振盪機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、振盪機のメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。振盪機関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:ヤマト科学株式会社、2位:株式会社セイシン企業、3位:タイテック株式会社となっています。
図1. 一般的な振盪機のイメージ
振盪機とは、試験管や三角フラスコ、分液ロートなどの容器を一定の周期で振盪させ、試料の撹拌を行うための装置です。
シェーカーと呼ばれる場合もあります。装置によって、サンプルホルダーの大きさ、振盪の激しさや加熱温度の上限などが異なります。実験条件やサンプル数によって適切な振盪機を選定することが必要です。
振盪機は、試験・研究用途で使用されます。生命科学や化学分野における実験において、長時間一定の振盪が必要な場合での使用が一般的です。
生化学分野では、DNAやRNAの抽出などの用途があり、その際はマイクロチューブのような小さな容器が用いられます。免疫沈降法やウエスタンブロッティングなどでは、タッパなどを容器として使い、シーソー形式で振盪する振盪機が用いられます。
化学実験における用途は、反応中の撹拌以外に、抽出作業の際に各層を分離させることです。更に、環境試験や土壌試験などにおける溶出試験、食品アレルゲン検査や食品の残留農薬検査における溶出試験も用途として挙げられます。これらの場合は、公的に定められた試験法 (土壌汚染対策法や食品アレルゲン検査の公定法など) に基づいて振盪を行う必要があるため、適合した製品を用いることが適切です。
振盪機は、振盪台の下部の台座内に動力部分が内蔵されています。動力部分は、モーターからベルトを介してプーリーに力を伝えることで、モーターの回転が振盪台の往復運動に変換される、という仕組みです。
マグネチックスターラーの撹拌に比べると、一般的に撹拌力は弱めです。一方、振盪機はマイクロチューブのような、スターラーチップが入らない非常に小さい容器でも振盪させることができるという利点があります。
振盪によって溶液に浸した固体からサンプルを抽出することも可能です。また、装置によってはサンプルホルダーが用意されているため、一度に大量のサンプルを振盪させることもできます。
図2. 主に生化学分野等で使用される振盪機1
振盪機の種類は、形式や使用可能な容器、大きさ、用途などによって分類することができます。
振盪機の振盪形式は、製品によって往復、旋回、シーソーなどがあり、振盪方向にも水平や垂直があります。速さも調節可能ですが、段階式か無段階式かは製品によって異なります。製品によっては、タイマー内蔵型のものもあります。
図3. 主に生化学分野等で使用される振盪機2
製品によって様々な容器に対応しています。主な容器として、小型のものでは、ウェルプレート、マイクロチューブ、試験管、遠沈管、バイアル瓶などが挙げられます。大型のものでは、分液ロートや三角フラスコまで対応可能です。シーソー形式の製品は、主にタッパーやシャーレを載せて使われることが多いです。
容器をツメクランプでセットするタイプや、台に載せるだけのものなど様々なものがあります。特に、スプリングネット型と呼ばれるものは、容器の形状によらず簡単に取り付けることができ、汎用性が高いです。製品にもよりますが、通常、複数個の容器を取り付けることができます。
振盪機の大きさ自体も、卓上小型〜中型のものから、床上据え置きの大きなものまで様々なものがあります。床上置型の一部の大型製品では、三角フラスコを二段で取り付けることが可能です。
土壌汚染対策法の溶出試験や、公定法で定められた食品アレルゲン検査には、各種法令に適合した専用の強力振盪機製品があります。これらの用途の場合は、専用製品を用いることが必要です。
また、微生物を培養させる場合などは、恒温槽と一体になった振盪機を用います。その他の特殊製品としては、高湿度対応振とう機が挙げられます。これは、CO2インキュベーター庫内などの非常に高い湿度の環境下での使用を目的としている製品です。
参考文献
https://www.yamato-net.co.jp/word/31
https://taitec.net/type/%E6%8C%AF%E3%81%A8%E3%81%86%E6%A9%9F/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2023年11月の注目ランキングベスト4
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | ヤマト科学株式会社 |
25.0%
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2 | 株式会社セイシン企業 |
25.0%
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3 | タイテック株式会社 |
25.0%
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4 | エスペック株式会社 |
25.0%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の振盪機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている振盪機が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
株式会社飯田製作所製のロータップ式ふるい振とう機は、あらゆる試料の分析に適していることに加えて、高い分析効率と省スペースが特徴です。
標準仕様(@50Hz)は、回転数 246 r.p.m、衝撃数 145 t.p.m、ふるい架数 8個(受け器1個含む)、ふるい φ200×深さ45 mm、 タイムスイッチ付きとなっています。
電動機を装置内に内蔵、打撃ハンマーを支柱に内蔵する設計としたことで、幅 615 mm×奥行 310 mm×高さ 900mmと従来機と比較して半分の据付面積を達成しています。
株式会社関西機器製作所製のロータップ式ふるい振とう機は、給油が不要で、アンカーボルトが必要ない新世代の振とう機です。
標準仕様は、ふるい 8種、振動数 25〜250 rpm、振幅 30±15 mm、打撃数 26〜103 t.p.m or OFF、タイマー 0.1秒〜10時間となっています。
従来機の構造を抜本的に見直した上、回転部分と稼働部分をベアリング構造とすることで、従来機と比較して機械音を半減した、作業環境に考慮した1台です。
株式会社セイシン企業製のふるい振とう機 Dura Tapは、ロータップ式を採用した振とう機です。
ハンマーでの打撃(目詰まり防止)と、水平楕円運動(粒子の分散性向上)を最適に組み合わせる事で、高い分級効率を達成することが特徴です。
標準仕様は、回転数 246 r.p.m、衝撃数 146 t.p.m、ふるい段数 7段または14段、ふるい φ200×深さ45 mm(JIS標準ふるい)、 タイマー 0〜99時間となっています。
株式会社シー・エム・ティ社製のロータップ式ふるい振とう機の特徴は、優れたふるい分け能力、省スペース、油漏れ防止、騒音防止性能が備わっていることです。
標準仕様は、振とう数 290 r.p.m、振幅 28 mm、打数 156 t.p.m、使用可能なふるい径 150 または200 mmで、ふるい架数 8 または6となっています。
ふるい面に楕円運動を与えることで、ハンマーによるタッピング振動との相乗効果で、試料の目詰まりを減少させることで、ふるい分け能力を高めた1台です。