スタッド溶接機のメーカー11社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
スタッド溶接機とは、平らな金属板などの母材にスタッドと呼ばれているナットやボルトなどの専用部品を溶接するための溶接機のことです。
その他のねじを金属板に付加する方法と比べて、スタッド溶接による接合にかかる時間は非常に短いので、強度が非常に高い上に、生産性が高く量産できることから、多くの分野で利用されており、不可欠な溶接技術の一つです。
また、溶接技術に熟練した職人の経験などを必要とせず、スタッド溶接機の設定をするだけで操作は容易に行えるので、作業者が変わることによる品質にばらつきが出ないことも特徴です。
ここで、スタッド溶接機の使用用途について説明します。
スタッド溶接機は、金属板をスタッド溶接で接合する目的で使用され、板金加工業、自動車産業、建築や土木などの建設関係などの様々な分野で広く利用されています。
具体的には、板金加工では、精密機器の板金や、自販機や制御盤の製造などに使用されており、自動車産業では、およそ3万個程あると言われている自動車部品の接合はすべてスタッド溶接によって行われています。建築や土木業界では、ビルやマンションの基礎部分など強度が必要とされる部分に使用されています。
続いて、スタッド溶接機の原理について説明します。
スタッド溶接の原理は、スタッド溶接機の電極部分にスタッド部品を挟んで電流を流すことで、金属板と部品の間に火花が生じ、この熱で母材と部品の接点を溶かしたところに押し付けることで溶接させています。
スタッド溶接には、主に以下に示す3つの方式があります。
参考文献
https://www.yashima-corp.jp/yousetsuki/stud-welder/
https://www.daihen.co.jp/products/welder/stud/
http://www.asiagiken.co.jp/products/product01.html
https://mitsu-ri.net/articles/stud-welding
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
ワンダーウエルダーYS-50はピン、ワッシャー、ボルト・ナット等のスタッド溶接を行うことができる、高出力なスタンドタイプのスタッド溶接機です。
タイマー設定を最小にすることで、高い溶着力を保ちながら溶接による母材への熱影響を最小限に抑えることができます。
また0.5mmまでの鉄板やステンレス鋼板の片面溶接に、ローリングチップ使用による連続スポット(シーム)溶接も行うことができるため、目的に応じた柔軟な使い方をすることが可能です。
MRN-2500Ⅲはマイコン搭載で、デジタルな精密波形制御を行うことができる大容量サイリスタ電源をもつスタッド溶接機です。
専用のスタッド溶接ガンGS-203を使用することで溶接電流2,500Aまでの大電流でスタッド径9.5mm~25mmまでの太径スタッドの溶接を行うことが可能です。
またガンコイルのON/OFFがリレーから電磁式になったことで500万回の長寿命化を達成したほか、各種保護回路を組み入れることで安全に長く使用することができます。
STC-132は軟鋼、ステンレス鋼、銅、黄銅のスタッド溶接を行うことができる小型のスタッド溶接機です。
重量12kgと軽量で、AC100V電源があれば使用可能なので使用場所を選ばず柔軟に活用することができます。
小型・軽量にも関わらずコンデンサーは132,000μFと大容量なためΦ10までのスタッドを溶接することが可能です。
また国内生産で安全設計となっているため、安心してスタッド溶接の施工を行うことができます。
NSW21EXは2台の溶接ガンを接続して使用することができる、インバータ式デジタル制御型のスタッド溶接機です。
電流は最小200Aから最大2,000Aまでの大電流に対応しており、呼び径3mm~9mmのスタッドに対して標準で2台、オプションで最大5台までの溶接ガンを接続して使用することができます。
デジタル制御により電流波形も直流とパルスから選択することができ、安定した品質の溶接を行うことが可能です。
インバータ式なので省スペース・省電力で、自己診断機能を搭載しているため故障の早期発見により長く使い続けていくことができます。
CD-1000Rは軟鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、チタンまで多種多様な金属に対してスタッド溶接の施工を行うことができるスタッド溶接機です。
コンデンサー容量は234,000μFと大容量で、溶接も1/1,000秒台とミリ秒オーダーで行うことができるため、母材に対する熱影響を抑えることができます。
溶接可能なスタッドはストレートタイプ、フランジタイプにめねじスタッドまで対応しており、溶接ガンも標準型の他隅打ち兼用型、ギャップ型も使用できるためアルミニウムやチタンも安定的に溶接施工することが可能です。