮できます。
研磨フィルムの仕様には#2000などと記載されており、「#xx」は研磨フィルム中の研磨剤粒子の粒度を示します。粒度とは砥粒の大きさを表す指標で、数字が大きいほど砥粒が小さく、より精密な研磨が可能です。通常、研磨フィルムを使う場合は、工程に応じて使用する粒度を変えます。例えば、粗仕上げをしたい場合は#2000程度を使用し、そこからより鏡面に近づけていく場合は#15000などを使用するのが一般的です。
研磨剤においては、粒度が小さいもの、特に#400までの場合はJISにて等級分類がなされており、研磨剤粒子の分類にはふるいを用い、砥粒の大きさによって25段階に分類されています。一方で、#400以上のものに関してはJIS規格で規定されていません。このため、表示は各メーカーの基準による表示です。また、#400を超える領域では粒度ではなく粒径を用いて表示されていることが多くあります。
#400以上の粒度においては、粒度と粒径対比が仕様として明確にされていない場合があるので、使用の際には注意が必要です。なお、換算目安は15000/粒度=粒径とされており、粒度もしくは粒径から、おおよその目安を知ることはできます。
ただし、メーカー毎に表記が異なる場合がありますので、あくまで参考値としてとらえ、詳細は発売元に問い合わせましょう。また、最近はダイヤモンドペーストに劣らないくらいの#15000のものも販売されており、研磨フィルムの使用用途が拡大しています。
初めて研磨フィルムを使う場合は、研磨フィルムの裏表、研磨面がどちらかわからない場合があるので、注意しましょう。研磨フィルムには光沢のある面と、非光沢面があり、研磨面は非光沢面です。
これは、研磨剤が塗布されている面の方がもう一方のフィルム単体の面よりも面が粗く、非光沢面となるためです。特に粒度の大きい#15000などになると、研磨剤の粒子が細かく塗布された面も光沢をもつため、より注意して使用しましょう。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223000312485/
https://kksanshin.co.jp/technology/compare-grinding/
https://product.mipox.co.jp/products/film
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvsj1958/40/7/40_7_587/_pdf/-char/ja
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年2月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社精工技研 |
16.0%
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2 | バンドー化学株式会社 |
14.0%
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3 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド |
14.0%
|
4 | 株式会社コバックス |
10.0%
|
5 | スリーエムジャパン株式会社 |
10.0%
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6 | 株式会社ハヤシ |
6.0%
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7 | 株式会社サンシン |
6.0%
|
8 | 三共理化学株式会社 |
6.0%
|
9 | Mipox株式会社 |
6.0%
|
10 | 株式会社トッパンインフォメディア |
4.0%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年2月の研磨フィルムページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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