水素ガス発生装置のメーカー18社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
水素は分析機器の燃料ガスや実験用としてひろくつかわれているガスであり、研究用としても多く使われています。
また、これからの社会において二酸化炭素軽減は非常に重要な課題です。その為、燃料電池自動車の燃料としての水素の利用や、高炉へ水素を吹き込む事により二酸化炭素を軽減させる研究もおこなわれています。
このような用途の場合には水素ガス発生装置で多量の水素を生成して、供給及び保管する必要があります。
水素ガス発生装置は小型の物から大型のものもあり、用途によりその大きさも変わります。
例えば実験用の水素やキャリアガス用の水素であれば、それほど量はいらないので卓上程度の小さな発生器でも問題ありません。
しかし、水素ステーションや高炉向けなどは非常に大きな水素ガス発生装置が必要となります。
それ以外にも水素は金属の熱処理分野や、原油から硫黄分を取り除く工程などでも多く使用される気体ですので、そのような工場でも水素ガス発生装置は必要となります。
水素ガス発生装置はその名の通り水素ガスを発生させますが、その方法はいくつかの方法があります。
まず代表的なものが皆さんもご存じの水の電気分解です。水はH2Oなのでこれを電気分解すると酸素と水素を取り出すことができます。この方法は非常によく知られており、原理も単純ですが効率は良いとは言えず多量に発生させるには不向きな方法です。
その為、工業的には炭化水素を用いた水蒸気改質という方法が用いられています。これはCH4等の炭化水素を高温化で触媒に通すことにより、水素を得るという方法です。
高温が必要であり不純物を除去する工程も必要なので大掛かりな装置が必要ですが、非常に効率よく水素を得る事が出来ます。
このような設備は一般的に自動化されており、ユーザーが必要な事は定期的なメンテナンスだけですので多量の水素が必要な場合に適している設備といえるでしょう。
その他にも水素を発生させる方法は非常に多いですが、工業的には水蒸気改質が最も多く用いられる方法です。
水素ガス発生装置は主に研究や業務用として用いられることが多いですが、近年では一般向けに用いられる場面も増えました。
たとえば、水素ガス吸入器は、化粧品分野や医療分野、スポーツ分野やリラクゼーションなど幅広い業界で展開されています。水素ガス吸入器の市場規模としては増加傾向にあり、主要メーカーへの調査では、2020 年度では昨年度比3 割拡大も見込まれるとのことです。
また、水素ガス発生装置を一般家庭で扱うことの危険性ですが、現時点では水素爆発の危険が低い濃度範囲は10%未満とされています。現在研究段階のことも多く、今後も最新情報を参考にして利用を進める必要があります。
一般のガスボンベと比較した水素ガス発生装置のメリットとしては、何よりも環境に優しいクリーンな点が注目されています。
水素により二酸化酸素排出量の削減へ繋がるのは、使用する際には酸素と結合して最後は水になることから、二酸化炭素を排出しないためです。また、水素ガス発生装置は一度設置すれば交換が不要で、ガスボンベのように交換のためにトラックで運搬する必要がなくなるため間接的にも二酸化炭素の排出量削減に繋がります。
また、水素ガス発生装置では無休でガスを生成することができるため、ガスボンベの交換などの作業が無くなり作業コスト削減にもなります。
参考文献
https://www.peakscientific.jp/discover/articles/how-does-a-hydrogen-generator-work/
https://www.awi.co.jp/business/industrial/plant/vh.html
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/course50.html
https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/14894
https://www.this.ne.jp/news/3307/
https://www.ismz.co.jp/suiso-kihon/index.html
https://univ-journal.jp/27980
https://www.peakscientific.jp/discover/articles/how-does-a-hydrogen-generator-work/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
高純度水素ガス発生装置HK-250はガスクロマトグラフ中のFID、FPD検出器へ燃料となる水素を供給するための製品です。
原料には純水または超純水を使用し、発生する水素の純度が99.999 %以上と非常に高いため、GC測定を安定した条件下で行うことができます。
また、230×370×480Hとコンパクトであり100V電源で使用が可能、水素ガスボンベの設置が不可能な部屋にも設置可能等、場所を問わずに使用することができます。
この装置によって供給される水素の流量は250ml/minとなります。
高純度水素製造装置H2-PSAは天然ガスやコークス炉から水素ガスを分離、生成する為の製品です。
原料としては都市ガスやメタノール、コークス等の原料、あるいは各種の回収されたガスが用いられ、水素以外のガスを吸着させることにより水素を最大純度99.999%で分離します。
従来品と比較して吸着力に優れた吸着剤を使用しているためコンパクトで、また、プレフィルターを設けているため高効率での分離が可能です。
この装置によって供給される水素の流量は最大で1系統あたり5,000㎥/hとなります。
燃料ガス用水素ガス発生装置H2PEM-100はガスクロマトグラフ中のFIDに燃料となる水素を供給するための製品です。
原料としてはイオン交換水を使用し、発生する純度99.9995%の水素を複数台のFIDに供給することができます。
また、435×342×456Hとコンパクトであり100V~230Vの電圧で使用可能、イオン交換水のみの補充で数週間の連続運転が可能でリモートコントロールの設定がある等、利便性の上でも優れています。
この装置によって供給される水素の容量は100ml/minとなります。
水素ガス発生装置VH-010は天然ガスを改質することによって水素を製造、精製する製品です。
天然ガスを熱中和型の触媒下で燃焼させ、水蒸気で改質することによって従来製品と比較して触媒容量の削減、SOx、NOx等の無排出等を実現しています。改質触媒は多孔質アルミナにRh、Ni、Ce2O3、Ptを担持させたメーカー独自のものとなります。
この装置によって供給される水素の容量は40~100㎥/hとなります。
水素ガス発生装置Precision Hydrogen SL 100はガスクロマトグラフ中に燃料となる水素を供給するための製品です。
原料にはASTM TypeⅡ以上の純水を使用し、発生する水素の純度が99.9995%と高くGCの測定結果の安定に寄与します。
サイズは250 x 160 x 355Hと非常にコンパクトでありワンボタンでも操作可能、また、フェイルセーフ停止機能も実装され、設置場所を問わず手軽に使用することができます。
この装置によって供給される水素の流量は100ml/minとなります。